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「うつ病」の治療法を医師が解説 薬以外の治療法にはどんな選択肢があるの?

 公開日:2025/02/21
うつ病の治療

うつ病の治療といえば「薬を飲むこと」と思われがちですが、実際には薬物療法だけでなく、心理療法や運動療法など、さまざまな治療法があります。また、重度のうつ病では、電気けいれん療法(ECT)や経頭蓋磁気刺激(TMS)などの選択肢もあります。そこで、医師の種市先生にうつ病の治療法について解説してもらいました。

編集部編集部

うつ病の治療には、どのような方法がありますか?

種市 摂子先生種市先生

薬物療法心理療法運動療法などが挙げられます。時には、電気けいれん療法(ECT)、経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation,TMS)などを用いる場合もあります。大切なのは、うつ症状を改善する方法を見つけ、ストレスに耐えられる力を高めていくことです。

編集部編集部

うつ病に対する薬物療法について詳しく教えてください。

種市 摂子先生種市先生

一般的な薬として、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が挙げられます。この薬は、セロトニンの減少を防ぎ、脳内のセロトニン濃度を増やすことでうつ病の症状を緩和します。また、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)も使われますね。これは、セロトニンとノルアドレナリンの両方の減少を防ぎ、神経伝達物質の脳内濃度を上げてうつ病を治療します。また、三環系抗うつ薬(TCA)もありますが、副作用が多いため、SSRIやSNRIよりも後の選択肢とされることが多いですね。

編集部編集部

薬を服用する以外にはどのように治療するのですか?

種市 摂子先生種市先生

心理療法では思考や行動のパターンを見直し、うつ状態を改善する「認知行動療法」や、患者さんの人間関係がうつ病に与える影響を探り、ストレスになっている対人関係を改善していく「対人関係療法」があります。また、「マインドフルネス瞑想」は、東洋の禅に基づく心理療法で、リラクゼーション法の1つです。これらは軽症のうつ状態の方には有効と言われています。

編集部編集部

重度のうつ病の場合、どのような治療選択肢があるのですか?

種市 摂子先生種市先生

重度のうつ病患者さんで、薬物療法や心理療法の効果が無い場合には、「電気けいれん療法(ECT)」や、「経頭蓋磁気刺激(TMS)」がおこなわれることもあります。「経頭蓋磁気刺激(TMS)」は、特定の脳部位を磁気刺激して神経細胞を活性化する治療法です。

編集部編集部

その他、治療における注意点がありましたら教えてください。

種市 摂子先生種市先生

うつ病の治療には、運動をはじめ、生活習慣の改善も重要です。バランスの取れた食事や十分な睡眠など、ストレス耐性を高める生活習慣がうつ病のリスクを減らし、治療の効果を高めることが示されています。治療と並行して、生活習慣の改善に取り組みましょう。

種市 摂子

監修医師
種市 摂子(Dr.Ridente株式会社 代表取締役)

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香川大学医学部、名古屋大学医学部大学院卒業。救急医療、脳神経外科診療、睡眠診療、精神科診療などを経て、予防医療を目的に、2008年より産業医サービス提供開始。これまでに、楽天株式会社をはじめ、IT企業、ベンチャー企業、IPOを目指す企業を中心に、650事業所以上を支援、ハラスメントゼロ・休職者ゼロのカスタマーサクセスにつなげている。日本精神神経学会専門医・指導医。Well-being向上委員会委員、日本スポーツ精神医学会会員、日本精神神経学会(精神保健に関する委員会委員)、健康経営アドバイザー、睡眠衛生コンサルタント、ストレングスファインダー認定コーチ、日本産業精神保健学会優秀賞、T-PEC優秀専門医。

※この記事はMedical DOCにて【「うつ病」の原因・症状を医師が解説 うつ病の人に現れる特徴とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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