白内障と診断されたら手術は必要? 進行具合ごとの治療方法について医師が解説

白内障の主な原因は加齢と言われていますが、白内障を発症してしまったら直ぐに手術を受けなければならないのでしょうか? 進行具合ごとの治療方法や手術の方法について「安藤眼科クリニック」の安藤先生に詳しくお聞きしました。

監修医師:
安藤 靖恭(安藤眼科クリニック 院長)
慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部眼科入局、同眼科専任講師、北里研究所病院眼科部長などを経た2017年、東京都練馬区に「安藤眼科クリニック」開院。慶應義塾大学病院やその関連病院で体得した診療・研究内容を、地域医療に生かしている。医学博士、日本眼科学会認定眼科専門医。日本眼科手術学会、日本眼炎症学会、日本緑内障学会の各学会所属。
編集部
白内障になってしまったら、どのような治療方法があるのでしょう?
安藤先生
軽度な場合は、お薬で進行を抑制します。重度な場合は、超音波で濁った水晶体を取り除き、直径6ミリほどの眼内レンズで補います。なお、眼内レンズによる治療は保険の適用が可能です。費用は3割負担を前提に、片目で約5万円といったところです。入院を希望する場合は、さらに1万円前後の費用がかかるでしょう。
編集部
「眼内レンズ」について詳しく教えてください。
安藤先生
保険の適用ができるのは単焦点レンズで、遠くか近くのどちらかにピントを合わせるかを選択する必要があります。どちらにもピントの合う遠近両用の多焦点レンズは自由診療になります。多焦点レンズは「遠近のピントがあわせやすい」一方、「コントラストの不明確さ」や「暗い場所での見にくさ」を伴うことがあります。多焦点レンズの場合、目に入った光が、遠近の2方向に分散されてしまうからです。
編集部
白内障を放置しているとどうなりますか?
安藤先生
見えづらい状態が続くほか、緑内障や目の中の炎症を併発することも考えられます。白内障だけにととどまっていたとしても、重篤化するにしたがって、手術が難しくなってきます。用いる超音波の量が増えると、他の目の組織を痛めてしまいかねないからです。
※この記事はメディカルドックにて【白内障の進行に気付けるサインはありますか?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。