「インフルエンザの予防接種」で注意が必要な子どもとは? ワクチンの副作用や注意点を医師に聞く

インフルエンザワクチンは基本的に安全ですが、卵アレルギーがある赤ちゃんには注意が必要です。アレルギーなどによる副反応が出た場合どのように対応したら良いのでしょうか? 子どものワクチン接種とアレルギーについて「ソージュ山下町内科クリニック」の中村先生に詳しく伺いました。

監修医師:
中村 蓉子(ソージュ山下町内科クリニック 院長)
東京医科歯科大学医学部医学科入学後、海外留学を経て、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程神経病理学分野入学、修了。東京医科歯科大学医学部附属病院や横浜市立みなと赤十字病院へ勤務後の2020年、神奈川県横浜市に「ソージュ山下町内科クリニック」開院。予防の観点から、定期的に相談できるかかりつけ医を目指している。医学博士。日本内科学会認定内科医、産業医、協力難病指定医。
編集部
注意を要する赤ちゃんのケースはありますか?
中村先生
インフルエンザワクチンの培養には鶏卵を使うため、「卵アレルギー」の赤ちゃんは注意が必要です。しかし、日本製のワクチンに関して言うと、「混じり込んでいる卵の成分」をかなり抑えこめているようです。卵を食べても大丈夫な子どもなら感染予防の効果が勝るので、接種は可能と考えていいと思います。念のため、卵アレルギーがわかっていたら、担当医と相談してください。
編集部
慌てないためにも、ほかの副反応があったら教えてください。
中村先生
軽度なものとしては、「注射した箇所の腫れ」、「発熱」、「風邪と似た症状」などです。これらが次第に軽くなっていけば、心配はありません。他方、「痙攣(けいれん)している」、「食べ物をもどす」、「反応がない」などの副反応があったら、ためらうことなく救急車を呼んでください。可能なら、接種後30分は院内に残って様子を見ましょう。この段階で特段な変化がなければ、安心してご帰宅いただいて結構です。
編集部
赤ちゃんの注射って泣かれるので、見ているとかわいそうです。
中村先生
接種は一瞬でも、その効果が長く続きます。「インフルエンザや合併症にかかるのと、どちらがかわいそうなのか」という視点に立っていただくしかないでしょう。赤ちゃんは自分で健康管理できませんので、大人が守ってあげてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
中村先生
インフルエンザに限らず、国内のワクチンは安全性が認められています。感染症を広めない社会的なシステムとして、前向きに検討してください。また、接種間隔の改訂により、「麻しん風しん混合ワクチン」との接種スケジュールが組みやすくなっているはずです。最寄りの医療期間で最新情報を確認しましょう。
※この記事はメディカルドックにて【インフルエンザの予防接種は何歳から受けるべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。