境界性パーソナリティ障害は幼少期の環境が影響している? 原因や診断方法を医師が解説

境界性パーソナリティ障害は、幼少期の家庭環境や生活習慣、遺伝的要因など、さまざまな要因が影響する複雑な障害です。精神的に不安定で、集団生活に適応しにくいことが原因で発症することもあります。本記事では、境界性パーソナリティ障害の発症原因や診断方法について、筑波大学精神神経科の松崎朝樹先生に解説していただきました。

監修医師:
松崎 朝樹(筑波大学精神神経科)
編集部
境界性パーソナリティ障害の原因にはどのようなものがありますか?
松崎先生
境界性パーソナリティ障害は「境界性人格障害」という名称で呼ばれることもあります。最新の診断基準DSM-5-TRでは「ボーダーラインパーソナリティ症」と呼ばれることになり、これからはその名称を耳にすることも増えてくると予想されます。発症する原因は、幼少期の家庭環境や生活習慣、先天的な問題など様々です。幼い頃から不安を抱えやすい傾向があり、精神的に脆く、集団生活になじめないなどの結果、いつの間にか発症している場合もあります。遺伝的な要因の可能性も報告されており、明確な原因は定まっていません。
編集部
境界性パーソナリティ障害はどのような方法で診断されるのですか?
松崎先生
診断には、DSM-5という、米国精神医学会が発行している方法を用いて、具体的な症状の経過に基づき診断をします。症状を正確に把握する必要があるため、診断には医師による問診が必要です。また、心理検査が補助的に用いられることもあります。
編集部
MRI検査やレントゲンなど、その他の検査は必要ではないのでしょうか?
松崎先生
頭部MRIやCT、レントゲン、脳波、血液検査、尿検査、心電図、いずれも診断には用いません。症状の背景に何か隠れた病気が無いかの確認や、薬剤を使ったときに副作用が出ないかの確認のために検査をすることはあります。
※この記事はメディカルドックにて【「境界性パーソナリティ障害」の特徴的な症状9つを精神科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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