乳がん検診にはどのような方法があるの? それぞれのメリット・デメリットを医師が解説!
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乳がんは、早期に発見し治療を行うことで予後が大きく改善する病気です。そのためには、適切な検診を定期的に受けることが重要です。乳がん検診の中心となるマンモグラフィと超音波(乳腺エコー)検査、それぞれの特徴や利点、検査方法について「高崎乳腺外科クリニック 院長」の吉田先生にお聞きしました。

監修医師:
吉田 崇(高崎乳腺外科クリニック)
編集部
乳がんの検診には、どのような方法がありますか?
吉田先生
まずマンモグラフィと超音波(乳腺エコー)検査を行い、必要に応じて細胞や組織を取って調べる検査を行います。マンモグラフィと超音波検査にはそれぞれ長所、短所があり、両方受けることによって、乳がんの発見率も上がります。
編集部
マンモグラフィはどんな検査ですか?
吉田先生
マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン検査です。乳房を圧迫される一時的な痛みがありますが、超音波検査ではわからない早期の乳がん(石灰化病変)を見つけることができます。一方で、画像の性質上、乳腺の発達している若い人や閉経後でも乳腺の量が多い人(高濃度乳房といいます)では、乳がんがあっても見つかりにくいことがあります。最近では、従来のマンモグラフィ(2Dといいます)の弱点を補う3Dマンモグラフィを導入する病院も増えてきています。当院でも導入していますが、2Dのマンモグラフィでは見えにくかったしこりをはっきりと確認することができます。
編集部
では、超音波(乳腺エコー)検査とはどんな検査ですか?
吉田先生
超音波(乳腺エコー)検査は、超音波エコーで乳房内の病変の有無・しこりの性状や大きさ・わきの下のリンパ節への転移などを調べます。ゼリーを塗り、プローブと呼ばれる道具を乳房に当てて観察します。マンモグラフィのように放射線による被曝の心配がありませんので、妊娠中でも検査が可能です。特に、エラストグラフィという機能が加わっている超音波検査装置を使用することで、乳がん検診の精度(良性・悪性の鑑別)が向上します。
※この記事はメディカルドックにて【≪乳がん検診≫マンモグラフィと超音波(乳腺エコー)検査のどちらを受診すべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。