自己流の「糖質制限」は危険!? 糖質制限ダイエットに潜む悪影響を医師が解説
監修医師:
湯浅 幸子(尾山台ゆあさ内科クリニック 院長)
東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部腎臓・内分泌・代謝内科助手、東京都立大塚病院内科、 東京都済生会中央病院総合健診センターなどを経て、尾山台ゆあさ内科クリニックを開設。糖尿病外来などで培ってきた経験を生かし、患者さんの生活に寄り添った医療を提供している。医学博士、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本糖尿病協会療養指導医などの資格を有する。
編集部
糖質制限ダイエットという言葉をよく聞きますが、これって危険なのですか?
湯浅先生
米や麺類などを一切食べない、という糖質制限をしている人がよくいますよね。米や麺類には確かに糖質が多く含まれていますが、まったく食べないというのは、体にとって危険です。
編集部
そもそも糖質とはなんなのでしょうか?
湯浅先生
糖質とは人間の体を動かすエネルギーになる栄養素なのです。基本的には肝臓や筋肉にグリコーゲンという物質に変換され貯蔵されますが、それでも糖質が余った場合に体脂肪として蓄積されるのです。つまり、糖質を全く摂らないということは、生活に必要なエネルギーも摂取できないということになるのです。
編集部
糖質を摂らないとどうなるのでしょう?
湯浅先生
極端な糖質制限を行うと、脂肪を分解してエネルギーに変換します。しかし、これによりケトン体 という物質が増えて、体内の細胞を傷つけてしまいます。重症だと命に関わることもあります。
編集部
なるほど。その他、悪影響がありましたら教えてください。
湯浅先生
糖質を減らして、その分脂質やタンパク質の摂取量が増えると、栄養バランスが崩れ、コレステロール値が増えてしまいます。その結果、血管を痛めたり、腎臓の働きを悪化させたりしてしまいます。
※この記事はメディカルドックにて【自己流の糖質制限は危険!? これってなんで?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。