「加齢黄斑変性」はセルフチェックできる? 早期発見のポイント・治療法を医師が解説!
加齢黄斑変性は、視界のゆがみを「マス目状のシート」を用いてセルフチェックすることが可能です。早期発見と適切な治療が視力の保護につながります。治療法やセルフチェックのポイントについて「シオノアイクリニック」の塩野先生に解説していただきました。
監修医師:
塩野 陽(シオノアイクリニック)
編集部
加齢黄斑変性はセルフチェックできるのでしょうか?
塩野先生
加齢黄斑変性用のチェックに多用されているのは、将棋盤のような「マス目状のシート」です。なぜなら、加齢黄斑変性の症状として多いのが、視野のゆがみだからです。直線のはずのマス目がゆがんだり曲がっていたりしたら、加齢黄斑変性かもしれません。
編集部
「視野の欠け」ではなく、見えている「視界のゆがみ」なんですね。
塩野先生
基本的にはそうです。ところが、視野中心部が黒ずんで見えにくくなることもあります。チェック自体はしていただきたいところですが、おかしな見え方がしたら迷わず眼科医に診てもらいましょう。
編集部
もし治療が必要だとしたら、どんな方法になるのでしょうか?
塩野先生
加齢黄斑変性に対する治療方法は、患部への注射がメインです。薬の成分によって「新生血管をつくる因子の命令」を抑えこみます。なお、ジェネリック薬の登場により、注射の薬価が半額程度に抑えられてきました。インターネットで散見される「3割負担で5万円前後」という薬価は、かつての新薬の費用です。ただし、ジェネリック薬に対する医師の考え方もあるでしょうから、受診する医院の薬価を事前に確認しておきましょう。
編集部
どのように加齢黄斑変性と向き合えばいいですか?
塩野先生
「マス目状のシート」でゆがみを覚えたら、加齢黄斑変性かどうかに関わらず、早急に受診してください。加齢黄斑変性は、早めに治療を開始すれば、回復が見込める病気です。他方で、黄斑へのダメージが進行してしまうと、失明に至ってしまう可能性もあります。そうならないためにも、早めの対策を講じていきましょう。
※この記事はMedical DOCにて【加齢黄斑変性を予防するために覚えておきたい3つのコト】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。