デスクワークはめまいを起こしやすい? めまいの起きる仕組みを医師に聞く
安静な状態が多いデスクワークでも、めまいを起こすことがあります。「ふくろうクリニック自由が丘」の伊澤先生によると、安静だからこそ起きやすいめまいがあるのだとか。今回は、めまいについての詳しい話を伺いました。
監修医師:
伊澤 真理子(ふくろうクリニック自由が丘 副院長)
東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大橋病院勤務後の2021年、東京都世田谷区に位置する「ふくろうクリニック自由が丘」の副院長就任。脳を中心とした疾患にチーム医療で対応している。日本脳神経外科学会専門医、日本認知症学会専門医・指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医。
編集部
めまいのような症状って、病気なのでしょうか?
伊澤先生
一言にめまいと言っても、「立ちくらみのようなフラッとする感覚」や「周りがぐるぐる回転しているような感覚」もめまいと表現されることが多く、原因も様々です。一般的な外来でめまいを訴える患者さんの6~7割は、「良性発作性頭位めまい症」と診断されています。良性発作性頭位めまい症は、寝返りをうったときや、物を拾ったときなど、特定の頭の位置になったときに短時間のめまい発作を繰り返します。また、「耳石」という炭酸カルシウムの小さな粒が本来の位置から転がり出て、誤って平衡器官を司る三半規管に入りこむことで生じます。
編集部
耳石が転がるということは、運動をしている人に起きやすそうですね。
伊澤先生
いいえ。むしろ逆で、「長時間、頭を動かさない人」に起きやすいです。そして予防には、耳石を三半規管に溜め込まないよう、長時間の同じ姿勢を避けることが有効です。
編集部
昨今、自宅のデスクでリモートワークする機会が増えてきましたよね。
伊澤先生
そうですね。良性発作性頭位めまい症と診断される人の約50%は「デスクワーク従事者」と言われています。もし、デスクワークが長時間続くときは、定期的に姿勢を変えたり身体を動かしたりしてリフレッシュしましょう。
編集部
三半規管に入った耳石は、どのようにして元の位置に戻すのでしょうか?
伊澤先生
特殊なメガネを使って目の動きを観察しながら頭を動かすことで、左右3つずつある三半規管のどこに耳石が迷い込んだか診断します。そのうえで、特定の向きに頭を動かして三半規管から耳石を出していきます。
※この記事はMedical DOCにて【デスクワークをしている人は要注意! ずっと同じ姿勢でめまいを起こす「良性発作性頭位めまい症」とは】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。