定期的なめまいは病気のサイン! 原因と対策は?
風邪を引いたわけでもないのに、頻繁にめまいが起こって悩んでいる人を見かけることはないですか? 原因がわからないので不安になるし、対策がわからないと防ぐこともできません。日常的におこるめまいとはいったいなんなのか、八代耳鼻咽喉科の八代先生に聞いてきました。
監修医師:
八代 利伸(八代耳鼻咽喉科 院長)
小さい頃から現医院のある西川口で育った、八代耳鼻咽喉科の2代目院長。慈恵医大卒業後、米国のブランダイズ大学に留学。帰国後、慈恵医大などで講師を務めたが、父が患者さんに信頼されていた地元の医院を継ぐため、平成11年に継承。地域の方々に恩返ししながら、日々の治療にあたる。
日常的なめまいの原因はメニエール病の可能性
編集部
定期的に起こるめまいの原因はなんですか?
八代先生
日常的にめまいが頻繁に起こる場合は「メニエール病」や「自律神経失調」が原因の可能性がありますね。
編集部
メニエール病とはどういう病気なのですか?
八代先生
難聴や耳鳴りを伴ってめまいを繰り返す病気です。耳の中には内耳という平衡感覚を調整する機能があり、内リンパ液で中が満たされていますが、メニエール病になるとこの調整がうまくいかなくなります。
編集部
どのような症状が起こるのでしょうか?
八代先生
メニエール病の類縁の疾患として、蝸牛型メニエール病と前庭型メニエール病があります。蝸牛と前庭はどちらも内耳の中にあり、蝸牛は鼓膜からの音を信号に変え、前庭は頭の位置や加速度を感じる部分です。蝸牛型メニエール病になると、低音が聞きづらくなる、耳の閉塞感などを繰り返します。一方、前庭型メニエール病は聴覚の機能には問題ありませんが、めまいが繰り返し起こるのが特徴です。この両方が揃って起きてしまうことを、メニエール病と言います。
自律神経を整えてめまいのない生活を
編集部
メニエール病になると、どうしてめまいが日常的に起こるのですか?
八代先生
メニエール病はなかなか完治することがない、めまいや難聴を繰り返すやっかいな病気です。メニエール病には発作期と安定期があり、発作期になるとめまいが起きたり、聴力に異常を感じます。メニエール病になってしまったら症状がでない安定期をできるだけ長くする必要があります。
編集部
ではどうしたらめまいが起きない安定期が長く続くのですか?
八代先生
薬による薬物療法も行いますが、一番は発作を起こさないように自律神経を安定させることです。ストレスのない規則正しい生活を心がけ、よく眠るように心がけましょう。また有酸素運動を日常的に続けることは効果的と言われています。メニエール病は自律神経と関係が深いため、40~50代女性でかかる人が多い病気です。
編集部
メニエール病の診断はどのようにしますか?
八代先生
患者さんからめまい、聞こえづらいなどの症状を聞いた上で、聴力検査や眼振検査などを行って診断します。原因がわかればめまいの対策もしやすいので、ぜひ耳鼻咽喉科へ気軽に相談してください。
編集部まとめ
突発性やすぐに治るめまいではなく、慢性的に続くめまいの一つとしてメニエール病が原因である場合があるようです。メニエール病は繰り返す病気のため、症状が出ない安定期をできるだけ長く続けるのが重要だとわかりました。そのためにも規則正しい生活、ストレスを溜めないなどをこころがけ、自律神経を整えることが大切です。原因がわかれば対策も立てやすいので、めまいを繰り返すときは耳鼻咽喉科に相談してみてください。
医院情報
所在地 | 〒332-0021 埼玉県川口市西川口2-2-9 |
アクセス | 京浜東北線「西川口駅」西口から徒歩6分 |
診療科目 | 耳鼻咽喉科疾患全般 |