「乳がん検診は受けない方がいい」の真偽とは? 医師嘆く低い日本の受診率
日本における乳がん検診の受診率は、50%にも満たないそうです。主におこなわれるマンモグラフィ検査は有効な検査である一方、「被曝のリスク」を気にして検診を受けない人もいると茗荷谷乳腺クリニックの氷室先生は言います。詳しい話を聞かせてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【「乳がん検診は受けない方がいい」実際どうなの? 医師が開始年齢の目安とマンモグラフィ・超音波検査のリスクを解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
氷室 貴規(茗荷谷乳腺クリニック)
編集部
「乳がん検診は受けない方がいい」と聞きました。これはなぜでしょうか?
氷室先生
たしかに、一部ではそのように言われています。「被曝のリスクが大きい」というのが主な理由のようです。
編集部
「被曝のリスク」とは?
氷室先生
乳がん検診では主に、マンモグラフィという検査をおこないます。マンモグラフィ検査では、乳房をプラスチックの板で挟んで平たくしてから、乳房専用のX線装置で撮影します。マンモグラフィは視触診だけでは見つけることができないしこりや、石灰化のある小さな乳がんを見つけることもでき、とても有効な検査なのです。ただ一方で、X線による放射線被曝のリスクがあるとされています。
編集部
検査をするたびに被曝しても、健康上のリスクはないのですか?
氷室先生
被曝するといっても、浴びる放射線量はごくわずかです。日常生活において、自然に浴びる放射線量の50分の1程度と言われています。また、1回の検査でがんが発症するわけではありませんから、それほど気にする必要はないでしょう。
編集部
それほどリスクが高くないのに、「乳がん検診は受けない方がいい」と言われているのですね。
氷室先生
※厚生労働省「低い日本の検診受診率」
https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_27/outline/low.html