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「膀胱炎」の原因を医師が解説 なぜ“女性”に多く発症する?

 公開日:2024/06/17
膀胱炎 女性に多い原因は?

頻尿や排尿痛、残尿感などの症状が起こる膀胱炎女性に多く発症するといわれていますが、なぜ発症するのかご存知でしょうか。今回は「港南台かわかみ泌尿器科クリニック」の川上先生に膀胱炎の原因について解説いただきました。

※この記事はMedical DOCにて【治らない「膀胱炎」の原因・対策を医師が解説 抗生物質・抗菌薬を飲んでも繰り返すのはなぜ?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

川上 稔史

監修医師
川上 稔史(港南台かわかみ泌尿器科クリニック)

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東邦大学医学部卒業。その後、東邦大学医学部附属大森病院(現・東邦大学医療センター大森病院)、社会保険中央総合病院(現・JCHO東京山手メディカルセンター)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校泌尿器科、済生会横浜市南部病院泌尿器科などで経験を積む。2019年、神奈川県横浜市に「港南台かわかみ泌尿器科クリニック」を開院。年齢・性別を問わず、排尿に関する症状を安心して相談できるような環境を提供できるよう心がけている。医学博士。日本泌尿器科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医。日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 、日本癌治療学会、日本泌尿器腫瘍学会、腎癌研究会の各会員。

編集部編集部

そもそも、膀胱炎とはなんですか?

川上 稔史先生川上先生

文字通り、膀胱が炎症を起こしている状態のことです。膀胱は伸縮性のある袋状の器官で、内部に尿を貯め排出する働きがあります。この膀胱が細菌感染を引き起こし、炎症を起こしてしまうのが膀胱炎です。膀胱炎には、泌尿器科の疾患が原因となる「複雑性」と、それ以外の「単純性」がありますが、今回は女性で圧倒的に多くみられる「急性単純性」の膀胱炎に絞って話を進めさせていただきます。

編集部編集部

わかりました。なぜ、炎症が起きるのですか?

川上 稔史先生川上先生

大腸菌を始めとする腸内細菌が膀胱内に侵入することで膀胱粘膜に炎症を起こします。とくに多くみられる女性の場合、肛門周囲の細菌が尿道から膀胱に侵入し炎症を起こします。女性は身体的な構造上、肛門、膣、尿道が近接しており、男性と比べて尿道が短いため、細菌が侵入しやすいのです。

編集部編集部

ほかにも、膀胱炎の原因はありますか?

川上 稔史先生川上先生

排尿を我慢し膀胱に貯め過ぎることも膀胱炎の原因の1つになり得ます。また、冷えやストレス、疲労、妊娠、性交渉などが原因で起こることもあります。それから、閉経によって膣内環境の変化で雑菌が繁殖しやすくなるため、閉経後の女性も膀胱炎になりやすいと言えるでしょう。

編集部編集部

膀胱炎になると、どのような症状が出るのですか?

川上 稔史先生川上先生

一般的なのは、排尿時(とくに排尿の後半から排尿後)の痛み、頻尿、残尿感、時には血尿もみられます。放置して炎症が悪化すると、細菌が腎臓にまで上がって腎盂炎(じんうえん)を引き起こし、発熱や腰痛が出ることもあります。

編集部編集部

「膀胱炎は繰り返す」というイメージがあります。どのように治療するのでしょうか?

川上 稔史先生川上先生

通常、膀胱炎の治療には、抗生物質(抗菌薬)が用いられます。膀胱炎の薬で市販されているものもあり、症状の軽ければ改善することもあります。しかし、症状がくすぶったり、繰り返したりすることもあるので、早めに泌尿器科を受診し治療した方が結果として回復までの時間が短く済むと思います。

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