「加齢黄斑変性」の治療・予防法はご存じですか? 禁煙やサングラスに効果!?
加齢黄斑変性は黄斑に薬を注射して治療するそうですが、目的は進行抑制になります。予防するには、喫煙者ならまず禁煙することが大切だと三枝眼科医院の三枝先生は言います。詳しく教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【「加齢黄斑変性」は放置すると失明も!? 要注意の見え方を眼科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
三枝 佳五(三枝眼科医院)
編集部
最後は治療方法です。どのように新生血管に対応していくのでしょうか?
三枝先生
現在の治療の中心は「薬の注射」です。新生血管は、特殊なタンパク質によって“生えよう”とします。このタンパク質の働きを抑える薬があるので、黄斑に注射します。注意すべきは、「あくまでも進行抑制が目的であって、治す治療ではない点」ですね。なお、注射は複数回おこなうのが一般的で、経過観察を挟みつつ、一生続けていくケースもあります。
編集部
レーザーなどで新生血管を焼くことはできないのでしょうか?
三枝先生
かつての主流は、光やレーザーを用いた手術でした。しかし、新生血管は網膜の裏側に生えてきますので、どうしてもレーザーで患部を傷めてしまいます。結果として進行は抑えられるものの、レーザーが当たった部分の黄斑では見えなくなってしまうのです。
編集部
次に予防方法ですが、病気問わず「禁煙」が叫ばれていますよね。
三枝先生
とくに喫煙と黄斑変性症の関係は、医学論文で示されています。そのため、禁煙外来を利用してみてください。他方、加齢要因の対策として有用なのは「サングラス」です。ただし、これらは予防の域を出ませんので、本当に黄斑変性症が心配なら眼科検診で調べましょう。最後の遺伝要因についてですが、家族歴のある人は積極的に検査していただきたいです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
三枝先生
自分が病気であることを認めるのは、誰でも嫌ですよね。しかし、ヒトの寿命は年々、延びています。だとしたら、「目の寿命も延ばすべき」ですし、それが眼科の仕事だと考えています。ぜひ、身体の病気と同様に、目の病気にも注意を払ってみませんか。目が見えにくいのに体は元気という状態を、なるべくなくしていきましょう。