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「心筋梗塞になりやすい人の特徴」はどれくらいかご存知ですか?検査・治療法も解説!

 公開日:2025/12/20

心筋梗塞になりやすい人の特徴とは?メディカルドック監修医が検査・治療法なども解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「心筋梗塞」発症後の「寿命」はどれくらいかご存知ですか?発症後の注意点も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

佐藤 浩樹

監修医師
佐藤 浩樹(医師)

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北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

「心筋梗塞」とは?

急性心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る冠動脈が閉塞し、心筋に血液が途絶える疾患です。そのため、心筋が壊死してさまざまな合併症を起こします。死に至ることもある危険な病気です。

心筋梗塞になりやすい人の特徴

心筋梗塞は命に関わる疾患であり、高血圧、喫煙、糖尿病、ストレスなどの生活習慣が大きく影響します。これらのリスク因子を理解し、日常生活の中で予防に取り組むことが重要です。以下に、特に心筋梗塞になりやすい人の特徴として注意すべき4つの特徴を紹介いたします。

高血圧の放置

高血圧は心筋梗塞の最も重要な危険因子の一つです。血圧が高い状態が続くと、血管が傷むため、動脈硬化が進行します。これにより、冠動脈が狭くなり、血栓が詰まりやすくなります。症状がないまま進行することが多いため、気づかぬうちに心筋梗塞のリスクが高まります。

ストレスと不眠

過剰なストレスや不眠も心筋梗塞のリスクを高めます。交感神経が優位となり、血圧や心拍数が上昇するためです。精神的な負担を常に抱えている人は要注意です。

喫煙の習慣

喫煙は動脈硬化を早める最大の生活習慣リスクです。タバコに含まれる有害物質は、血管を収縮させて血圧を上げ、血液を固まりやすくするため、心筋梗塞のリスクを上げます。心筋梗塞の予防には禁煙が不可欠です。

心筋梗塞の検査法

心筋梗塞の診断には迅速かつ的確な検査が求められます。ここでは代表的な3つをご紹介いたします。

血液検査

心筋梗塞になると、心臓の筋肉が壊れるため、血液中に異常所見を認めます。これを調べることで、心臓にどの程度のダメージがあるかがわかります。発症からの経過時間によって数値の変化があるのが心筋梗塞の特徴で、何度か採血して確認する必要があります。また、早期発見のためにも役立ちます。

心電図検査

心電図は、胸に電極をつけて心臓の電気の動きを記録する検査です。心筋梗塞になると、心臓の一部が傷むため、電気の流れが乱れ、その変化が異常所見として現れます。特に「ST部分」という波が上がっているかどうかが重要な所見です。

心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査は、細い管を手首や足の血管から入れて、心臓の冠動脈に造影剤という薬を流し、血管の詰まった場所を調べる検査です。詰まっている部分が見つかれば、その場で風船や金属性の網目状の筒(ステント)を使って広げる治療を追加することが多いです。診断と治療を同時に行える重要な検査です。

心筋梗塞の治療法

治療法として内科的治療と外科的治療があります。以下に代表的な治療を3つあげ、各々について詳しく説明いたします。

薬物(血栓溶解)

心筋梗塞は、心臓を栄養する冠動脈に血のかたまり(血栓)が詰まることで起こります。そのため、血栓を溶かす薬を点滴で投与して、血流回復を目指します。カテーテル治療がすぐにできない地域や施設で使われることが多いです。

PCI(経皮的冠動脈インターベンション)

PCI(経皮的冠動脈インターベンション)は、現在、第一選択となる治療です。カテーテル治療の一つです。手首や足の血管から細い管を入れ、冠動脈内の詰まった部分まで挿入し、冠動脈内の病変部位をバルーンで広げたり、ステントという金属の網目状の筒を入れたりする治療です。入院のうえ、主に循環器内科医が担当します。

CABG(冠動脈バイパス術)

この治療は、カテーテル治療だけでは対応できない場合に行われる外科手術です。自分の脚や胸の血管を使って、詰まった部分を迂回する「バイパス路」を作ることで血流を回復させる治療です。入院のうえ、心臓血管外科医が担当します。

「心筋梗塞後の寿命」についてよくある質問

ここまで心筋梗塞後の寿命などを紹介しました。ここでは「心筋梗塞後の寿命」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

心筋梗塞の10年生存率はどれくらいでしょうか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

患者さんの重症度や合併症の有無によって異なるため、一概に回答はできません。ある報告では、心筋梗塞後10年での累積死亡率は46.8%と報告されています。つまり、10年後にも約半数の方は生存していたということになります。

心筋梗塞のカテーテル治療後の生存率はどれくらいでしょうか?

佐藤 浩樹佐藤 浩樹 医師

心筋梗塞の重症度によって違いがあり、統一的な回答はできません。一方で、カテーテル治療施行後の3年生存率は約89.6% であり、治療成績は良好であるという報告もあります。

編集部まとめ

急性心筋梗塞は、心臓を栄養する冠動脈が突然つまる病気です。結果、心臓の筋肉が壊死を起こし動かなくなるため、命に関わることも多々あります。発症から治療までの時間が短いほど心臓の筋肉のダメージが少なくなり、予後が良くなります。心筋梗塞を疑う兆候を認めた場合は、できるだけ速やかに医療機関を受診してください。

「心筋梗塞」と関連する病気

「心筋梗塞」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

  • 解離性大動脈瘤
  • 急性心外膜炎

呼吸器科の病気

消化器科の病気

その他の病気

心筋梗塞のように胸の痛みを起こす疾患は多く、命に関わる疾患もあります。早期に医療機関を受診して診断とともに適切な治療を受けることが重要です。

「心筋梗塞」と関連する症状

「心筋梗塞」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胸部圧迫感
  • 息切れ
  • 冷や汗
  • 胃痛
  • 歯の痛み

心筋梗塞は胸の痛みを伴う代表的な疾患です。でも、胸の痛み以外の症状もあります。こういった症状が続く時は、早めに医療機関を受診してください。

この記事の監修医師