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脈の速さがどのような状態だと「心房細動」を疑った方がいい?原因について医師が解説!

 公開日:2025/12/30

心房細動の原因とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「心房細動の自覚症状」はご存知ですか?原因についても医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

小鷹 悠二

監修医師
小鷹 悠二(おだかクリニック)

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福島県立医科大学医学部卒業 / 専門は循環器内科 / 2009/4月~2013/3月 宮城厚生協会坂総合病院 / 2013/4月~2017/3月 東北大学病院循環器内科・同大学院 医員 / 2017/4月~2018/5月 仙台オープン病院 循環器内科医長 / 2018/5月~ おだかクリニック 副院長 / 診療所での外来業務に加え、産業医、学校医としての業務も行っている。

「心房細動」とは?

心臓は4つの部屋に分かれており、上の部屋が心房、下の部屋が心室と呼ばれ、それぞれ左右に1つずつあります。
心房細動は、心房内に異常な電気刺激が発生してしまうことで生じ、本来であれば、規則的に血液を送り出すように縮んだり広がる動きをする心房が、小刻みに震えるような不規則な動きをするようになってしまいます。
それに伴い心室も不規則な動きをするようになり、脈のリズムがでたらめになってしまいます。脈が速くなることも多く、動悸や息切れなどの症状を生じることもあります。
また、心房が痙攣したような状態になることで血液の流れが滞ってしまい、心臓の中に血栓ができ、脳梗塞などの重大な病気の原因となることもあります。

心房細動の主な原因

心房細動はさまざまな生活習慣や病気が原因となることが知られています。
どのようなリスク因子があるか、詳しく解説していきます。

高血圧

高血圧は心臓に高い圧力がかかり続けることで、心臓に負担をかけ、心房細動を引き起こす原因となることが知られています。高血圧があると、高血圧がない場合と比較して約1.4~2倍程度、心房細動を発症しやすくするという報告もあります。
血圧が高いと診断された場合には放置せず、しっかりと治療を受けることが重要です。

糖尿病

糖尿病があると、心臓の組織の線維化や炎症、酸化ストレスの増加に伴い、心房細動を起こしやすくするとされています。空腹時の血糖が18㎎/dl増加するごとに心房細動発症リスクが約33%増加するとした報告もあります。そのため、血糖が高い場合には早期からの対応が必要です。

心臓病

冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)、心不全、心臓弁膜症などの心臓病があると、心臓の細胞へのダメージによって組織が異常な電気興奮を生じやすくなり、心房細動の発症リスクになります。

年齢、肥満、生活習慣

高齢化は心房細動発症の大きなリスクになります。
また、肥満によるBMIの増加も心房細動と関連があることがわかっています。
それ以外にも、喫煙も心房細動の発症に大きく関わっており、禁煙をすることが心房細動予防のためには大切になります。
飲酒過多もリスク因子であり、1日のアルコール摂取が10g増加するごとに、心房細動の発症リスクが5%上昇するとされています。

すぐに病院へ行くべき「心房細動の自覚症状」

ここまでは心房細動の自覚症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

突然発症する動悸、頻脈がある場合は、循環器科へ

それまでなかったような突然の動悸、頻脈が出現してきた際には、できるだけ早期に循環器科を受診(夜間や休日ならば救急外来など)が必要です。
呼吸困難で動くのも大変な場合や、手足が動かしにくい・話しにくいなどの麻痺症状を伴う場合は緊急性が高くなるため、救急要請も検討が必要です。

受診・予防の目安となる「心房細動」のセルフチェック法

・脈のリズムが乱れている場合

「心房細動の自覚症状」についてよくある質問

ここまで心房細動の自覚症状などを紹介しました。ここでは「心房細動の自覚症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

心房細動に気づく方法を教えてください。

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

多くの場合では動悸などの症状を伴うことが多いため、症状がある際にはまず自分で脈を確認することが大切です。
手首の脈を確認し、以下の2点をチェックしてみましょう。
①脈の速さは1分間でどのくらいか
②脈のリズムは規則的か、不規則か
脈の速さが1分間で100回を超える状態が安静時に突然出現する、脈のリズムが一定ではない、という場合には心房細動などの不整脈の可能性があるため、速やかに受診を検討する必要があります。

編集部まとめ

心房細動は高齢化が進んだ現代では、非常にありふれた不整脈の一つとなっています。
心房細動は脳梗塞などの大きなリスクであり、もし脳梗塞を起こすと重度の麻痺症状が後遺症として残ってしまうことや、ひどいと命に関わることもある、恐ろしい病気です。
もし突然の動悸、脈の乱れが出現した場合には、安易に放置せず、速やかに循環器科の病院を受診することが大切です。

「心房細動の自覚症状」と関連する病気

「心房細動の自覚症状」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

脳神経科の病気

循環器科の病気

心房細動が見つかった場合に適切な治療を速やかに行うことで、脳梗塞や心不全の発症を予防することができます。

「心房細動の自覚症状」と関連する症状

「心房細動の自覚症状」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 息切れ、呼吸困難
  • 胸痛、胸苦しさ
  • むくみ
  • 麻痺

心房細動に気がつくことは、脳梗塞や心不全を予防する第一歩となります。上記のような症状が出現した際には速やかに医療機関を受診してください。

この記事の監修医師