「女性で尿蛋白が多い」と指摘された時の”原因”はご存じですか?医師が解説!

女性特有の尿蛋白の原因とは?メディカルドック監修医が、生理や妊娠、更年期の影響など、腎臓病以外で蛋白尿が出る仕組みと注意すべきリスクを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「女性で尿蛋白が多くなる原因」はご存知ですか?医師が”考えられる病気”も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
女性が健康診断で「尿蛋白」を指摘されたときに考えられる原因と対処法
健康診断で尿検査の異常、特に尿蛋白の異常があった場合、腎臓病の可能性が考えられ注意が必要です。しかし、女性の場合には尿蛋白がみられた場合に、腎臓病以外の原因も考えられます。
ここでは、尿蛋白がみられた場合において、女性特有の原因について詳しく解説いたします。
生理中、生理前後に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
生理の時には、経血が尿に混じる可能性が高いです。この時に尿検査を行うと、潜血が陽性となることが多いですが、蛋白も陽性となる事も少なくありません。
月経時には、血液中の蛋白成分や膣の分泌物が尿に混じってしまうことも多く、このため試験紙法の尿検査で蛋白が陽性と反応してしまうからです。見た目では、経血が混じっていないように見えても採尿時に少量混じってしまうだけでも反応するため、正確な判断ができないです。生理中、生理前後3,4日程度は尿検査を避けることをお勧めします。
生理中の尿検査では正確な判断ができません。生理後3,4日目以降で再度尿検査を行い、判断をするようにしましょう。
また、生理前であっても膣からの分泌物の影響や、ホルモンのバランスにより一時的に尿蛋白が陽性となる事もあります。一回だけの尿検査ではなく、何度か検査を行い持続して尿蛋白が陽性となっているかを確認しましょう。
妊娠中に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
妊娠中は、通常時より循環血液量が増加し、また胎児の老廃物も一緒に処理しなければならないため母体の腎臓への負担が増加します。そのため、通常より尿蛋白が漏れ出やすくなり、一時的に少量の尿蛋白がみられることも少なくありません。一時的であれば、経過をみても良いですが、持続的に尿蛋白が観察され、高血圧を伴うような場合には妊娠高血圧症候群の可能性もあるため、主治医に相談をしましょう。
更年期に尿蛋白と指摘されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法
エストロゲンには腎臓の保護作用があると報告されています。このため、閉経により腎臓病のリスクが上昇することが分かってます。更年期では、エストロゲンの働きが低下し、腎臓病の合併をしやすいです。
また、エストロゲンは心保護作用もあると言われています。閉経前後で急激に血圧が上昇することも少なくありません。高血圧は腎臓病発症のリスクとなり、尿蛋白を合併しやすくなる可能性も考えられます。このような原因で更年期では、尿蛋白がみられやすいと言えます。
「女性の尿蛋白の原因」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「女性の尿蛋白の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
女性が尿蛋白で指摘される原因は何でしょうか
伊藤 陽子(医師)
女性では、生理前後や生理中、また妊娠中に異常がなくとも一時的に尿蛋白がみられることが多いです。また、女性では膀胱炎をおこしやすく、この時にも血尿とともに蛋白尿もみられることもあります。しかし、腎臓病に伴う蛋白尿であることも多いです。異常がないと自己判断せず、内科もしくは腎臓内科を受診して調べましょう。
尿蛋白を改善するにはどうしたら良いでしょうか
伊藤 陽子(医師)
蛋白尿の原因により異なりますが、生理前後や生理中であることが原因であればこの時期を避けて再検査をしましょう。運動直後や体調不良が原因となっている可能性があれば、激しい運動を避け体調を整えてから再検査をしましょう。膀胱炎が原因と考えられる場合には、水分をとり、必要であれば抗生剤での治療をして膀胱炎が改善した後に再検査を行ってください。腎臓病に伴う尿蛋白であれば、蛋白尿が持続します。この場合には、腎臓内科を受診して相談をしましょう。
風邪が治った後や生理後の尿検査は尿蛋白陽性になりやすいですか?
伊藤 陽子(医師)
風邪をひいているときや治った直後には尿蛋白が陽性となりやすいです。体調が十分に回復してから再検査をしましょう。生理直後も蛋白が陽性となる事が少なくありません。生理が終わってから3、4日たってから再検査をすることをお勧めします。
女性で健康診断で尿蛋白が見つかった場合何科の病院でどんな治療が必要ですか?
伊藤 陽子(医師)
尿蛋白が見つかった場合、まず内科か腎臓内科を受診して再検査を行いましょう。再検査でも尿蛋白が出ている場合には、腎臓内科で尿蛋白の原因を調べる必要があります。
まとめ 女性で尿蛋白の原因は生理やぼ膀胱炎の可能性もあり注意!
女性の尿蛋白陽性の指摘は、男性と異なり生理の影響、妊娠の影響なども考えなくてはなりません。また、女性で多い膀胱炎に伴う尿蛋白がみられることもあります。このため、異常ではなくとも、一時的に尿蛋白を指摘されることも少なくありません。
しかし、問題ないだろうと放置しておくと腎臓病があった場合に病状が進行してしまうことも考えられます。腎機能の低下は症状がないことが多く、気がついたときには、かなり腎機能が低下していることも多いです。腎臓病が慢性的に進行した場合、改善が難しい病気です。そのため、早期で発見して治療を行い、進行を防ぐことが非常に大切です。
尿蛋白を指摘された場合、まずは再検査で尿蛋白が持続しているかをきちんと調べましょう。
「尿蛋白」で考えられる病気と特徴
泌尿器・腎臓系
- 腎炎
- 膀胱炎
循環器系
産婦人科系
- 妊娠
「尿蛋白」に関連する症状
関連する症状
- 浮腫
- 尿潜血
- 尿が泡立つ
- 体重増加