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”血圧の上と下の差”は何を物語る?「血圧平均値や異常値のリスク」を医師が解説!

 公開日:2026/03/10
”血圧の上と下の差”は何を物語る?「血圧平均値や異常値のリスク」を医師が解説!

血圧の平均値はどのくらいでしょうか?メディカルドック監修医が男女・年代・スポーツ選手の平均値をご説明します。

※この記事はメディカルドックにて『健康診断の「平均血圧」はどのくらい?測定で分かる病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

血圧とは?

血圧は、血管内にかかる圧力のことです。血管の拍動によって血液が血管内を循環しているときに発生している圧力を指しています。その値は、手足など末梢の細い血管の抵抗の影響を大きく受けることが知られています。
今回の記事では、血圧とは、その平均値などについても詳しく解説します。

最高血圧

最高血圧は、いわゆる収縮期血圧のことです。上の血圧と呼ばれることもあります。
これは、心臓が最大限に縮まって血液が動脈へ押し出される際、血管の壁にかかる圧力を示します。

最低血圧

最低血圧は、いわゆる拡張期血圧のことです。下の血圧とも呼ばれることもあるでしょう。これは、心臓が最大限に広がって、身体に貯め込まれていた血液が心臓に戻ってくる際、血管壁にかかる圧力のことを指します。

健康診断など一般的な検査の基準値・正常値となる「平均血圧」

血圧の診断基準は、現時点では年齢によっては変わりません。成人の場合、診察室血圧が140/90mmHg以上、家庭血圧が135/85mmHg以上で高血圧と判定されます。ここでは、年代ごとの平均的な血圧に関して、令和5年の国民健康・栄養調査報告から得られたデータをお示しします。

区分 収縮期血圧(上)(mmHg) 拡張期血圧(下)(mmHg) 平均血圧(MAP)(mmHg) 備考
男性 131.6 77.2 95.3 年齢とともに上昇傾向
女性 126.2 73.6 91.1 閉経後は上昇しやすい
60代 132.1 77.3 95.6 加齢による動脈硬化の影響あり
10代 約100-110 約60-80 81.7 成長期のため変動あり
スポーツ選手 109±11~138±7 57±12~92±10 90.8 筋力トレーニングを行ったアスリートは、持久力トレーニングを行ったアスリートよりも血圧が高い

※平均血圧(MAP)は以下の式で算出しています。
平均血圧=最低血圧+(最高血圧−最低血圧)/3

このように、判定基準は変わらなくても、平均値としては加齢や性別、運動習慣などで違いがみられることがわかります。

最高/最低血圧の差の平均は?

血圧の数値で、上と下の差を計算したものを脈圧と呼びます。
脈圧の平均値は、約40mmHgです。

脈圧が高い場合、つまり差が大きい場合、動脈硬化が進行している、または大動脈弁の狭窄や閉鎖不全の可能性があります。脈圧が50mmHg以上になると、心臓病や不整脈、脳卒中などのリスクが高まります。
通常は収縮期血圧の4分の1以下の脈圧の場合、低脈圧と呼ばれます。これは、心不全や心タンポナーデなど、心臓が十分な血液を送り出せない際に起こります。

このように、血圧の差は大き過ぎても小さ過ぎても、健康上の問題を示唆している可能性があるのです。

再検査が必要な血圧の値

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断の血圧の異常値・再検査基準値

一般的に、以下の基準を超えると再検査の対象となります。

診察室血圧:140/90mmHg以上
家庭血圧:135/85mmHg以上

また、健康診断で160/100mmHg以上の場合には、要精密検査となります。無治療の場合は、早めに内科を受診しましょう。

血圧の異常で再検査・精密検査を受ける場合、何科が良いか

まずは内科、特に循環器内科の受診が推奨されます。緊急度が高いと判断される場合(例:180/110mmHg以上や強い頭痛・胸痛を伴う場合)は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

ホルモンの異常や血管の奇形などによる二次性高血圧も、高血圧の方の約1割を占めています。もしも二次性高血圧が疑われる場合には、採血検査や超音波検査、CT検査などが行われます。これらの費用は検査ごとに異なりますが、費用は保険診療が適用されるため、数千円〜1万円程度が目安と考えれば良いでしょう。

「平均血圧」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「平均血圧」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

健康診断における血圧測定の平均値はいくつでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

令和5年の国民健康・栄養調査報告によると、血圧の平均値は全体で128.6/75.1mmHgでした。年齢によって徐々に上昇する傾向があります。

血圧の正常値は年代や性別によって変わりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

成人の場合、血圧の正常値は年代や性別によって変わることはありません。

まとめ 健康診断の「平均血圧」は健康状態を反映する大切な指標!

健康診断で測定される血圧は、診察室140/90mmHg以上、家庭135/85mmHg以上で高血圧と診断され、基準は年齢によって変わりません。一方で統計的な平均値は年代や性別で異なり、加齢とともに収縮期血圧が上昇する傾向がみられます。

高血圧は脳卒中・心筋梗塞・腎臓病など重大な病気のリスク因子であり、低血圧も失神などの症状を伴えば注意が必要です。異常を指摘された場合は、家庭血圧を測定して記録を残し、生活習慣の見直しを行いながら、必要に応じて医師に相談してください。

血圧の異常は「サイレントキラー」とも呼ばれる重要なサインです。早めの対処と継続的な管理が健康寿命を延ばす大きな鍵となります。

「血圧」の異常で考えられる病気

「血圧」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

腎臓内科系の病気

内分泌内科系の病気

  • 原発性アルドステロン症

脳神経内科系の病気

高血圧の原因として考えられる病気や、高血圧がリスクとなる病気にはさまざまなものがあります。

「血圧」の異常と関連する症状・関連する症状

「血圧」の異常と関連している、似ている症状は5個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 頭痛
  • 動悸
  • ふらつき
  • 手足の麻痺
  • 失神

血圧の異常がある際、これらのような症状が現れることがあります。しかし、高血圧でも症状がないこともありますので、健康診断などで血圧の異常を指摘された場合は放置しないようにしましょう。

この記事の監修医師

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