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健康診断で「血圧が高い」と診断されたら?血圧検査で発見できる病気・疾患も解説!

 公開日:2025/04/01

健康診断で血圧が高いと診断されたら?血圧検査で発見できる病気・疾患も解説!

※この記事はMedical DOCにて『「血圧が高いと出る5つの症状」はご存知ですか?高血圧を予防する食べ物も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血圧とは?

血圧とは心臓から送り出された血液が血管の内側にかかる圧力のことです。血圧を左右する要因として心拍出量(心臓から押し出される血液の量)、血管の太さ、血管の弾力性によって決まります。心臓はポンプのように収縮や拡張を繰り返して全身に血液を送っています。心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧が収縮期血圧(最高血圧)で、血液が心臓に戻ってきて拡張している時の血圧が拡張期血圧(最低血圧)です。診察室で収縮期140/拡張期90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。

健康診断で血圧が高いと診断されたら?

健康診断で血圧が高いと診断されたら、早めに医療機関を受診しましょう。受診するまでの間、家庭でも血圧を測定しましょう。毎日朝晩2回の測定がおすすめです。
血圧が高いだけでは自覚症状は現れにくいですが、高い状態を放置すると動脈硬化が進み、合併症を引き起こすリスクが高まります。医療機関を受診し、合併症のリスクや有無を診断してもらいましょう。

血圧検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果・所見

ここまでは血圧が高いと出る症状について基本的なことを紹介しました。
血圧検査で再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

血圧検査の結果や数値の見方・分類と主な所見

日本高血圧学会の高血圧の診断基準は、
診察室では
収縮期血圧が140mmHg以上
拡張期血圧が90mmHg以上

家庭血圧では
収縮期血圧が135mmHg以上
拡張期血圧が85mmHg以上
が高血圧と診断されます。

高血圧は本態性高血圧・二次性高血圧に区別され、およそ90%が本態性高血圧です。主な原因は加齢・遺伝・食生活・肥満・喫煙などです。
二次性高血圧とは高血圧の原因となる病気がある場合で、腎臓病・睡眠時無呼吸症候群・甲状腺の病気などが原因となり二次的に血圧が上昇しています。

血圧検査の結果で精密検査が必要な基準と内容

血圧が高い時の精密検査は血圧測定・尿検査・心電図・胸部レントゲン・眼底検査などです。高血圧の原因や合併症の有無を調べます。費用は保険適用となりますが、医療機関や検査・診察内容によりさまざまです。
健康診断などで血圧が高いと指摘され、再検査や精密検査の結果を受けたら、速やかにかかりつけの医療機関や一般内科を受診しましょう。高血圧の状態を放置してしまうと、動脈硬化の進行や脳・心臓・腎臓などの病気を招く危険があります。症状がない場合でもすぐに再検査・精密検査を受けましょう。
再検査をしても高値の場合、食事・運動・禁煙などの生活改善をします。場合によっては薬物療法を併せて治療していきます。

「血圧検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「血圧検査」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高血圧

高血圧とは血圧が高い状態です。食塩摂取過剰・肥満・過剰飲酒・ストレス・運動不足・喫煙などが原因です。高血圧を放置すると動脈硬化が進み、脳卒中・心疾患・腎臓病を発症するリスクが高まります。
治療法は食塩制限・標準体重の維持・節酒・禁煙や運動など生活習慣の改善と必要に応じた薬物療法です。
健康診断などで高血圧を指摘される場合や、家庭での血圧が繰り返し基準値を越える状態が続くようなら早めに内科を受診しましょう。

動脈硬化

動脈硬化とは血管の弾力の低下や、動脈の壁にコレステロールがたまり、血管が厚くなって血管内が狭くなった状態です。動脈硬化は心疾患・脳卒中・腎臓病などの発症に関連しています。動脈硬化の原因は加齢や高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドローム、喫煙や運動不足などです。
動脈硬化の危険因子である生活習慣病を改善することで動脈硬化の進行を抑えられます。健康診断などで生活習慣病やメタボリックシンドロームを指摘されたら、速やかに一般内科を受診しましょう。

脳卒中

脳卒中とは脳の血管が詰まって起こる脳梗塞と脳の血管が破裂して起こる脳出血・くも膜下出血があります。
症状は半身のまひやしびれ、ろれつが回らない、立てない・歩けない、視野が欠けるなどの症状が現れます。脳梗塞の主な原因は動脈硬化や不整脈で、脳出血は高血圧が主な原因となります。くも膜下出血は脳の血管にできた動脈瘤の破裂が原因です。
脳卒中を予防するために、生活習慣の改善と薬物療法が必要です。
疑わしい症状があれば早急に救急要請をしましょう。

腎不全

腎不全とは腎臓の機能が低下した状態です。
腎臓の機能が低下してくると、むくみ・倦怠感・貧血・夜間尿などの症状が現れます。
急激に腎機能が低下する急性腎障害や腎障害が3ヶ月以上持続した慢性腎臓病があります。これらの腎臓病が悪化すると、透析が必要になる末期腎不全に移行します。
急性腎障害は急激な腎障害により、体液の維持や調節ができなくなった状態です。原因疾患を治療することで腎障害の改善が期待できます。高血圧緊急症という急激な血圧上昇により急性腎障害が起こることもあります。
慢性腎臓病の発症の主な原因は高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病です。
主な治療法は食事と薬物療法です。腎機能の状態に応じて食塩・たんぱく質・カリウムなどの制限や摂取エネルギーの確保が必要になります。また高血圧や糖尿病を合併している場合はそれらの治療も併せて行います。
腎臓の機能は一度失ってしまうと元の状態に戻りにくいため、健康診断で腎機能の低下を指摘されたら速やかに腎臓内科を受診しましょう。

大動脈瘤

大動脈瘤とは大動脈の一部が拡張または突出した状態のことです。
大動脈瘤が発生する主な原因は動脈硬化で、高齢者・高血圧・脂質異常症・喫煙などが危険因子です。多くの場合症状はなく、健康診断などで発見されることがよくあります。
破裂すると激しい痛みと体内で大量の出血が生じ、急激なショック状態や突然死に至ることもあります。
診断のために行うのはX線、CT、エコー、MRIなどの検査です。
健康診断などで指摘されたら、速やかに心臓血管外科を受診しましょう。精密検査での動脈瘤の大きさや場所により治療方針が決まります。激しい痛みなどがある場合は早急に救急要請しましょう。

「血圧が高いと出る症状」についてよくある質問

ここまで血圧が高いと出る症状について紹介しました。ここでは「血圧が高いと出る症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血圧が一気に上昇するとどんな症状が現れますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

血圧が一気に上昇すると、脳に障害が起こり、脳浮腫が起こる「高血圧性脳症」になる場合もあります。慢性的な高血圧がある場合、220/110mmIg以上、正常血圧の場合、160/100mmHg以上で発症しやすいとされています。発症の主な原因は慢性的な高血圧や腎不全などです。激しい頭痛・嘔吐・視力障害・意識障害や、脳出血・腎不全・循環器疾患を引き起こし、命に関わる可能性もあります。異常な高血圧と激しい頭痛・嘔吐・視力障害・意識障害などの症状が現れたら速やかに救急要請しましょう。

血圧が高くなったらどのように対処すればいいですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

健康診断などで高血圧を指摘されたら、まずは医療機関を受診しましょう。減塩にするなど食生活の改善や運動習慣の見直し、標準体重の維持、禁煙・節酒に取り組みましょう。

編集部まとめ 高血圧に頭痛などの症状が出た場合には、早急に内科受診を!

血圧が高いだけでは自覚症状が現れることは少ないですが、慢性的な高血圧は全身の動脈硬化を進行させ、脳や心臓や腎臓など、さまざまな臓器に負担がかかり、合併症を引き起こすリスクが高くなります。健康診断で高血圧を指摘されたり、家庭での測定値が高い場合は一度医療機関を受診しましょう。

「血圧が高いと出る症状」の異常で考えられる病気

「血圧が高いと出る症状」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

腎臓科の病気

循環器科の病気

神経内科の病気

眼科の病気

自覚症状がないからといって、血圧が高い状態を放置してしまうと、様々な合併症を引き起こす危険があります。健康診断などで血圧が高いと指摘されたら、早めに医療機関を受診しましょう。

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