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「大腸がん」で使用する「抗がん剤の副作用」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2026/02/17
大腸がんで使用する抗がん剤の副作用

メディカルドック監修医が大腸がんで使用する抗がん剤の副作用などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がん」で使用する「抗がん剤の副作用」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は消化器外科、消化器内科、産業医を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、永仁会病院に勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

「大腸がんとは?

大腸がんは、近年日本において罹患率・死亡率ともに高いがんであり、多くの方が関心を寄せている疾患です。大腸がんの治療は、がんの進行度合い(ステージ)や患者さんの全身状態、がんの特性によって多岐にわたりますが、抗がん剤治療はその重要な選択肢の一つです。抗がん剤治療の目的は大腸がんの再発を抑えることや手術不可能な場合の生命予後の改善など、抗がん剤治療は非常に重要な役割を担います。

大腸がんで使用する抗がん剤の副作用

抗がん剤治療はがんを攻撃する一方で、正常な細胞にも影響を及ぼすため、さまざまな副作用が現れる可能性があります。副作用の種類や程度は、使用する薬剤の種類、投与量、患者さんの体質などによって異なります。治療中は、担当医や看護師と密に連携を取り、症状が現れたらすぐに伝えることが大切です。

血液毒性

多くの殺細胞性抗がん薬は、骨髄にある血液を作る細胞にも影響を及ぼし、白血球、赤血球、血小板の数が減少することがあります。例えば白血球減少(特に好中球減少)は免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。発熱や喉の痛み、全身倦怠感などの症状が現れることがあります。そして、貧血は赤血球が減少し、息切れ、めまい、疲労感、顔色不良などの症状が現れます。さらに、血小板減少では血液を固める働きが低下し、鼻血、歯茎からの出血、皮下出血(あざ)などの症状が出やすいです。これらの血液毒性が定期的な血液検査で確認された場合には、必要に応じて休薬や減量、または好中球を増やすG-CSF製剤などの支持療法を行います。

消化器症状(吐き気・嘔吐、下痢・便秘、口内炎、食欲不振)

抗がん剤は、消化管の粘膜細胞にも影響を与えるため、吐き気や嘔吐、下痢や便秘、口内炎、食欲不振といった消化器症状がよく見られます。吐き気・嘔吐はほとんどの抗がん剤で起こりえますが、現在は優れた制吐剤があるため、多くの場合はコントロール可能です。下痢・便秘は消化管の動きや機能が変化することで起こります。薬剤によって下痢が優勢な場合も、便秘が優勢な場合もあります。口内炎は口腔内の粘膜が炎症を起こし、痛みや飲食時の不快感が生じやすいです。食欲不振は吐き気や味覚の変化、全身倦怠感などから食欲が低下することもあります。これらの症状に対しては、制吐剤、止痢剤、整腸剤、口腔ケア、栄養補助食品などを用いて対応します。

末梢神経障害

オキサリプラチンを使用する治療では、手足のしびれやピリピリ感、冷たいものに触れた時の異常な感覚などの末梢神経障害が特徴的に現れることがあります。この症状は、治療を続けることで蓄積され、治療終了後も長期にわたって残存する場合があるため、治療期間の調整や減量などの対策が検討されます。

皮膚障害

抗EGFR抗体薬(セツキシマブ、パニツムマブなど)を使用する治療では、ニキビのような皮疹、皮膚の乾燥、爪の炎症(爪囲炎)などの皮膚障害がしばしば見られます。これらの症状は、患者さんのQOL(生活の質)に大きく影響するため、保湿剤の使用や皮膚科医との連携、必要に応じて薬剤の減量・休薬などが行われます。

脱毛

イリノテカンを使用する治療では脱毛が発生することがあります。治療開始後、数週間程度で脱毛が始まります。髪以外の眉毛やひげ、体毛についても同様に脱毛が起こることも少なくありません。脱毛の期間としては、薬剤を使用している期間ですので、治療が終了すれば、少しずつ生えてきます。脱毛が気になる方は医療用のウィッグなどを活用が勧められます。

「大腸がんの抗がん剤」についてよくある質問

ここまで大腸がんの抗がん剤などを紹介しました。ここでは「大腸がんの抗がん剤」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

大腸がんはステージいくつで抗がん剤治療を行うのでしょうか?

齋藤 雄佑齋藤 雄佑 医師

大腸がんにおける抗がん剤治療の適応は、がんの進行度合い(ステージ)によって大きく異なります。StageII期の大腸がんでは、手術単独で治療されることが多いです。しかし、再発のリスクが高い特定の条件下では、術後補助化学療法が検討されます。StageIII期の大腸がんでは、手術後に再発を抑制し、予後を改善する目的で術後補助化学療法が強く推奨されます。治療期間は原則6ヶ月ですが、患者さんの状態や副作用のリスクに応じて短縮する場合もあるため、担当医に確認が必要です。StageIV期、すなわち遠隔臓器に転移がある大腸がんや、手術後に再発した大腸がんに対しては、全身薬物療法が治療の中心となります。これは、がんの進行を遅らせ、症状を緩和し、延命を目指すことが目的です。この場合も、患者さんの全身状態、がんの遺伝子変異の有無を詳しく検査し、最も適した薬剤が選択されます。このように、大腸がんの抗がん剤治療は、がんのステージや個々の患者さんの特性に応じて、最適な選択肢が提案されます。

編集部まとめ さまざまな抗がん剤や放射線療法について特徴を理解しよう

本記事では、大腸がんの治療において重要な役割を果たす抗がん剤の種類、それに伴う副作用、そして抗がん剤以外の多様な治療法について解説しました。大腸がんの治療は、がんの進行度や遺伝子情報、患者さん一人ひとりの全身状態に応じて、内視鏡治療、手術、放射線療法、抗がん剤治療などが組み合わされる集学的治療が基本です。特に抗がん剤治療はさまざまな種類があり、それぞれの薬剤ががん細胞の異なる特性を標的とすることで、治療効果の向上が図られています。治療に際しては、血液毒性や消化器症状、末梢神経障害、皮膚障害など、さまざまな副作用が現れる可能性があります。これらの副作用は、患者さんの生活の質に大きく影響するため、治療開始前から十分な説明を受け、治療中も医療チームと密に連携し、症状を早期に伝え、適切なケアを受けることが非常に重要です。大腸がんの治療は日々進歩しており、新しい薬剤や治療法が開発されています。患者さんご自身が病気と治療について理解し、疑問や不安なことは遠慮なく担当医や医療スタッフに相談することで、納得のいく治療を選択し、より良いQOLを維持しながら治療に臨むことができるでしょう。

「大腸がん」と関連する病気

「大腸がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

ポリープなどの身近な疾患も大腸癌のリスクになるものがありますので、気になることがあれば医療機関でご相談ください。早期発見、早期治療のために大腸がん検診などを活用しましょう。

「大腸がん」と関連する症状

「大腸がん」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

便秘・下痢などの症状はたくさんの方が普段から感じる症状の一つです。これらの症状のうち複数の症状が該当する方は、医療機関で医師にご相談ください。

この記事の監修医師

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