「胃がんで胃を全摘出した場合の余命」はどれくらいかご存知ですか?医師が解説!
公開日:2025/11/11

胃がんを発症し胃を全摘出した場合の余命とは?Medical DOC監修医が胃の全摘出はステージいくつで行うのかなどを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「胃がんで胃を全摘出した場合の余命」はどれくらいかご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
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兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
目次 -INDEX-
「胃がん」とは?
胃がんとは、胃の内側を覆う粘膜からできる悪性腫瘍(がん)のことを指します。胃がんは様々な要因により発生しますが、中でもヘリコバクター・ピロリ感染は胃がんとの関連が示唆されています。そのため、ピロリ菌の検査や除菌など、がんにかからないための治療も行われてきています。 しかしながら未だに胃がんは日本においては3番目に多いがんであり、がんが死亡原因のものとしては、4番目に多いものです(2023年)。 胃がんになった場合、状況により内視鏡処置や手術、抗がん剤などによる治療を行っていきます。ここでは手術、とくに胃全摘となってしまった場合について解説していきます。胃がんを発症し、胃を全摘出した場合の余命
胃がんを発症し、手術にならないケースは主に ① 内視鏡で取り切れる場合 ② 肝臓など遠隔転移がある場合 となります。つまり内視鏡では取り切れない遠隔転移がない胃がんは手術の対象となります。手術対象となるがんの中でも、がんの種類やできた場所などにより胃の一部をとるのか、全部取ってしまうのかが変わってくるのです。つまり、StageⅠ~Ⅲまでの胃がんが手術となりえるため、それぞれのStageによって予後も変わってきます。 一般的にはStageⅠであれば手術で取り切れることも多く5年生存率(5年後に生きている確率)も83~89%と言われています。一方でStage2,3となってくると、がん自体も大きく、リンパ節転移や周囲の臓器へ及んできたりするため、胃がんが進行するにつれ5年生存率も66~77%(StageⅡ)、31~59%(StageⅢ)と下がってきます。 ※5年生存率はStage別の生存率【高齢者】胃がんを発症し、胃を全摘出した場合の余命
まず、高齢者の場合、胃がんの状態自体が手術可能であったとしても、年齢などより手術のリスクが高い、もしくは全身の状態が悪く手術に耐えれないという可能性もあります。 手術に耐えうると判断された場合でも、手術後の抗がん剤治療が難渋する、手術後に十分な栄養を摂れないなど様々な要因が重なり、若年者よりも予後が悪くなる可能性があります。胃の全摘出はステージいくつで行う?
胃がんで手術を行う場合は遠隔転移等がなく、内視鏡で取り切れない場合です。そのため、StageとしてはStageⅠ~Ⅲに該当します。ただし、Stage分類だけで胃全摘を決定するのではなく、個々の状態、年齢なども考慮して行うか決定していきます。「胃がんで胃を全摘出した場合の余命」についてよくある質問
ここまで胃がんで胃を全摘出した場合の余命などを紹介しました。ここでは「胃がんで胃を全摘出した場合の余命」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
胃を全摘出した場合、食事はどのようなことに気をつければいいですか?
岡本 彩那 医師
胃がなくなることにより食物をため込んで少しずつ流す働きがなくなったり、消化する力が少なくなります。そのため、消化に良いものを少しずつ食べるようにしましょう。
編集部まとめ
胃全摘を行った場合、根治を目指すことができるので手術を行えない場合より良いと言えるでしょう。しかし、様々な生活の制限がかかってきたり、偶発症が起こることもあります。また、残念ながら再発することも0ではありません。 胃がんに対して手術を行った後も生活に気を付け、定期的に病院を受診し異常がないか確認することが重要です。「胃がん」と関連する病気
「胃がん」と関連する病気は2個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。消化器科の病気
- ヘリコバクターピロリ菌感染
- 萎縮性胃炎
「胃がん」と関連する症状
「胃がん」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。関連する症状
- 腹痛
- 吐血
- 貧血
- 浮腫
参考文献



