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「胃がんになりやすい人」の4つの特徴はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/12/12

胃がんのなりやすい人の特徴・予防法とは?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「胃がん」を発症すると「皮膚にいぼ」ができるの?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「胃がん」とは?

胃は体のみぞおちの辺りにある袋状の臓器です。この胃の粘膜にがんが発生したものが胃がんです。2021年のデータでは、胃がんは男性で4位、女性で4位、全体で3位の罹患数となっています。また、2023年の統計ではがんによる死亡者数の中で胃がんは全体で4位です。胃がんは日本人の中で比較的多いがんと言えます。
胃がんは早期で治療をした場合、生存率は良好ですが、進行すると治療が難しくなります。なるべく早期に発見し、治療をすることが重要です。
胃がんを早めに発見するために症状や徴候について解説いたします。

胃がんになりやすい人の特徴

ピロリ菌に感染している人

これまでの研究から、ピロリ菌の感染者では胃がんのリスクが5倍となると報告されています。ピロリ菌の感染は、胃がんの重大なリスクと言えます。
ピロリ菌を除菌すると、有意に胃がんの発生リスクや再発のリスクは低下することが分かっています。ピロリ菌の感染が分かった場合、消化器内科で相談をしてみましょう。

大酒家

飲酒は胃がんのリスクとなります。男性で1日当たり日本酒1合(エタノール換算23g/日)以上飲酒をする人では、胃がんのリスクが上昇することが分かりました。このリスクは量が増加すると、リスクも上昇することが分かっています。女性では、この傾向がみられませんでしたが、女性では飲酒量が多くないことから有意な差がみられなかったと考えられており、女性も同様に適量での飲酒がすすめられます。

喫煙者

喫煙者では、非喫煙者と比較して胃がんのリスクが上昇することが分かっています。非喫煙者と比較して、喫煙者では1.6倍胃がんになるリスクが増加すると報告されています。

塩蔵食品の摂取が多い人

塩魚や干物、たらこなどの魚卵といった塩蔵食品は、塩分が多いというだけではなく、塩蔵の過程で生成されるニトロソ化合物が胃がんのリスクをあげると考えられています。このように、塩蔵食品の摂取量が多い人では、胃がんのリスクとなるため注意が必要です。

胃がんを予防する可能性の高い食べ物・食生活

上記の様に胃がんのリスクとなる習慣がいろいろと判明しています。このため、胃がんを予防するための生活習慣としては、このようなリスクとなるような習慣をなるべく防ぐことと考えられます。
・禁煙すること
・1日1合(エタノール換算で23g/日)以下の適量でのアルコール摂取
・塩蔵食品はなるべく控える
・野菜・果物はなるべく食べ、バランスの良い食事を
・適度な運動習慣を

これらのことを実践してなるべく胃がんを予防できる生活習慣を身につけましょう。

胃がんの予防法

ピロリ菌除菌

ピロリ菌の感染は、胃がんの重大な危険因子です。また、ピロリ菌を除菌した場合には、このリスクが低下することが分かっています。ピロリ菌を除菌した群では、除菌しなかった群と比較してリスクが0.34と有意に低下することが報告されています。しかし、除菌が成功しても、胃がんを完全に防ぐことはできないため、定期的な検診も重要です。

乳酸菌OLL2716株(LG21)を含むヨーグルト・緑茶 など

乳酸菌OLL2716株(通称LG21)を含むヨーグルトを摂取することで、ピロリ菌の数を減らしたり、胃の炎症を抑えてくれる働きがあると報告されています。ピロリ菌の感染は胃がんの重大なリスクの一つです。このため、このヨーグルトを摂取することが予防につながるのではないかと期待されていますが、効果は限定的です。
また、緑茶も非喫煙者では緑茶の胃がんの予防効果が期待できるという結果でしたが、現在のところ効果は、はっきりとしていません。
まずは、上記に挙げたような予防に効果的な生活習慣を試すことが勧められます。

胃がん検診

胃がんを予防するというわけではありませんが、早期に発見することが大変重要と言えます。特にピロリ菌に感染している人や、除菌後の人などでは定期的に胃がん検診で胃がんが発生していないかを調べる様にしましょう。

「胃がんの前兆といぼ」についてよくある質問

ここまで胃がんの前兆といぼについて紹介しました。ここでは「胃がんの前兆といぼ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃がんによるいぼはどんな特徴がありますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

へそのくぼみに結節ができる、SisterMaryJoseph結節や、褐色~黒褐色のいぼが全身に急激に増えるレーザー・トレラー徴候などが考えられます。これらの病変は胃がんのみでみられるわけではありません。気になる症状が現れた場合には、まず皮膚科で相談をしましょう。

老人性イボを発症した場合、胃がんを疑った方がいいですか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

老人性いぼは「脂漏性角化症」と言われています。この「脂漏性角化症」自体は中年以降の方でよくみられる良性の病気です。しかし、数週間から数か月で急激に大きくなったり、数が増えたりする場合には注意が必要です。悪性疾患に伴う所見かもしれません。また、この症状は胃がんに限ってみられるわけではありません。
まずは、脂漏性角化症が急に増えたりと気になる場合には皮膚科で相談をしてみましょう。

編集部まとめ 老人性いぼが急に増える場合、がんの合併の可能性も。

胃がんは日本において、決して少ない病気ではありません。治療成績が向上し、早期で発見、治療ができれば、予後は比較的良好です。このため、早期に発見するための症状や、皮膚所見について解説いたしました。どの症状も、胃がんのみでみられるわけではありません。しかし、異常に気がついたときには早めに相談をすることが重要です。
特に皮膚の所見として、通常の老人でよくみられる脂漏性角化症が急速に増大、増加するレーザー・トレラー徴候についてもお話ししました。頻繁にみられる所見ではありませんが、気になるところがあれば、早めに医療機関を受診して相談をしましょう。

「胃がん」と関連する病気

「胃がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

皮膚の症状も、胃腸の症状に関しても、胃がんの特異的な症状はありません。気になる症状が続く時には早めに消化器内科を受診すると良いでしょう。

「胃がん」と関連する症状

「胃がん」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

胃がんは初期では症状がないことが多いです。進行すると上記の様な症状がみられることもあります。症状が長く続く時には消化器内科で相談をしましょう。

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