「炎症性乳がん」はマンモグラフィ検査だけでは見つからない?検査と治療法を医師が解説!

炎症性乳がんの検査や治療には何がある?メディカルドック監修医が、マンモグラフィや超音波、組織診による診断と、薬物療法・手術・放射線を組み合わせた治療の流れを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「炎症性乳がんの初期症状」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
山田 美紀(医師)
目次 -INDEX-
「炎症性乳がん」とは?
炎症性乳がんとは、乳房の皮膚が乳腺炎のように赤くなる特殊な乳がんです。皮膚のリンパ管ががん細胞によって詰まり、乳房の広い範囲で皮膚の赤みやむくみを引き起こします。乳がんのうち約0.5〜2%にしかない、比較的まれなタイプの乳がんです。
炎症性乳がんの検査法
炎症性乳がんはしこりがないことが多く、マンモグラフィ検査のみでは発見することは難しいです。超音波検査などを組み合わせることが重要です。
マンモグラフィ検査
乳がんの検査はまず乳腺科でマンモグラフィを行います。乳房を圧迫し、X線で撮影します。数分で終わる検査であり、入院は必要ありません。マンモグラフィではしこりや石灰化を検出しますが、炎症性乳がんはしこりがないため、診断が難しいことが多いです。
乳腺超音波検査
超音波検査は乳房にしこりがあるかどうかを確認するのに有用な検査です。乳腺科で行います。20分程度の検査で、入院は必要ありません。炎症性乳がんはしこりがないことが多く、皮膚の肥厚やリンパ節の腫大を確認することができます。
組織診断
マンモグラフィや超音波検査で悪性の可能性がある病変を認めた場合、乳腺科で組織診断を行います。炎症性乳がんではしこりを認めないため、赤く肥厚した皮膚の一部を採取します。局所麻酔を行った後に、病変を採取します。採取した組織を顕微鏡で確認し、確定診断をすることができます。10分程度の検査で、入院は必要ありません。
炎症性乳がんの治療法
炎症性乳がんでは、まず薬物療法を行います。薬物療法によって腫瘍が縮小し、手術が可能になった場合、手術治療や放射線療法による局所治療を行います。
薬物療法
炎症性乳がんではまず乳腺科で薬物療法を行います。化学療法(抗がん剤)の点滴に通院をします。アンスラサイクリン系の抗がん剤とタキサン系の抗がん剤を順次行います。HER2陽性乳がんでは抗HER2薬を、トリプルネガティブ乳がんでは免疫チェックポイント阻害剤を併せて使用します。また、ホルモン受容体陽性乳がんの場合は手術後にホルモン療法を行います。
手術
薬物療法によって腫瘍が縮小し、手術ができる状態になった場合、手術を行います。炎症性乳がんでは乳房全切除が行われることが多いです。また、リンパ節に転移を認める場合は、腋窩リンパ節郭清も行います。1週間程度入院し、乳腺外科で治療を行います。
放射線療法
炎症性乳がんでは手術を行った後に、再発予防のために胸壁や周囲のリンパ節に放射線療法を行います。放射線治療科に4〜5週間の通院が必要です。
「炎症性乳がんの初期症状」についてよくある質問
ここまで炎症性乳がんの初期症状などを紹介しました。ここでは「炎症性乳がんの初期症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
炎症性乳がんの進行スピードはどれくらいでしょうか?
山田 美紀 医師
炎症性乳がんは通常の乳がんと比べて、進行スピードが速いことが多いです。数週間から数か月で進行することがあり、次の乳がん検診までの間に進行することがあります。
炎症性乳がんステージ4の生存率はどれくらいですか?
山田 美紀 医師
炎症性乳がんのステージ4は乳房から離れた部位に転移している状態です。炎症性乳がんに限らず、乳がんステージ4の5年生存率は38.6%と報告されています。
編集部まとめ
炎症性乳がんは通常の乳がんと比べて進行スピードが速く、乳房の広い範囲に赤みやむくみが生じます。しこりがないことが多く、マンモグラフィで見つけることが難しいため、診断が遅れることもあります。気になる症状がある場合は、早めに乳腺科を受診することをお勧めします。
「炎症性乳がん」と関連する病気
「炎症性乳がん」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
乳腺科の病気
婦人科の病気
- 卵巣がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群の場合)
「炎症性乳がん」と関連する症状
「炎症性乳がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 乳房の赤み
- 乳房のむくみ
- オレンジの皮のような皮膚
- 乳房の熱感
- 脇のリンパ節の腫れ