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「肺がん手術」の”4つの術式”とは?切除範囲やロボット手術の違いを医師が解説!

 公開日:2026/04/01
「肺がん手術」の”4つの術式”とは?切除範囲やロボット手術の違いを医師が解説!

肺がん手術にはどのような術式がある?メディカルドック監修医が、片肺全摘から肺葉切除、区域切除、楔状切除まで、がんの進行度に応じた4つの手術法を詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「肺がん手術の入院期間」はどのくらい?手術の種類や費用も解説【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

山本 康博

監修医師
山本 康博(MYメディカルクリニック横浜みなとみらい)

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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長
東京大学医学部医学科卒業 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医 日本内科学会認定総合内科専門医

肺がんとは

肺がんは、肺を構成する気管支や肺胞にできた悪性腫瘍をいいます。腫瘍がはじめから肺に発生した場合は原発性肺がん、他臓器由来の腫瘍が肺に転移した場合は転移性肺がんです。
原発性肺がんの原因はタバコやアスベストといった物質由来が7割ほどを占め、残りは環境や遺伝子、食生活などの要素が原因です。
肺がんの治療は、腫瘍組織の種類や病期でそれぞれ異なる治療法が選択されます。治療法は主に手術療法、化学療法や放射線治療を行います。

肺がん手術の種類

肺がんの手術は、4種類ほどあります。手術には開胸手術と胸腔鏡手術またはロボット手術があり、手術範囲や癒着などを考慮したうえで決定します。
胸腔鏡や手術支援ロボットを用いた手術は、傷が目立ちにくく出血量が少ないなど身体への負担が小さいのが特徴です。
手術を行う際には、複数の医師で術前の全身状態や手術歴などを考慮し、患者さんに見合った術式が選択されます。

片側肺全摘手術

片肺全摘除術は、病巣がある肺を全摘出する術式です。手術範囲が広く、複雑な手技を必要とする場合が多いため、基本的に開胸手術が選択されます。
開胸手術は肋骨に沿って、皮膚を背中側から10〜20cmほど切開します。片肺をすべて切除するという方法から、術後に肺活量などの呼吸機能が顕著に低下するのが特徴です。
可能な限り肺機能の温存を図るため、術前および術後にはしっかりとした呼吸機能訓練を実施します。

肺葉切除

肺葉切除は、肺の上・中・下葉の区域ごとに切除する方法です。リンパ節転移が疑われる症例に対しては、所属リンパ節郭清も実施します。
手術方法は、開胸手術か胸腔鏡補助下手術のどちらかが基本的に選択されるものの、病院の規模によってはロボット支援下での手術も可能です。
肺葉切除は片肺全摘除術よりも切除区域が小さいため、手術時間が短時間に留められる利点があります。

区域切除

区域切除は、胸腔鏡やロボット手術によって肺葉切除よりも小さな範囲を摘出する方法です。区域切除の対象となる症例は、ステージIAなどの早期がんが大半を占めます。
肺は肺葉という2〜3つの部分分けのほかに、右肺で10箇所、左肺で8箇所と細かい区域分けがされています。肺葉切除より、広範囲で臓器の温存が可能です。
身体への負担が少ない術式という特徴から、入院日数や術後のリハビリにかける時間が少ないのも特徴です。

楔状切除

楔状切除は区域切除よりも小さな範囲で、腫瘍がある部分のみを楔形に切除する方法です。区域切除同様に早期がんに対して選択される術式で、胸腔鏡やロボット手術で実施されます。
肺がん手術のなかで切除範囲が小さい楔状切除は、出血量や切除範囲が少ないのが特徴です。肺機能自体の温存も図れるだけでなく、手術時間も短いため身体への負担も少ないのがメリットです。

肺がんの入院期間についてよくある質問

ここまで肺がんの入院期間や手術の種類などを紹介しました。ここでは「肺がんの入院期間」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肺がん手術後の入院が長引くのはどのようなケースですか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

手術後の入院が長引くのは、合併症に陥ったり術後の回復が遅かったりする場合です。術後合併症は肺炎や無気肺といった呼吸器由来のものや、傷口からの感染症や縫合不全といったものなどがあります。ほかにも糖尿病や心疾患で持病を抱えている方の場合は、内服薬を調整して全身状態をコントロールするために、入院が長くなるケースもあります。

退院後はどのくらいで仕事復帰できますか?

山本 康博医師山本 康博(医師)

退院後から職場に復帰するまでの期間は、個人差があるものの基本的には2週間〜1ヶ月以上です。術後の回復過程は個人差が大きく、患者さんによっては術後に化学療法や放射線療法を必要とするケースもあります。退院後は自己判断で職場復帰せず、しっかりと主治医に相談しましょう。

編集部まとめ

ここまでは肺がんの手術療法について、手術の方法や入院期間、費用についての説明をしてきました。

肺がんの手術療法は医療技術や研究の向上により、手術可能な症例が増えたり身体への負担が軽減されたりと治療は日々進歩しています。

ただし手術療法は依然として高額になるケースがあり、費用についての心配が尽きない方が多いのではないでしょうか。

手術費用が予想より高額だった場合は高額療養費制度の利用が可能なため、心配な場合は医療相談窓口を利用するとよいでしょう。

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各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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