「膵臓がん」は健康診断では見つかりにくい?早期発見できる検診があるのか医師が解説!

膵臓がんの初期症状や早期発見の難しさとは?メディカルドック監修医が、暗黒の臓器と呼ばれる理由やなりやすい人の特徴、現在の検診の状況について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がん」は”検診で早期発見”できる?暗黒の臓器で進行して現れる症状も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
膵臓は胃と脊椎の間にある、およそ15~20cm程度、厚さ1cm程度の細く平べったい臓器です。お腹の上の方、背中側の右から左端までに位置しています。胃や腸と違い、普段の生活ではあまり意識することのない臓器かもしれません。
暗黒の臓器とも呼ばれる膵臓のがんについて解説します。なぜ暗黒の臓器なのか、膵臓がんにはどのような検査や治療が行われるのか。正しく知って、備えていきましょう。
目次 -INDEX-
膵臓がんとは?
膵臓は胃の裏側にある細長い形の臓器で、インスリンなどのホルモンを分泌したり、消化を助ける膵液を分泌したりする役割があります。膵臓には全体に膵管という管が通っており、膵液は膵管を使って運ばれます。
膵臓がんの多くは膵管に発生し、がん細胞が小さい時期から膵臓の近くのリンパ節や肝臓に転移しやすいのも膵臓がんの特徴です。転移が広がって腹膜播種を起こすことも稀なことではありません。
膵臓がんは早期発見が難しいがん
膵臓は初期にはほとんど症状がみられないこと、胃カメラや大腸カメラのように直接腫瘍を見ることができないなど、早期には発見しづらい条件がそろっています。
早期の膵臓がんはCT・超音波だけではよくわからないことが多いのも現状です。そもそも膵臓は平べったく、厚みも1cmと薄い臓器のため、少しでも腫瘍が大きくなれば周囲臓器へ浸潤してしまいます。
そのため早くに進行・転移をきたしてしまうことも早期発見が難しい一因です。
膵臓がんの症状
膵臓がんは発症しても初期にはほとんど症状がみられません。そのため早期に発見するのが難しく、症状が出てから診察を受ける方が多いため、診察を受けた段階では進行してしまっていることが多いのです。
手術が難しい状況になっていることも多く、暗黒の臓器という異名がついています。進行してからみられる症状には下記のようなものがあります。
- 腹痛
- 腹部のハリ
- 体重減少
- 黄疸
- 腰痛
- 背中の痛み
- 糖尿病
膵臓がんなりやすい人
膵臓がんになりやすい方の特徴は以下のようになります。
- 血縁者に膵臓がんになった方がいる人
- 糖尿病を患っている人
- 慢性膵炎を患っている人
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍を患っている人
- 大量に飲酒する人
- 喫煙習慣のある・あった人
- 肥満の人
親子・兄弟・姉妹のどれかのなかで膵臓がんに罹患した方が2人以上いる家系に発症する膵臓がんを家族性膵臓がんといいます。
膵臓がん全体の5〜10%が家族性膵臓がんだと考えられており、家族性膵臓がんの家系の方はそうでない方に比べて膵臓がんに罹患する確率が高いことがわかっています。
早期診断・治療を行うための研究・調査も始まっているため、家族に膵臓がんの罹患者がいる場合には、身近な医療機関へ相談することをおすすめします。
膵臓がん検診とは?
がんの早期発見と早い時期から治療を始めるために、厚生労働省では「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針」によってがんの検診方法を定めています。
しかし膵臓がんについては、定められた検診がないのが現状です。一般的に行われている人間ドックや健康診断では膵臓がんを早期に発見することは難しいため、膵臓がんの早期発見のためには膵臓ドックが推奨されます。
膵臓がんの検診についてよくある質問
ここまで膵臓がんの検診方法を紹介しました。ここでは「膵臓がん検診」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
膵臓がん検診に必要な費用はどれくらいですか?
膵臓がん検診の費用については何を受けるか、どこの医療機関で受けるかによって変動します。血液検査(腫瘍マーカー)・超音波検査・CT検査でおよそ40,000円(税込)前後です。この検査に加えて遺伝子検査・MRI検査・内視鏡検査・内視鏡による撮影・病理検査など検査項目が増えれば金額は上がります。1〜2日かけて行われる膵臓がんドックの場合内容によっても変わりますが、1日入院でおよそ100,000〜200,000円(税込)というところもあります。
膵臓がん検診はどの病院でも受けられますか?
どこまでの検査を受けたいかによっても違いますが、MRIなどの大型医療機器のある病院は限られているため、どの病院でも受けられるわけではありません。血液検査やエコー検査のできる病院は多いので、受けたい検査内容を精査したうえで病院を探してください。
編集部まとめ
膵臓がんとその検査方法について解説してきました。初期の膵臓がんは症状がほとんどなく、発見されたときには手術や治療が難しい状態になっていることも多いがんです。
家族に膵臓がんの患者さんがいる、気がかりなことがあるという場合は、早めの膵臓ドッグをおすすめします。
膵臓がんは通常の健康診断や人間ドックでは見つけることが難しいのが実情です。適切な受診や膵臓がんドックで早期発見・早期治療を心がけましょう。
膵臓がんと関連する病気
「膵臓がん」と関連する病気は2個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
これらの病気は膵臓がんになる確率をあげる危険因子です。また糖尿病は膵臓がんの手術によって発症する可能性のある病気でもあります。これらの持病がある場合は、膵臓ドッグを定期的に受けることをおすすめします。
膵臓がんと関連する症状
「膵臓がん」と関連している、似ている症状は5個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 腹痛
- 腰痛
- 背中の痛み
- 黄疸
- 体重減少
膵臓がんは症状があらわれたときにはかなり進行していることが多い病気です。少しでも思い当たることがあったら速やかに医療機関を受診しましょう。



