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「子宮筋腫の予防法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/01/10

子宮筋腫の症状とは?Medical DOC監修医が子宮筋腫の症状・初期症状・セルフチェック法・予防法・早期発見法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「子宮筋腫の主な5つの症状」はご存知ですか?前兆となる初期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

阿部 一也

監修医師
阿部 一也(医師)

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医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

「子宮筋腫」とは?

子宮筋腫とは、女性の子宮に良性の腫瘍、つまりできものが形成される疾患です。
多くの場合は、ホルモンバランスの変動がその発生に関与しており、特に生殖可能な年齢の女性に多くみられます。閉経後には自然に縮小していくケースもあります。
診断は、婦人科的な診察や、超音波検査やMRIなどを用いて行われます。
初期の段階で筋腫が小さく、症状がない場合には経過観察が可能です。
治療を行う際には、薬物治療や手術が行われます。薬物治療は、偽閉経療法という月経を止める薬物を使用します。手術の場合は、子宮をとる子宮全摘術と、筋腫のみをとる筋腫核出術(きんしゅかくしゅつじゅつ)があります。手術の際、お腹を開く開腹術や、腹腔鏡を用いた手術があります。腹腔鏡手術では、開腹術と比べると術後の癒着(ゆちゃく)が少ないことなどのメリットがあります。しかし、筋腫の大きさやできた場所によっては腹腔鏡手術が難しい場合もあります。
女性に多くみられ、子宮筋腫と似た症状を呈する疾患として、子宮内膜症があります。この子宮内膜症との違いは、子宮内膜症では子宮内膜、もしくはそれに似た組織が、子宮以外の場所で増えてしまうのに対し、子宮筋腫はあくまで子宮に病変ができることです。

子宮筋腫の種類

子宮は、外側から漿膜(しょうまく)、筋層、内膜というような層構造をしています。
子宮筋腫は、できる部位によって以下のように種類が分けられています。

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

粘膜下筋腫は、子宮の内膜直下にできる筋腫です。
月経時の出血が多くなったり、不正出血の原因になったりしやすく、場合によっては貧血を引き起こすこともあります。
小さくても症状が出やすく、また不妊や流産の原因になりやすいです。

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

筋層内筋腫は、子宮の筋層内に発生します。筋腫が大きくなると、腹部の膨満感や圧迫感を感じることがあります。また、月経痛が激しくなることもあります。また、不妊や流産の原因になることもあります。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

漿膜下筋腫は、子宮の外側の漿膜に近い部分に形成される筋腫です。
このタイプの筋腫は子宮の外に向かって成長するため、大きくなるまで症状が出にくいという特徴があります。

子宮筋腫の予防法・早期発見方法

子宮筋腫を予防する方法について、確立されたものはありません。しかし、健康的な生活を送ることで、子宮筋腫のリスクを低減させる効果が期待できます。また、定期的な婦人科検診を受けることで早期発見につなげることも大切です。

定期的な婦人科検診

定期的な婦人科診察や超音波検査により、子宮筋腫の早期発見が可能となります。早期に発見することで、より効果的な治療が行え、症状の悪化を防ぐことができます。
一般的に、女性は年に一度のペースで婦人科検診を受けることが推奨されています。特に30歳を超えた女性は、子宮筋腫のリスクが高まるため、定期的な検査を怠らないようにすることが重要です。

健康的な体重を維持する

健康的な体重を維持することは、体内のホルモンバランスを正常に保ち、特にエストロゲンの過剰な増加を防ぐことにつながります。これが子宮筋腫の成長を抑える効果が期待されます。
高脂肪食を避け、果物や野菜を豊富に取り入れた食事を心がけることが推奨されます。また、適度な運動を継続することで体重管理を行い、肥満を避けることが重要です。

定期的な運動をする

定期的な運動は、子宮筋腫の予防に役立つ可能性があるという研究があります。
その研究では、週あたり少なくとも 4 時間の活発な活動をすると子宮筋腫の発症が減少したと報告されています。
定期的な運動は、子宮筋腫のみならず、乳がんの予防にも効果があることがしられています。運動によって、インスリンというホルモンを低下させることができることも、こうした効果の一助になっているのではないかと考えられています。

「子宮筋腫の症状」についてよくある質問

ここまで子宮筋腫の症状を紹介しました。ここでは「子宮筋腫の症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

子宮筋腫が大きくなるとどのような症状が現れますか?

阿部 一也阿部 一也 医師

子宮筋腫が大きくなると、下腹部の圧迫感や痛み、頻尿、便秘、重い月経出血が現れることがあります。また非常に稀ですが、尿閉症状が出ることもあります。これらの症状は、筋腫が周囲の器官に圧力をかけるために起こります。

子宮筋腫ができると体のどこが痛みますか?

阿部 一也阿部 一也 医師

子宮筋腫があると、主に下腹部に痛みを感じることが多いです。また、大きな筋腫がある場合は腰痛や腹部全体の不快感、腹部膨満感が現れることもあります。これは筋腫が周囲の組織や器官に圧力をかけるためです。

子宮筋腫ができると体調はどのように変化していきますか?

阿部 一也阿部 一也 医師

子宮筋腫ができると、重い月経出血や不正出血が起こり、貧血になることがあります。すると、めまいやだるさといった症状が現れます。また、下腹部の痛みや圧迫感、頻尿や便秘といった症状も現れます。

編集部まとめ

今回の記事では、子宮筋腫の症状や予防方法、早期発見について解説しました。
子宮筋腫は、多くの女性に見られる良性の腫瘍であり、症状があれば早めに婦人科を受診するようにしましょう。現時点では、確実な予防方法についてはわかっていない部分もありますが、健康的な食生活や運動などを行い、太りすぎないように注意することが大切ではないかと考えられています。また、定期的に婦人科検診を受け、早期発見につなげましょう。

「子宮筋腫の症状」と関連する病気

「子宮筋腫の症状」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

婦人科の病気

泌尿器科の病気

内科・血液内科の病気

「子宮筋腫の症状」と関連する症状

「子宮筋腫の症状」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

子宮筋腫が引き起こす症状には、上記のようなものがあります。これらの症状がある場合には、正確な診断を受けるために医療機関を受診するようにしましょう。

この記事の監修医師