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「前立腺がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/11/15

前立腺がんの原因とは?Medical DOC監修医が前立腺がんの原因・原因となる食生活・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「前立腺がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

石川 智啓

監修医師
石川 智啓(医師)

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2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科を経て、現在名古屋大学医学部附属病院泌尿器科で勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。

「前立腺がん」とは?

前立腺がんは、男性の前立腺に発生するがんであり、特に高齢の男性に多く見られます。
早期の段階では症状がほとんどありません。しかし、尿が出にくかったり、排尿回数が多くなったりするなど、排尿に関する症状が現れることもあります。また、進行すると排尿障害に加えて、血尿や骨転移による腰や背中の痛みなどの症状がみられることもあります。
今回の記事では、前立腺がんの原因として考えられている要因や食べ物、そして前立腺がんを予防するために効果が期待できる方法について解説していきます。

前立腺がんの原因となる可能性の高い食べ物・食生活

それでは、ここからは前立腺がんの原因となる食生活について述べていきます。

高脂肪食

前立腺がんのリスクを高めるとされる食生活の一つに、高脂肪食の摂取があります。特に動物性脂肪が多い食品を過剰に摂取することは避けるべきです。具体的には、赤身の肉、バター、クリーム、チーズなどがあります。逆に、植物性脂肪を含むような食品であるナッツやオリーブオイルなども選ぶ様にするとよいでしょう。
一方で、乳製品が前立腺がんのリスクを高めるのかということについては、現時点では明らかな関連はない、と言われています。

赤肉や加工肉

赤肉や加工肉が前立腺がんのリスクを高める可能性もあります。
例えば、日本で、以下の3つの食事パターンが前立腺がんのリスクとどのように関連しているのかを調査した研究があります。

  • ・健康型:野菜や果物、芋類、大豆食品、きのこ類、海藻類、緑茶、脂の多い魚など)
  • ・欧米型:肉類、加工肉、パン、果物ジュース、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、マヨネーズ、ソース、魚介類など
  • ・伝統型:ご飯、味噌汁、漬物、サーモン、塩魚・干物、いか・たこ・えび・貝類、果物、日本酒(男性)

その結果、欧米型の食事パターンで前立腺がんのリスクが増加していました。
日本人の場合、欧米型食事パターンを構成する主な食品は、肉類・加工肉、乳製品となります。これらを多くとることで、飽和脂肪酸摂取の多くなることが前立腺がんのリスクの増加につながる可能性があります。また、赤肉や加工肉にはヘム鉄や硝酸塩がたくさん含まれています。それらを多く食べることが、前立腺がんのリスクの増加につながっている可能性が示唆されています。さらに、赤肉に含まれる亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの前立腺における合成に不可欠です。また、肉の高温調理の際に生成される物質も前立腺がんのリスク増加に関わっている可能性があります。

砂糖と精製された穀物

砂糖や精製された穀物を過剰にとると、インスリン抵抗性の増加や肥満を引き起こすことがあります。例えば、パン、白米、パスタ、菓子類、炭酸飲料などを取りすぎると、砂糖や精製穀物のとりすぎにつながってしまいます。その結果肥満になってしまい、間接的に前立腺がんのリスクを高める可能性があります。

お酒の飲み過ぎ

アルコール摂取が多いほど、進行した前立腺がんのリスクが高くなるという研究があります。具体的には、週あたりのエタノール換算150g以上の人たちで、飲まない人たちよりも進行前立腺がんのリスクが1.51倍に上がりました。なお、エタノール換算で150gとは、日本酒なら約7号、ビールなら大瓶約7本、ワインなら約14杯、ウイスキーならダブル約7杯となります。
飲酒が前立腺がんのリスクとなる理由としては、お酒に含まれているエタノールが分解されてできるアセトアルデヒドがもつ発がん性が挙げられます。また、アルコールが前立腺がんリスク要因である性ホルモンに影響を与えているのかもしれません。いずれにしても、過度な飲酒は、前立腺がんのリスクを高めることがあります。節酒によって、前立腺がんの予防につながる可能性が示唆されます。

塩蔵食品の過剰な摂取

日本で、塩分や塩蔵食品と発癌について調べた研究があります。その結果、塩蔵食品である塩蔵魚類や干し魚、たらこなどの魚卵といった塩蔵食品をたくさんとると、何らかのがんになるリスクが高くなりました。前立腺がんのリスクのみを上げるわけではないということには注意が必要です。しかし、塩蔵食品は控えめにするほか、食卓や調理の際の味付けの際に醤油や食塩などを控えることは大切です。これによって、がんのみならず心筋梗塞などの循環器疾患のどちらも予防することが期待できると考えられます。

前立腺がんの予防法

前立腺がん検診を受ける

前立腺がんは早期の段階では症状がありません。現在日本では、前立腺がん検診は指針として定められているものではありません。前立腺がん検診は、PSA(前立腺がん特異抗体)という血液中タンパク質の値を測るものになります。
前立腺がんのガイドラインでは、以下の様に述べられています。

  • ・60 歳以下の人でも定点的な PSA 検査を行い、PSA 基礎値、つまり平常時の値を確認する
  • ・それによって、それぞれの人の今後の長期的な前立腺癌の発症・転移・癌死に関するリスク管理を行うことが重要である

また、がん検診を受けることで、進行性の前立腺がんのリスクが低くなり、前立腺がんによる死亡率が低くなるということが証明されています。
日本では、国として何歳以上から前立腺がん検診を行っているものではありません。しかし、50歳以上の男性希望者に対し、前立腺がん検診に対して一定の補助などが出る自治体が多いようです。

健康的な食生活

前立腺がんの予防には、健康的な食生活が重要です。特に、野菜や果物、全粒穀物、豆類を多く含む食事は、前立腺がんのリスクを低減する効果が期待できます。これらの食品は、抗酸化物質や繊維質を豊富に含んでおり、体内の炎症を抑え、がんの発生を防ぐ助けとなります。また、トマトに含まれるリコピンや、魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、前立腺がんの予防に有効とされています。
また、喫煙は前立腺がんのリスクを高めることが示されています。また、過度のアルコール摂取もがんのリスクを増加させる可能性があります。禁煙と節度のある飲酒は、前立腺がんの予防に有効です。特に禁煙は、肺がんだけでなく、前立腺がんを含む多くのがんのリスクを減少させることが知られています。

定期的な運動

定期的な運動は、前立腺がんを含む多くのがんのリスクを低減することが知られています。運動は体重管理に役立ち、肥満を防ぐことでがんのリスクを減少させます。
運動を行うことで、特に20〜45歳、そして45〜65歳の前立腺がんのリスクを下げるということが報告されています。
運動習慣は、心臓病や糖尿病などの他の健康問題のリスクも低減するため、全体的な健康維持にも役立ちます。

編集部まとめ

前立腺がんの原因としては、遺伝的要因、男性ホルモン、食生活、喫煙、環境要因などが挙げられます。前立腺がんになりやすい人の特徴としては、年齢、家族歴、不健康な食生活などがあります。前立腺がんを予防するためには、健康的な食生活の維持、定期的な運動、禁煙・節酒などが大切です。そして、前立腺がん検診を受けることもがんの早期発見のために有効と考えられます。今回の記事が参考になれば幸いです。

「前立腺がんの原因」と関連する病気

「前立腺がんの原因」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

泌尿器科の病気

前立腺がんの症状は、前立腺炎や前立腺肥大症でもみられる排尿に関する症状であることもあります。症状が長く続く場合には、泌尿器科を受診しましょう。

「前立腺がんの原因」と関連する症状

「前立腺がんの原因」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 排尿時痛
  • 夜間頻尿
  • 尿が出にくい
  • 尿が途切れる
  • 腰や背中などの痛み

前立腺がんの症状は、前立腺炎や前立腺肥大症などの疾患と似ていることが多いことがあります。また、前立腺がんが骨に転移すると、腰や背中、骨盤、大腿骨などに痛みが現れることがあります。尿のトラブルや骨の痛みなどが長期間続く場合は、泌尿器科を受診して専門医の診断を受けることが重要です。早期発見が治療の成功につながります。

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