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「大腸がんの検査・治療法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/06/20

大腸がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が大腸がんの初期症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

プロフィールをもっと見る
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「大腸がん」とは?

大腸とは水分の吸収を行い、便を作るはたらきをしている全長1.5〜2mの長さの筒状の臓器です。大腸がんとは、この臓器に発生するがんのことで、大腸がんと診断される方は年々増え続けています。2019年の報告では男性は前立腺がんについで第2位、女性は乳がんについで第2位です。また部位別のがん死亡数も、男性は肺がん、胃がんについで第3位、女性は第1位となっています。

大腸がんの検査法

便潜血検査

大腸がんの検査として便潜血検査があります。日本では40歳以上において2回の便潜血検査が検診に含まれています。便の中に血液の反応があるかどうかを調べる検査で、1回でも陽性であれば下部消化管内視鏡検査を行います。自宅で便を容器に採取してもらうため入院は必要ありません。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

下部消化管内視鏡検査は大腸がんの診断において、がん自体を直接観察でき、組織検査を行うことができる必須の検査です。主に消化器内科で行います。検査前日に下剤、当日に腸管洗浄液を内服していただき検査を行います。
通常は外来で検査可能ですが、高齢者などにおいては検査の負担なども考慮し2、3日入院して行う場合もあります。

CT検査

CT検査は肝臓など他の臓器への転移やリンパ節転移(がんが最初に発生した部位からリンパ液の流れに乗って広がった状態)の診断に有用です。また大腸がんによる通過障害の有無を体に負担をかけずに確認することができます。外来で検査可能なため入院は必要ありません。

大腸がんの治療法

内視鏡治療

「リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にある」場合には内視鏡治療の適応になります。治療法には内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。EMRはスネアと呼ばれる金属の輪を病変にかけて切除を行い、ESDは専用のナイフで病変の周囲の切開や剥離を行います。
EMRの場合は2-3日、ESDの場合は約1週間の入院が必要となります。治療後は特にリハビリは必要ありません。

手術

大腸がんが進行している場合には、消化器外科でリンパ節郭清(がんの周辺にあるリンパ節の切除)を伴った結腸切除術が行われます。おおよそ1〜2週間の入院が必要となります。
手術後は、早期のリハビリが早期退院につながるとされています。手術翌日より立ち上がったり、歩いたりする早期離床を行うことが多いです。

化学療法

化学療法には、①術後再発抑制を目的とした補助化学療法と②延命や症状緩和などを目的とした切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法があリます。
化学療法には点滴や内服薬など複数の種類が存在し、入院が必要な場合も外来で行える場合もあります。

「大腸がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで大腸がんの初期症状を紹介しました。ここでは「大腸がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

おならがよく出たり、臭いのは大腸がんの初期症状でしょうか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

大腸がんが進行すると腸内細菌叢の変化などにより、おならが増えたり、臭くなったりする可能性があります。ただし食物繊維や肉や魚介類、卵や乳製品などの動物性たんぱく質の摂りすぎによっても、おならが増え、おならが臭くなることもあります。過度に心配する必要はありませんが、気になるようでしたら医療機関の受診をおすすめします。

大腸がんを発症すると便はどれくらい細くなりますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

日本人の大腸の内径は部位や個人差にもよりますが、3-5cm程度との報告があります。大腸がんによる通過障害をきたした場合、閉塞の程度にもよりますが、おおよそ1-2cmの細い便が出る場合があります。

編集部まとめ

大腸がんは初期の段階では症状が乏しく、症状が見られた場合にはある程度病気が進行していることもあります。症状がなくても大腸がんの可能性は否定せず、便潜血検査で陽性となった場合には必ず医療機関を受診しましょう。また腹痛や血便、便秘、便が細くなった、めまいや息切れ、ふらつきなどの症状があった場合には、大腸がんの初期症状の可能性がありますので、普段からご自身の体調や便をチェックするようにしましょう。

「大腸がんの初期症状」と関連する病気

「大腸がんの初期症状」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

婦人科の病気

大腸がんは大腸に発生するがんであることから、主に大腸に関連する病気が多く考えられます。一般的に過敏性腸症候群は便秘、大腸憩室炎は腹痛、潰瘍性大腸炎や大腸憩室出血、虚血性腸炎では血便が出現します。また婦人科系の病気によっても下腹部を中心とした腹痛が出現することがあります。

「大腸がんの初期症状」と関連する症状

「大腸がんの初期症状」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「腹痛」症状の他に、血便、便秘、便が細くなった、貧血症状がある場合にも大腸がんの可能性が考えられます。複数の症状が併発している場合には必ず医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師