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がん細胞を狙い撃ち「光免疫療法」の費用はどのくらい?保険適用の疾患も医師が解説!

 公開日:2026/05/04
光免疫療法の費用

光免疫療法の費用や治せる病気はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が光免疫療法の費用と治せる病気について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『がん治療の1つ「光免疫療法」とはどんな治療法?治せる病気や費用も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

「光免疫療法」とは?

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する光感受性薬剤を投与後、がん部に近赤外線を照射してがん細胞を選択的に破壊する新しい治療法です。
がん細胞のみを狙い撃ちでき、副作用が比較的少ないことから、従来の治療が難しい症例でも効果が期待される治療として注目されています。
現在日本では、薬剤アキャルックス®️(セツキシマブサロタロカンナトリウム)の投与とレーザー光照射を組み合わせた治療法が、頭頸部のがんに対して保険適用となっています。
今回の記事では、光免疫療法の費用や効果、流れなどについて解説します。

光免疫療法の費用

光免疫療法に要する費用の概算をお示しします。

保険適用の場合

光免疫療法は、切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんに対して保険適用されています。そのため、3割負担の場合、薬剤費・照射費を含め約30〜40万円程度が目安となります。入院管理料や検査費が別途必要なこともあります。
高額療養費制度を利用すると、自己負担額が抑えられるため、事前に制度を確認しておくと安心です。

自費診療の場合

適応外疾患に用いる場合や臨床試験での治療など、保険が使えないケースでは 数百万円以上かかる場合があります。
薬剤自体が高額であり、特殊な照射機器が必要となるため、自費診療では高額になりやすい点は十分な注意が必要です。

光免疫療法で治せる病気

光免疫療法が治療の選択肢となりうる病気には以下のようなものがあります。

切除不能な局所進行頭頸部がん

現在、日本で光免疫療法として保険適用となっている病気の一つです。
頭頸部は、脳、眼球、脊髄、顔面皮膚を除いた、首から上の領域全体を指し、耳・鼻・口・のど(咽頭・喉頭)・甲状腺・唾液腺・首のリンパ節などが含まれています。
この領域のがん、特にがんが大きくなっているような場合、頭に神経・血管が密集しており、手術が難しいことがあります。
具体的には、切除不能と判断されるケースには以下のようなものがあります。
・再建術後であり、再手術のリスクが高い
・手術による根治性が低く、複数回切除後に再発がある
・患者さんの全身状態が悪く、身体に負担がかかる手術が難しい
特に病変が大きいという必要はなく、放射線治療後あるいは上記のようなケースで光免疫療法の適応となることがあります。
アキャルックス®はEGFR陽性の腫瘍に結合しやすく、近赤外線照射によってがん細胞膜を破壊します。
治療は主に 頭頸部外科・耳鼻科・放射線治療科 が実施します。

切除不能な局所再発頭頸部がん

手術や放射線治療を行なったものの、再発した頭頸部がんも保険適用となっています。再照射が難しいケースでも、光免疫療法で腫瘍縮小が期待されるケースもあります。

歯科口腔領域のがん

歯科口腔領域のがんは、頭頸部がんと重複する場合もあります。しかし、歯科口腔外科領域での光免疫療法はより新しく保険収載されたものです。歯科口腔領域のがんとしては、舌・歯肉・頬粘膜・口底・口蓋などにできる悪性腫瘍の総称で、多くは扁平上皮がんです。
適応判断や照射範囲の決定には 歯科口腔外科と放射線科の連携 が不可欠です。

食道がん

臨床試験として、現在手術や化学療法、放射線治療などの既存治療で治すことが難しい食道がんへの光免疫療法が行われています。どの医療機関でも行うことができるわけではありません。

婦人科系のがん

局所進行または再発外陰がんや腟がん、子宮頸がんに対する光免疫療法の臨床試験も行われています。こちらについても、しかし、一般医療機関では実施されておらず、実施施設はごく限られています。

「光免疫療法」についてよくある質問

ここまで光免疫療法を紹介しました。ここでは「光免疫療法」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

光免疫療法の完治率はどれくらいなのでしょうか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

治療成績はがんの部位・大きさ・進行度により異なります。臨床試験では、腫瘍縮小率が高い症例が多く報告されており、再発例にも効果が期待されています。
ただし、光免疫療法は比較的新しい治療であり、長期予後に関するデータはまだ限定的です。今後の研究によってさらに明確になると考えられます。

まとめ

光免疫療法は、がん細胞を選択的に破壊し、副作用を抑えながら治療できる革新的な治療法です。手術や化学療法が難しい症例でも治療の可能性を広げる選択肢として注目されています。一方で、適応が限られていたり、保険適用外の場合は高額となったりなどの課題もあります。治療を検討する際は、大学病院やがんセンターなど、がんの治療に精通した専門医のいる施設で十分に相談することが大切です。

「光免疫療法」と関連する病気

「光免疫療法」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

頭頸部外科系

消化器内科系

婦人科系

光免疫療法が行われるケースがある病気としては、上記のようなものがあります。

「光免疫療法」と関連する症状

「光免疫療法」と関連している、似ている症状は16個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • のどの違和感
  • 飲み込みにくい(嚥下障害)
  • 声がれ(嗄声)
  • 口の中の痛み・しみる
  • 舌の違和感・舌の動かしにくさ
  • 口内の出血
  • 耳へ響くような痛み(放散痛)
  • 食事がつかえる感じ
  • 体重減少
  • 外陰部のしこり・腫れ
  • 外陰部の痛み・灼熱感
  • デリケートゾーンの出血(性交時出血・不正出血など)
  • 腟の違和感・腫れ
  • おりものの増加・においの変化
  • 下腹部〜骨盤の痛み

こうした症状が続いたときに検査をきっかけに腫瘍が見つかり、条件を満たす場合には光免疫療法が選択肢の一つとして検討されることもあります。早期発見のためにも、症状が続く場合は医療機関の受診が推奨されます。

この記事の監修医師