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「肝臓がんのセルフチェック法」はご存知ですか?予防法・早期発見方法も医師が解説!

 公開日:2024/08/23

肝臓がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が肝臓がんの初期症状・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「肝臓がんの前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

プロフィールをもっと見る
2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

「肝臓がん」とは?

肝臓がんは大きく肝細胞がんと肝内胆管がんに分けられます。そのうち肝細胞がんが94%を占め、原因はC型肝炎ウイルスが最も多く、次いでB型肝炎ウイルス、アルコールと続きます。近年は抗ウイルス治療やワクチンの発達のおかげでウイルス性肝細胞がんは減少し、相対的に非アルコール性脂肪肝炎や原因不明の肝細胞がんが増加しています。今回は肝臓がん、特に肝細胞がんの初期症状、どんな人がかかりやすいのか、予防法はあるのかなど説明していきます。

肝臓がんの予防法・早期発見方法

ワクチン接種

肝臓がんの予防として、まず一番重要なことは、B型、C型肝炎ウイルスに感染しないことです。特に、B型肝炎ウイルスはワクチンで感染を予防することができます。2016年から定期接種となっていますが、それ以前の方で人の体液などに触れる可能性のある方はワクチンを接種してください。

生活習慣の改善

これまでに述べたように、喫煙や大量のアルコール摂取、糖尿病や脂肪肝は肝臓がんのリスクを上昇させます。
これらに対する予防法として、日常生活では先ほど述べたように、禁煙、節酒とカロリーを摂りすぎない食事、適度な運動を心がけてください。
そうすることで肝臓がんのリスクである肥満、糖尿病、脂肪肝を予防することができます。

定期健診

肝臓の病気は自覚症状が出にくいという特徴があるため、早期発見には定期的に健診を受けることが重要になります。内科の外来をしていると、自覚症状は何もなくても、健診の血液検査で肝機能の異常を指摘されたから受診したという方はたくさんおられます。詳しい血液検査や腹部超音波検査などを行い、必要に応じて定期的な血液検査や画像検査で肝機能が落ちていないか、肝臓がんが発生しないかをみていくことができます。

すぐに病院へ行くべき「肝臓がんの初期症状」

ここまでは肝臓がんの初期症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

吐血症状の場合は、救急科へ

肝臓がんが進行して、肝硬変(肝臓の機能低下が進んで末期になった状態)になっていた場合、食道や胃に静脈瘤ができることがあります。静脈瘤とは、肝臓が硬くなることで、肝臓を栄養する門脈という血管にうまく血流が流れないようになり、滞った血流が胃や食道の表面に異常血管(側副路)を作って逆流している状態です。静脈瘤が存在しているだけでは症状がないのですが、破裂すると大量に出血し、非常に危険な状態になります。気付かないうちに肝硬変が進行していた場合、突然の吐血で発症することもあります。吐血、黒色便を認めた場合は、止血術や輸血が必要になることもあるのですぐに救急外来を受診してください。

受診・予防の目安となる「肝臓がん」のセルフチェック法

  • ・白目が黄色い、尿が茶褐色、便が白いなどの黄疸の症状がある場合
  • ・右脇腹付近に鈍痛がある場合
  • ・下肢のむくみや腹水を疑う症状がある場合
  • ・手の指が震える、ぼーっとする症状がある場合

「肝臓がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで肝臓がんの初期症状を紹介しました。ここでは「肝臓がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

肝臓がんを疑う初期症状が現れた場合、血液検査の数値はどのように変化しますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

肝障害があるとAST、ALTという数値が上昇します。また黄疸などの症状であれば、総ビリルビンという値が上昇します。脚のむくみや腹水の増加がある場合はアルブミン(体内のタンパク質の一種)の低下が見られることが多く、また肝硬変があれば血小板数の低下を認めます。肝臓がんを疑って血液検査をする場合、腫瘍マーカーを調べることが多いと思います。肝細胞癌であればAFPやPIVKA-Ⅱという数値の上昇を認めることがあります。

編集部まとめ

肝臓は沈黙の臓器です。肝臓がんの予防、早期発見には食事、運動などの生活習慣の改善と定期的な健診が欠かせません。心地よい毎日を送るために、禁煙、アルコールや高脂肪食の過剰摂取を避け、適度な運動を心がけてください。年1回健診を受け、必要があればしっかり受診してください。そして、もし気になる症状が出た場合は迷わず、まずは内科を受診してください。血液検査で分かることがたくさんあります。

「肝臓がんの初期症状」と関連する病気

「肝臓がんの初期症状」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

下肢浮腫をきたす病気

黄疸をきたす病気

「肝臓がんの初期症状」と同様の症状が出た場合、上記の可能性もあります。原因により治療法も変わってくるので、症状が出た場合は早めに内科を受診してください。

「肝臓がんの初期症状」と関連する症状

「肝臓がんの初期症状」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 全身倦怠感
  • 食欲低下
  • 体が痒い
  • 手の平が赤い
  • 体がむくむ
  • 手足がつる

上記の症状が出た場合、肝機能が低下している可能性があります。症状が長引く場合は内科を受診してください。

この記事の監修医師