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「子宮頸がんの初期症状と末期症状」はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/11/08
「子宮頸がんの初期症状と末期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!
子宮頸がんの症状とは?メディカルドック監修医が子宮頸がんの症状・初期症状・末期症状や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はメディカルドックにて『「子宮頸がんの症状」はご存知ですか?初期症状・末期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「子宮頸がん」とは?

子宮頸がんとは、膣と子宮をつなぐ入り口『子宮頸部(しきゅうけいぶ)』に発生するがんのことです。 多くのがんは高齢になると発症リスクが上がりますが、子宮頸がんは20代後半から発症が増加し始め、30代後半にピークを迎える傾向があります。 子宮頸がんは比較的若い世代で発症しやすい特性があるのが特徴です。このがんの原因の多くが、性交渉によるウイルス感染です。 健診でこのがんを早い段階で発見すれば、妊娠できる力(妊孕性)を保つことができます。子宮頚部の一部だけを切除するので、妊娠、出産に支障はありません。 ただし、進行した状態で発見されると、子宮や卵巣を摘出する大掛かりな手術を行う場合も少なくありません。 日本国内では年間約10,000人以上の方が感染し、約3,000人もの方が亡くなっています。

子宮頸がんの初期症状

子宮頸がんには、初期症状がないことが大半です。子宮頸がんは子宮頚部にウイルスに感染して排除できない場合、がんの前の段階「異形成」を経て、子宮頸がんになります。異形成の時点では、初期症状はほとんど見られません。 異形成の段階で見つけるためには、定期的な子宮頸がん検診が必要です。必ず2年に一度の検診を受けましょう。医療機関によっては1年に一度の検診をおすすめされることもあります。 これから紹介する内容は、子宮頸がんに変化した後の症状です。以下の症状が出た場合は、婦人科を受診して下さい。

おりものの色の変化、質感が変わる

異臭がするおりもの、白か透明以外の色が付いたおりものは、子宮頸がんのサインかもしれません。おりものの異常が出る原因は多いですが、特に出血の痕跡があるおりもの(赤、茶色、黒っぽいおりもの)は注意が必要です。水っぽい大量のおりものや、粘度のあるおりものが出ることがあります。 おりものの異常は子宮頸がん以外でもクラミジアや子宮内膜症など厄介な病気が多いので、すぐに婦人科を受診しましょう。

下腹部痛

腹痛も子宮頸がんに起こりやすい症状の一つです。子宮頸がんが進行すると子宮など、子宮頚部以外の臓器に広がります。それが「下腹部の痛み痛」として現れることがあります。特に、月経期でもないのに下腹部痛が続く場合は、特に注意が必要です。 すぐに婦人科を受診して、下腹部痛の原因をチェックしてもらいましょう。月経痛がひどい場合も婦人科を受診することをおすすめします。

子宮頸がんの末期症状

子宮頸がんはステージ4まで進むと、意外な症状が見られることがあります。腰痛や血尿、血便など、他の病気としか思えない症状が出ることがあります。たとえ病巣を取り除いても病状が再発することもあるため、寛解しても検査通院を欠かさないようにしましょう。

骨盤の痛み・激しい腹痛

子宮頸がんが進行すると骨盤全体にがん細胞が広がることがあります。さらに骨や肝臓、肺まで転移することがあります。骨盤にがんが広がると腹痛が続くことがあります。特に下腹部痛が続く場合は要注意です。 すぐに婦人科を受診しましょう。内診などを行い、病状を確定します。

腰痛

子宮頸がんは骨に転移することがあります。子宮頚部に近い骨は腰なので、末期症状で腰痛が起こることがあります。腰痛がひどくなり整形外科を受診したら、実は子宮頸がんだったという方もいます。 腰痛だけが起こる場合は整形外科を受診しましょう。おりものの異常や不正出血を伴う場合は、早急に婦人科を受診することをおすすめします。

出血が止まらない

がん細胞から出血が止まらず、月経異常のような症状が見られることがあります。おりものの色が赤や茶色、黒に染まることもあります。不正出血や多すぎる経血は珍しい症状ではありませんが、放置しておくと末期になるまで子宮頸がんが見つからないことがあります。早急に婦人科を受診して検査を受けましょう。

「子宮頸がんの症状」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「子宮頸がんの症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

子宮頸がんを早期発見するポイントを教えて下さい。

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。初期の子宮頸がんは自覚症状がないことが多いため、2年に一度健診を受けることが早期発見につながります。子宮頸がんは定期健診のオプションで受けられますが、自治体によっては助成金が出ることもあります。お住まいの自治体のHPをご確認下さい。子宮頸がんは早期発見すれば子宮が温存でき、寛解(病状が治まり落ち着いている)状態にできる可能性が高い病気です。

子宮頸がんを発症している場合、おりものや出血にどのような特徴がありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

おりものに異臭がする、赤や茶色、黒色になるなどの特徴が見られます。粘性の高い液体や、水っぽいおりものが大量に出ることもあります。正常なおりものは無臭かわずかに酸っぱいにおいがするため、異臭がする時点で何らかの症状があると思って差し支えありません。性交時の出血、月経期以外の出血(不正出血)も、子宮頸がんの典型的な症状です。更年期やホルモンバランスの異常で起こりやすい症状ですが、子宮頸がんが隠れているかもしれません。放置せず、早急に婦人科を受診することをおすすめします。

子宮頸がんの症状は最後に性行為をしてから何年後に発症するのでしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染すると、おおよそ数年から10年で前がん病変(異形成)を経て、子宮頸がんを発症します。しかし、前がん病変(異形成)でも80%の方はガンにならず、中には自然治癒することもあります。もし子宮頸がん検診で異形成が見つかっても悲観せず、定期検査を続けましょう。HIVなど免疫不全の方は進行スピードが速い傾向があります。

編集部まとめ

子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。一番の予防法は性交渉前に子宮頸がんワクチンを接種することですが、強い予防効果がありますが治療効果はありません。 ワクチン未接種の方は定期的な子宮頸がん検診でいち早く病変を見つけ、治療と経過観察を続けることが唯一の対策になります。 子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの90%以上を防ぎます。副作用で起こる症状は接種部の腫れや頭痛、腹痛、筋肉痛(約10%)などが挙げられます。ごくまれにアナフィラキシー(約96万接種に1回)やギラン・バレー症候群(約430万接種に1回)の発生が報告されています。 しかし子宮頸がんが発症すると、妊孕性はもちろん、命まで失う可能性があります。たとえ病巣を取り除いて症状が改善しても、再発に怯える日々が続くかもしれません。 ワクチン接種にはさまざまな意見がありますが、未接種の方は積極的に接種するようにしましょう。

「子宮頸がんの症状」で考えられる病気と特徴

「子宮頸がんの症状」と関連する病気は2個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

婦人科の病気

不正出血が続く場合や、閉経したのに月経のような出血がある場合や、不正出血に加えて腹痛など他の症状も伴っている場合には、これらの病気が隠れている可能性があります。

「子宮頸がんの症状」と関連する症状

「子宮頸がんの症状」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。 これらの症状は「月経不順」「クラミジアなどの性病」「更年期障害」「椎間板ヘルニア」「膀胱炎」「痔」「心不全」「肝機能障害」などの疾患の可能性が考えられます。いずれの症状も持続する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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