「うつ病」とはどんな病気か本当にご存じですか? どういう状態だと発症しやすい?
うつ病の原因は明確には分かっていませんが、強いストレスがかかっている状態にあると発症しやすくなるようです。具体的にどのようなケースで発症し、どういった治療が必要になるのか、公認心理師の甘中さんに解説してもらいました。
監修公認心理師:
甘中 亜耶(公認心理師)
編集部
うつ病とはどんな病気ですか?
甘中さん
うつ病とは、気分の落ち込みや興味・喜びの減退などの精神症状や不眠、倦怠感、食欲の低下などの身体症状が2週間以上継続することにより、社会生活が困難になる病気です。国際疾病分類(ICD-10)では「気分障害」に分類されます。気分障害には、気分の落ち込みと高揚を繰り返す双極性障害なども含まれます。
編集部
うつ病の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
甘中さん
うつ病の原因は明確には分かっていませんが、環境要因が大きく関係していると言われています。例えば、人間関係でのトラブル、家庭内不和、大切な人の死(家族、友人)、大切なものを失う(財産、仕事)、妊娠や育児など、いわゆる強いストレスがかかっている状態にあると発症しやすくなります。また、神経生物学的要因や身体的要因、遺伝子的要因が関係していると言われています。
編集部
うつ病の治療方法についても教えてください。
甘中さん
うつ病の治療では、主に休息、薬物療法、環境調整をおこないます。まずは十分な休息をとり、こころと身体を回復させていきます。その際に、抑うつ気分に効く薬や、睡眠を改善してくれる薬を使って回復を後押しさせます。また、回復しても前と同じ環境になれば再発する可能性があるので、職場や人間関係など変えられる環境は変えるような働きかけが重要になってきます。治療を進めていく中で不安や疑問を感じた際には、主治医に相談しましょう。
※この記事はMedical DOCにて【うつ病の人は顔つきが変わる? うつ病の人の特徴や気づくサインを公認心理師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。