「玄米」は本当に体に良いの? 玄米を食べるメリット・デメリットを管理栄養士が解説
食物繊維やビタミンが豊富なことから、健康のために白米の代わりに食べる人もいる「玄米」。しかし、調べてみると「玄米は健康に良くない」という情報も散見されます。一体、どちらが正しいのでしょうか。管理栄養士の片村さんに真偽を取材しました。
※この記事はMedical DOCにて【玄米の健康効果を管理栄養士が解説 おすすめの食べ方は?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修管理栄養士:
片村 優美(管理栄養士)
編集部
玄米を食べることで身体にはどのようなメリットがありますか?
片村さん
玄米には食物繊維が多く含まれているので、便通改善効果が期待できます。便秘気味の人にはおすすめの食品といえます。また、便秘の人が肌荒れを起こしやすいのは腸内細菌のバランスが良くないことも一因とされています。吹き出物で悩んでいる人は便秘が改善されることで肌が落ち着く可能性もありますよ。
編集部
食物繊維の働きには便通改善以外にもあるのでしょうか?
片村さん
食物繊維の働きは、便通以外にも血糖値の上昇を抑える、血中のコレステロールの濃度を低下させるなどが挙げられます。これらの生理作用は、生活習慣病の予防にも役立つものです。日本人は慢性的に食物繊維が不足しています。野菜や果物からだけでは、なかなか満たすことができないので、主食を白米から玄米に変えるという方法は食物繊維の摂取量アップに貢献できます。
編集部
玄米に多いビタミンB1や鉄にはどのような働きがありますか?
片村さん
ビタミンB1は、糖質やたんぱく質をエネルギーに換える働きをサポートする栄養素です。ビタミンB1が不足すると神経炎や脳組織の障害が表れることがあり、脚気(かっけ)やウェルニッケ・コルサコフ症候群の原因となります。鉄は赤血球のヘモグロビンに含まれ、ヘモグロビンは全身へ酸素を運んでいます。鉄が不足すると酸素を十分に届けられなくなり、貧血の症状として集中力の低下や食欲不振、頭痛などの症状が起こることもあります。
編集部
それでは反対に、玄米のデメリットはあるのでしょうか?
片村さん
栄養的な面ではメリットが多いので申し分ありませんが、気に掛けておくとすれば白米よりも消化されづらいという性質があることですね。胃腸が弱い人や消化機能が低下している人は食べ方に気をつける必要があるでしょう。高齢者の食事や乳幼児食では注意が必要です。玄米は分付きを調整できるので、食べやすい状態に精米していただきましょう。