目薬で「老眼」が治せる時代に!? アメリカで承認された目薬「VUITY」の効果を解説!
老眼に対して治療効果のある目薬がアメリカで承認されたことをご存じですか? 今回は、老眼の目薬「VUITY」の効果について「薬剤師」の宮本さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【「老眼に効く目薬」について薬剤師が解説 米国で承認された目薬の効果と注意点】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修薬剤師:
宮本 知明(薬剤師)
編集部
アメリカで承認されたという老眼に効果的な目薬について、詳しく教えてください。
宮本さん
2021年10月にアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認された「VUITY」という点眼薬です。VUITYには有効成分としてピロカルピンが1.25%の濃度で配合されています。
編集部
ピロカルピンってどのような成分なのですか?
宮本さん
ピロカルピンは新しい成分ではなく、経口薬としてシェーグレン症候群の治療薬や点眼薬、緑内障の治療薬として用いられてきました。老眼に用いられる場合には、ピロカルピンが瞳孔括約筋と呼ばれる光の量を調節する筋肉を収縮させ、瞳孔を小さくすることで、ピントが合いやすくなると考えられています。
編集部
老眼に効果ある根拠はあるのでしょうか?
宮本さん
老眼に関するピロカルピンを用いた臨床研究として「GEMINI1」と呼ばれる有効性と安全性を試験したものがあります。それによれば、40~55歳で老眼を患っている被験者に、点眼薬のピロカルピン1.25%を含むグループと含まないグループで比較しました。その結果、「近距離視力の改善がみられた人の割合は、ピロカルピンを点眼したグループの方が22.6%多い」という結果になりました。
編集部
ほかにも報告がありましたら教えてください。
宮本さん
その他、「GEMINI2」という研究もあり、「GEMINI1」とほぼ同じ方法で研究がおこなわれていました。こちらもピロカルピンを点眼したグループで改善効果があったと記載がされています。また点眼後15分で効果が発現し、その有効性は最大で6時間ほど持続することが分かりました。