【動画付き】老眼は手術で対策できるってホント?

公開日:2021/08/25  更新日:2021/08/27
【動画付き】老眼は手術で対策できるってホント?

レンズに相当する水晶体が、老化によって硬く変性してしまった「老眼」。それを手術で治そうとしたら、どのような方法があるのでしょう。そもそも老眼の治療は可能なのでしょうか。もし可能だとしたら、その目処やタイミングはいかに。治療できない場合、どのような対策を講じることができるのか。詳しいお話を、「医療法人社団ライト」理事長の荒井先生に伺いました。

荒井宏幸先生

監修医師
荒井 宏幸(医療法人社団ライト 理事長)

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防衛医科大学校卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院などで近視矯正手術・白内障手術を中心に診療経験を積んだ後、2010年に現職の「医療法人社団ライト」理事長に就任。医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医。みなとみらいアイクリニック主任執刀医、クイーンズアイクリニック院長、防衛医科大学校非常勤講師。自身もレーシック手術を受けている。講演・出演・著書など多数。

裸眼での生活をどこまで望むか

裸眼での生活をどこまで望むか

編集部編集部

老眼って、手術で治せるのでしょうか?

荒井宏幸先生荒井先生

結論から言うと、老化によって衰えてしまった目の機能を元に戻すことはできません。ただし、生活がしやすいように、目の焦点距離を変えることはできます。具体的な方法は一般的に2種類あり、人工レンズを目のレンズに置き換える「眼内レンズ手術」と、レーザーで目のレンズの焦点距離を変える「レーシック手術」です。

編集部編集部

そうなんですね。そこまで困っていなければ、老眼鏡でも充分という気がします。

荒井宏幸先生荒井先生

結局のところ、ご本人が「裸眼による生活をしたい」と望まれているかどうかですよね。40代の半ばになれば、多かれ少なかれ、どなたにも「医学的な老眼」は訪れます。問題はそこから先で、なんの不自由も感じない人が老眼を治す必要はないでしょう。

編集部編集部

手術が怖い場合は、老眼鏡やコンタクトレンズをせざるを得ないですか?

荒井宏幸先生荒井先生

手術以外での治療方法となると、そうなりますね。私自身もレーシック手術を経験しているので、怖い気持ちは理解できます。ただし、怖さを乗り越えると、相当に快適な生活が送れます。また、院内には同じ思いで手術を待っている患者さんもいますから、力づけられるのではないでしょうか。

編集部編集部

見え方が激変するということはないのですか?

荒井宏幸先生荒井先生

あり得ますね。考え方の1つで、目の状態によりますが、片目だけを施術するということも検討してみましょう。つまり、「今まで通りの見え方がする目」と「見づらかった距離が見られる目」の両方をもつということです。この状況は、手術前にコンタクトレンズを装着することで疑似体験できます。「便利だな」と感じれば手術に進んでいただいて、「厄介だな」と感じればほかの手段を検討しましょう。

眼内レンズ手術での対応

眼内レンズ手術での対応

編集部編集部

治療の詳細を教えてください。まず、眼内レンズ手術はどうでしょうか?

荒井宏幸先生荒井先生

当院比で、老眼の手術治療を受ける方の9割以上が、最終的に選ばれる治療方法です。人工の眼内レンズは、硬くなった水晶体を取った部分に埋め込みます。このことにより、老眼のさらなる進行も防げ、半永久的な効果が望めるでしょう。加えて、将来、白内障になることもありません。

編集部編集部

見え方や焦点距離が固定されてしまいそうですが?

荒井宏幸先生荒井先生

保険適用の「単焦点眼内レンズ」だとそうなりますが、自費の「多焦点眼内レンズ」なら、近くと遠くの両方が見えるでしょう。なお、昨今の「多焦点眼内レンズ」は、かなり改良されてきて、かつてあったようなちらつきやコントラストの低下が抑えられてきています。

編集部編集部

「多焦点眼内レンズは自費」という点が気になります。

荒井宏幸先生荒井先生

残念ながら日本の保険制度が費用負担してくれるのは、「単焦点眼内レンズ」までです。そうなると、白内障治療は別として、老眼による見え方の問題が解消されませんよね。遠くは見られるけど近くは見えない、あるいはその逆のパターンが残ります。ですから、裸眼での生活を希望される場合には、自費の多焦点眼内レンズに落ち着くということなのでしょう。

レーシック手術での対応

レーシック手術での対応

編集部編集部

今度は、レーシック手術について解説お願いします。

荒井宏幸先生荒井先生

先ほど説明したとおり、レーザーで目のレンズの焦点距離を変える方法がレーシック手術ですが、当院では両目それぞれを異なった焦点距離に合わせる、「モノビジョンレーシック」のご提供が可能です。デメリットとしては、時系列的な変化に対応できないことでしょうか。将来的な老眼の進行や白内障に対しては、また別の治療が必要になります。術後の10年間くらいなら、十分な効果が感じられるでしょう。

編集部編集部

片方の目だけですか? それとも両目なのですか?

荒井宏幸先生荒井先生

ケース・バイ・ケースですね。遠視や近視の状態に加え、患者さんの望む見え方によって、片方の目だけか両目かを決めていきます。両目の場合でも、それぞれの焦点距離を変えることに変わりはありません。

編集部編集部

どの焦点距離に合わせるか、思案のしどころですね?

荒井宏幸先生荒井先生

その点については、先述した「コンタクトレンズによる疑似体験ができること」が大きなメリットだと思います。「中-遠」なのか「近-中」なのか、目の検査から得られた提案と患者さんのご要望をすり合わせていきましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

荒井宏幸先生荒井先生

将来的な白内障リスクも踏まえ、半永久的な対策を希望されるとしたら、眼内レンズ手術が第一選択肢です。他方、目の中の手術には抵抗があり、10年前後でもいいから裸眼で過ごしたいのなら、モノビジョンレーシックでしょうか。迷うようなことがあったら、いつでも遠慮なくご相談ください。

編集部まとめ

まずは、「治療が必要なほど老眼が進んでいるか」を自問してみましょう。そのうえで、目の中へレンズを入れることに抵抗がなければ、多焦点眼内レンズによる眼内レンズ手術になりそうです。短期間の効果でも、より低侵襲な治療を望むなら、モノビジョンレーシックを検討してみましょう。この場合、両目による見え方の違いは、事前に疑似体験することができます。

医院情報

医療法人社団ライト みなとみらいアイクリニック

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所在地 〒220-6208 横浜市西区みなとみらい2-3-5 クイーンズタワーC8F
アクセス みなとみらい線「みなとみらい駅」 徒歩1分
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診療科目 眼科