【糖尿病】正しい“フットケア”で「足の切断」を防ごう!
糖尿病は進行していくと「足病変」を引き起こすことがあります。血行不良や神経障害、感染への抵抗力低下により、足を切断しなければならない可能性もあります。足の切断を防ぐには、日常生活でご自分の足を気にかけて、ケアすることが重要です。今回はフットケアの方法について、フットケアの研修を受けた看護師の嶋谷さんに伺いました。
監修看護師:
嶋谷 裕美(看護師)
編集部
糖尿病患者がフットケアをする際、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?
嶋谷さん
糖尿病の病歴が長い高齢の方には、腰痛があったり体が硬かったりして腰を曲げられず、足の手入れがうまくできないという方もいらっしゃいます。このため、定期的に入浴をしていても、実は足を十分に洗えていない場合もあります。十分に洗えていないかかとの角質が肥厚してひび割れて傷になり、出血した傷口から感染を起こす恐れもあります。
編集部
体が硬くて足先まで手入れができない場合はどうすれば良いでしょう?
嶋谷さん
体の硬い方は、フットブラシなど床に置いて足をこすれる道具などを利用するといいでしょう。また、ほかの人に手伝ってもらうこともいいですね。高齢で介護認定を受けている方は、受けている介護サービスの範囲内(デイサービスでの入浴など)で保清のケアをしてもらえるでしょう。</p>
編集部
網膜症があって自分の足がよく見えないのですが、どうすれば良いでしょうか?
嶋谷さん
糖尿病の合併症である網膜症の方や、高齢のため白内障にかかっている方は、視力が低下して自分の足が十分に観察できないこともあります。このような場合は、見えていない状態で爪切りをすると大変危険です。周囲の家族や医療スタッフなどによく見えていないことを伝え、定期的に足を観察してもらいましょう。