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「前頭側頭型認知症」を発症すると”どんな性格”に変化する?初期症状も医師が解説!

 公開日:2026/04/07
「前頭側頭型認知症」を発症すると”どんな性格”に変化する?初期症状も医師が解説!

前頭側頭型認知症に特有の症状とは?メディカルドック監修医が、脱抑制や常同行動といった特徴的な行動変化から、食行動の異常などの初期サインを詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「前頭側頭型認知症の原因」はご存知ですか?初期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

神宮 隆臣

監修医師
神宮 隆臣(医師)

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熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す

「前頭側頭型認知症」とは?

前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)は、感情の抑制が効かなくなったり、社会の規則を守れなかったりといった行動が目立つ認知症です。
この認知症は、脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性・脱落し、萎縮する前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FLTD) が原因となります。
FLTDは臨床症状によって、行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症(SD)、進行性非流暢性失語症(PNFA)の3つに分類されています。一般的に前頭側頭型認知症は、これらの3つを包括した診断名として用いられています。
日本では、bvFTDとSDが指定難病に組み入れられています。

前頭側頭型認知症の主な症状や特徴

前頭側頭型認知症の中でも、ここでは最も多いとされる行動障害前頭側頭型認知症(bvFTD)の症状についてご紹介します。

行動の抑制が効かなくなる

脱抑制と呼ばれる状態です。病気の早期段階から現れることが多いです、万引きや盗食など社会的に不適切な行動や、礼儀・マナーの欠如、衝動的で分別にかけた行動などがみられます。こうした行動をとっていても、患者本人に悪気はありません。
身近な方に対して、「最近性格が変わった」と感じる場合、前頭側頭型認知症の可能性もあります。早めに脳神経内科専門医に相談してみましょう。

共感や感情移入ができなくなる

他人からの要求や、向けられる感情に対しての反応が欠如するようになります。
また、社会的な興味や他者との交流に興味がなくなったり、人間的な温かみが低下したりするなどの性格変化が現れます。

一つのことに固執し同じことを繰り返す

常同行動と呼ばれる状態です。前頭側頭型認知症とアルツハイマー型認知症との違いとしても、重要な症状です。日常生活の中では、1日中同じコースを数kmも歩き続ける、決まった食品や料理ばかりにこだわるといったことがあります。柔軟性がなくなったと感じることが増えます。

前頭側頭型認知症の前兆となる初期症状

脱抑制や常同行動のほか、以下のような症状も初期症状として認められる場合があります。

食行動の異常

前頭症の障害によって、食欲の亢進による過食、甘いものや濃い味付けに好みが変化するといった症状が病気の初期段階からみられます。過食や偏食が続くと、体重増加や糖尿病などのリスク上昇にもつながるといった問題があります。

自発性の低下

自発性の低下は、前頭側頭型認知症の初期から認められます。常同行動や落ち着きのなさと共にみられることが多いです。自分や周囲のことに対して無関心になる、無気力になるといった症状が現れます。また、前頭側頭型認知症の方では、他人からの質問に対して真剣に考えずすぐ「わかりません」と答えることがあります。この背景にも、自発性の低下があると想定されています。

外部刺激に対して反射的に反応しやすくなる

医学的には、「被影響性の亢進」とも呼ばれる状態です。外部からの刺激に対して反射的に反応しやすくなり、周囲の影響を受けやすくなる状態です。例えば、周囲の刺激に衝動的に反応し、他者の行動や言葉を無意識に真似る、特定の言葉やフレーズを繰り返し発するなどの症状が現れます。

「前頭側頭型認知症の原因」についてよくある質問

ここまで前頭側頭型認知症の原因などを紹介しました。ここでは「前頭側頭型認知症の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

前頭側頭型認知症を発症すると怒りやすくなったり、性格が変わったりすることはありますか?

神宮 隆臣神宮 隆臣 医師

はい。前頭側頭型認知症の方では、感情の抑制が効かなくなる、などの性格変化が初期の段階からみられることがあります。

編集部まとめ

今回の記事では、前頭側頭型認知症の症状や原因などについて解説しました。
前頭側頭型認知症は、早期発見・早期対応によって、家族や本人の生活の質を守ることが可能です。性格が変わった、と同じことばかりしている、など、家族など身近な方に対して「いつもと違う」と感じた場合には、迷わず脳神経内科や精神科などの認知症専門医に相談しましょう。

「前頭側頭型認知症」と関連する病気

「前頭側頭型認知症」と関連する病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

精神疾患系の病気

脳神経内科の病気

内分泌科の病気

婦人科の病気

前頭側頭型認知症は単独で発症することもありますが、他の神経疾患や精神疾患と併発するケースが見られます。特に脳血管障害や甲状腺機能の異常が影響を及ぼすことがあり、全身の健康管理が重要です。

「前頭側頭型認知症」と関連する症状

「前頭側頭型認知症」と関連している、似ている症状は14個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 感情の平坦化
  • 無関心・無気力
  • 衝動的な行動
  • 言葉が少なくなる(失語)
  • 反復行動(同じ言動を繰り返す)
  • 共感力の低下
  • 社会的ルールの無視
  • 過食や過剰な買い物などの抑制障害
  • 注意力の低下
  • 自発性の欠如
  • 思考の柔軟性の低下
  • 動作が遅くなる
  • 記憶力の保持(物忘れが目立たない)
  • 自己中心的な言動

これらの症状は前頭側頭型認知症で出現するものですが、他の認知症や精神疾患でも類似した症状が見られることがあります。

この記事の監修医師

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