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40歳から発症する「前頭側頭型認知症」の症状は”物忘れ”ではない?原因も医師が解説!

 公開日:2026/04/06
40歳から発症する「前頭側頭型認知症」の症状は”物忘れ”ではない?原因も医師が解説!

前頭側頭型認知症の原因とは?メディカルドック監修医が、一般的な認知症との違いや、脳内の異常蛋白質の蓄積、特定部位の萎縮といった発症の仕組みを詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「前頭側頭型認知症の原因」はご存知ですか?初期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

神宮 隆臣

監修医師
神宮 隆臣(医師)

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熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す

「前頭側頭型認知症」とは?

前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)は、感情の抑制が効かなくなったり、社会の規則を守れなかったりといった行動が目立つ認知症です。
この認知症は、脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性・脱落し、萎縮する前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FLTD) が原因となります。
FLTDは臨床症状によって、行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)、意味性認知症(SD)、進行性非流暢性失語症(PNFA)の3つに分類されています。一般的に前頭側頭型認知症は、これらの3つを包括した診断名として用いられています。
日本では、bvFTDとSDが指定難病に組み入れられています。

「前頭側頭認知症」と「認知症」の違い

認知症とは、進行性の脳の疾患が原因となり、思考や記憶、見当識、理解、計算、学習、言語、判断などの多くの機能が障害される症候群です。そして、認知機能が損なわれることで日常生活に支障が出ている場合、認知症と診断されます。
認知症にはさまざまなタイプがあり、中でもアルツハイマー型認知症が最も多いとされています。次いで、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症となります。
つまり、前頭側頭型認知症は、認知症の一種ということになります。

最多のタイプのアルツハイマー型認知症と比べると、前頭側頭型認知症には以下のような特徴があります。
・65歳よりも若い方の発症が多いこと(40〜64歳が主)
・物忘れではなく行動や言語、性格変化などの症状が先立つこと

物忘れの症状が目立たないことから、前頭側頭型認知症は認知症の中でも診断が遅くなってしまいます。さらに、社会的な問題行動が多くなったりする場合があります。

前頭側頭型認知症の主な原因

前頭側頭型認知症がなぜ起こるのかは完全には明らかにはなっていません。今のところ、下記のような要因が、病気を引き起こす要因となっているのではないかと考えられています。

脳内への異常な蛋白質の蓄積

前頭側頭型認知症の方の脳を実際に調べた研究によって、神経細胞やグリア細胞に異常な蛋白質が溜まってしまうことが知られています。例えば、タウ蛋白、TAR DNA-binding protein of 43kD(TDP-43)蛋白、fused in sarcoma(FUS)蛋白といった蛋白質が挙げられます。
タウ蛋白の異常蓄積によって発症すると考えられている病気は、タウオパチーと呼ばれています。FLTDでタウオパチーを認めるものはFLTD-tauと呼称されています。前頭側頭型認知症だけでなく、Pick病や大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺といった他の病気の症状を示すこともあります。このように、実際には、病理診断(組織所見)と、症状から診断される病名(臨床病型)が一致しないことも多いです。原因遺伝子の変異も複数関与するため、診断には専門的な評価が必要です。

前頭葉や側頭葉の萎縮

前頭側頭型認知症の方は、CT・MRI検査で、脳の前頭葉や側頭葉の萎縮が示されます。萎縮した部位に一致して、血流や代謝の低下も認められます。
FLTDは病的蛋白質の蓄積が背景となっています。こうした蛋白質の蓄積部位と、画像上での脳萎縮部位が一致しているのかどうかの推定には限界があります。一方、研究段階の高感度蛋白質PETという検査で病的なタウを可視化できるようになりつつあります。今後の研究開発が待たれるところとなっています。

家族歴

アメリカやヨーロッパでは、FTLDの30〜50%に家族歴が認められます。一方、日本ではほとんど認められません。家族性の場合、tau遺伝子、TARDBP遺伝子、FUS遺伝子、progranulin遺伝子などに変異が見つかっています。家族歴の関与が少ない日本でも遺伝子異常が見つかることもありますので、家族歴には注意をしましょう。

「前頭側頭型認知症の原因」についてよくある質問

ここまで前頭側頭型認知症の原因などを紹介しました。ここでは「前頭側頭型認知症の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

前頭側頭型認知症を発症すると怒りやすくなったり、性格が変わったりすることはありますか?

神宮 隆臣神宮 隆臣 医師

はい。前頭側頭型認知症の方では、感情の抑制が効かなくなる、などの性格変化が初期の段階からみられることがあります。

編集部まとめ

今回の記事では、前頭側頭型認知症の症状や原因などについて解説しました。
前頭側頭型認知症は、早期発見・早期対応によって、家族や本人の生活の質を守ることが可能です。性格が変わった、と同じことばかりしている、など、家族など身近な方に対して「いつもと違う」と感じた場合には、迷わず脳神経内科や精神科などの認知症専門医に相談しましょう。

「前頭側頭型認知症」と関連する病気

「前頭側頭型認知症」と関連する病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

精神疾患系の病気

脳神経内科の病気

内分泌科の病気

婦人科の病気

前頭側頭型認知症は単独で発症することもありますが、他の神経疾患や精神疾患と併発するケースが見られます。特に脳血管障害や甲状腺機能の異常が影響を及ぼすことがあり、全身の健康管理が重要です。

「前頭側頭型認知症」と関連する症状

「前頭側頭型認知症」と関連している、似ている症状は14個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 感情の平坦化
  • 無関心・無気力
  • 衝動的な行動
  • 言葉が少なくなる(失語)
  • 反復行動(同じ言動を繰り返す)
  • 共感力の低下
  • 社会的ルールの無視
  • 過食や過剰な買い物などの抑制障害
  • 注意力の低下
  • 自発性の欠如
  • 思考の柔軟性の低下
  • 動作が遅くなる
  • 記憶力の保持(物忘れが目立たない)
  • 自己中心的な言動

これらの症状は前頭側頭型認知症で出現するものですが、他の認知症や精神疾患でも類似した症状が見られることがあります。

この記事の監修医師

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