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「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の寿命」はご存知ですか?寝たきりになるまでの期間も解説!

 公開日:2026/04/09
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の平均寿命

ALS(筋萎縮性側索硬化症の余命とは?Medical DOC監修医がALS(筋萎縮性側索硬化症の余命・末期症状などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の寿命」はご存知ですか?寝たきりになるまでの期間も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

神宮 隆臣

監修医師
神宮 隆臣(医師)

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熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」とは?

ALS(筋萎縮側索硬化症)は、運動をつかさどる上位・下位運動ニューロンの両者が変性してしまうことで、徐々に筋肉が萎縮してしまう病気です。上位運動ニューロンとは、大脳皮質の運動野から始まり脳幹を通り、運動の指令を下位運動ニューロンに情報を伝える神経細胞です。この上位運動ニューロンが脊髄を通る場所が側索です。下位運動ニューロンは、上位運動ニューロンからの指令を受け取り、筋肉に信号を送って実際に身体を動かす役割を担っています。
ALSの症状には、運動情報を手足が動かしづらくなる、ろれつが回らなくなる、あるいは飲み込みづらくなるといったものがあります。
今回の記事では、ALSの症状や予後、治療、家族の方が知っておくべきことなどについて解説します。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の平均寿命

ALSは、今のところは、完治が難しい病気です。
ALSの患者さんにおいては、人工呼吸器などの補助換気療法を行わないと、2〜5年で死亡することが多いとされています。
また、発症から死亡するまでの平均期間は約3.5年とも言われているものの、正確な調査は現時点ではなく、個人差が大きいとされています。
発症後1年以内に呼吸不全になってしまう患者さんがいる一方で、換気補助療法なしに10年以上生存する例も1割以上あるといわれています。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の末期症状

​​ALSの経過は個人差が大きいのですが、最終的には以下のような症状を呈することが多いです。

身体を動かすことが難しくなる

ALSは最初に症状が現れる部位からいくつかに分類されています。手足のいずれかの筋肉の萎縮と筋力低下から始まる脊髄発症型(古典型)は最も頻度が高いとされています。その他、言葉を発しづらくなったり飲み込みづらくなったりする症状が初発となる球麻痺型(進行性球麻痺)もあります 。
いずれのタイプでも、ALSの病気が進行すると、全身の筋肉の筋力低下や筋肉の萎縮がみられるようになり、自分で身体を動かすことが困難となります。そして、身の回りの動作や日常生活動作の自立が難しくなってきます。 最終的には寝たきりとなり、家族や介護スタッフなどのケアが不可欠になります。

言葉を発することが難しくなる

ALSが進行すると球麻痺症状も強く現れるようになります。
球麻痺とは、延髄から出ている脳神経(舌咽・迷走・舌下神経)の障害による運動麻痺のことです。嚥下障害と構音障害が中心となります。言葉を発することが難しくなることや、運動障害もあり書字も難しくなるため、言語以外のコミュニケーションの方法が必要となります。こちらは後述しています。。

食べ物や水分を飲み込みづらくなる

球麻痺症状によって、食べ物や水分を飲み込みづらくなる嚥下障害が強くなってきます。すると、栄養障害や誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。嚥下訓練を行い、誤嚥の防止を図ることが必要となります。また、食事の形態を変更し、むせにくいようとろみをつけたり、ペースト状にしたりするなどの工夫もあります。誤嚥性肺炎を予防するためには、口の中を清潔に保つことも大切です。日頃から歯磨きなどのケアを怠らないようにしましょう。最終的には口から食事をとることが難しくなります。食事がとれないと、だんだん衰弱してしまいます。対処法としては、経鼻胃管や胃ろうなどによる栄養療法の導入も検討されます。 食事は栄養面でなく、食べる楽しみという側面もあります。最終的に食事がとれなくなる前に、栄養面のサポートをどこまで行うかを患者さん本人やご家族、主治医とみんなで相談しておきましょう。

呼吸が十分にできなくなる

ALSが進行すると、呼吸筋の麻痺も進みます。すると、呼吸がうまくできなくなり、呼吸不全が生じるようになります。
十分に空気を取り込めず、最終的には命に関わる状態です。酸素マスクなどによる酸素投与で対処できるうちはよいですが、次第に進行します。重度の呼吸不全を来した場合には、人工呼吸器などの補助換気療法が必要になります。しかし、不可逆的な変化であり、その後は気管切開が必要になることがほとんどです。人工呼吸器装着によって、生存期間が大幅に延長するとされています。こちらも、飲み込めない症状と同様に、早めにどこまで補助換気療法を行うか決めておきましょう。十分に患者さん本人や家族、主治医と相談しましょう。補助換気療法を行っても、低体温、不安定な血圧、高血糖、感染症などの合併症にも注意が必要です。

コミュニケーションが難しくなる

球麻痺による構音障害や筋力低下、筋萎縮によって、発語、書字なども次第に困難になります。通常のコミュニケーションが取れなくなっても、残された筋力や目の動き、口の動きなどでコミュニケーションをとる方法が考えられています。拡大・代替コミュニケーション(augmentative and alternative communication:AAC)といわれています。IT機器を使わない古典的なAACには、口文字や瞬き、コミュニケーションボード、透明文字盤などがあります。簡便で一般的な病院や家庭でも準備しやすいものです。一方、IT機器を活用するAACとして、PCやタブレットを利用して、視線や口の動きで操作方法や、脳波や脳血流量の変動などを電気的信号に変換する、生体現象型のものもあります。
ALSと診断された後、運動機能や音声言語機能を失う前からコミュニケーション機器を導入することが大切です。

「ALSの寿命」についてよくある質問

ここまでALSの寿命などを紹介しました。ここでは「ALSの寿命」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ALSを発症してから寝たきりになってしまうまで、どれくらいなのでしょうか?

神宮 隆臣神宮 隆臣 医師

ALSの進行のスピードは、患者さんごとに異なるため一概には言えません。しかし、一般的には症状の進行に伴い、次第に手足や体幹、呼吸器筋なども障害を受け、2〜3年で寝たきりとなることが多いと考えられます。

編集部まとめ

今回の記事では、ALSの寿命や治療法などについて解説しました。
ALSは現時点では根本的な治療法はなく、薬物療法などによって症状の進行を抑えていくことになります。そして、多くの場合、在宅での療養が選択されます。今回の記事を参考にして、さまざまな社会的支援も得ながら生活を続けていくことが大切です。

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と関連する病気

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と関連する病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経内科の病気

  • 重症筋無力症(MG)
  • 多発性硬化症(MS)
  • 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)
  • 多巣性運動ニューロパチー(MMN)
  • 封入体筋炎

呼吸器内科の病気

循環器内科の病気

整形外科の病気

  • 頸椎症性脊髄症

ALSに似た症状を呈する可能性がある病気や、関連する病気を挙げました。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と関連する症状

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 筋肉が痩せる
  • 筋肉がぴくつく
  • 話しにくい
  • 息切れしやすい
  • 飲み込みづらい

ALSは、発症しても早期には特徴的な症状が現れていない場合もあります。何かいつもと違う症状を感じた場合は、医療機関に一度相談しましょう。

この記事の監修医師

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