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「脳梗塞の原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 更新日:2024/10/30

脳梗塞の原因とは?Medical DOC監修医が脳梗塞の原因・初期症状・発症しやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「脳梗塞の原因」はご存知ですか?初期症状・なりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 雅道

監修医師
上田 雅道(あたまと内科のうえだクリニック)

プロフィールをもっと見る
愛知県立一宮高等学校卒業
福島県立医科大学医学部卒業
名古屋掖済会病院 脳神経内科 医員
豊橋市民病院 脳神経内科 医員
名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学
中部ろうさい病院 神経内科 医長

「脳梗塞」とは?

脳梗塞は血管がつまることで脳に血液が流れにくくなり、脳の障害によりさまざまな症状が出る病気です。脳梗塞によって、急にろれつが回らない、話しにくい、手足が動きにくい、ふらつく、しびれるといった症状が出ることがあります。
脳梗塞であればすぐに治療を始める必要があるため、ろれつが回らない、話にくい、手足を動かしにくい、ふらつく、しびれるといった症状が急に出た場合は、すぐに病院を受診してください。

脳梗塞の主な原因

脳梗塞の主な原因には高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症など)、喫煙、大量飲酒、心臓疾患(不整脈など)があります。これらが原因で血管が詰まり、脳梗塞が起こります。
脳梗塞は血管がつまる原因から、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症、その他の脳梗塞に分類されます。
高血圧、糖尿病、脂質異常症などが主な原因となって、比較的太い血管が動脈硬化を起こしてつまってしまう脳梗塞をアテローム血栓性脳梗塞といい、細い血管がつまってしまう脳梗塞をラクナ梗塞といいます。ラクナ梗塞は高血圧の影響が大きく、アテローム血栓性脳塞栓症は高血圧だけでなく糖尿病、脂質異常症なども合わさって影響してします。心臓疾患が原因で血栓という血液のかたまりが血管につまることで起こる脳梗塞を心原性脳塞栓症といいます。

高血圧

血圧の値のうち、上の血圧が140mmHg以上、または下の血圧が90mmHg以上、あるいはこれら両方を満たす場合に高血圧となります。高血圧の原因は多くありますが、日本人の高血圧のうち90%は塩分の過剰摂取、肥満、体質などさまざまなことが組み合わさって起こります。
高血圧は、ほとんどの人に症状がありません。しかし、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓の働きが悪くなることもあり注意が必要です。早朝の頭痛、夜の頻尿やめまい、足の冷えなどを感じるときは、高血圧によって臓器が痛み始めていることがあるので注意が必要です。
高血圧は自覚症状がないことが多いので、自分の血圧が高いことに気がついていない人が多いです。健康診断で高血圧を指摘されてもそのまま放置してしまう人も少なくありません。しかし、高血圧を治療しないことで動脈硬化が進み、脳梗塞になってしまうこともあります。高血圧に気がついたときはかかりつけ医に相談してください。内科、循環器内科への受診がおすすめです。

糖尿病

糖尿病はインスリンが不足したり、働きがわるくなることによって血液中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎた状態が長く続く病気です。インスリンには糖を血液から細胞に運ぶ働きがあり、血糖値を下げてくれます。
血糖が高い状態が長く続くと、血管がもろくなり、さまざまな障害が出てきます。脳梗塞もそのひとつです。
糖尿病の多くは2型糖尿病と呼ばれ、遺伝要因と、過食(高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境要因が加わって起こります。
糖尿病は初期や軽度の場合、自覚症状はなく、健康診断で見つかることが多いです。進行してくると口が渇く、水分を多く飲む、尿が多くなる、体重がへる、疲れやすくなるといった症状が出てきます。かかりつけ医や内科、糖尿病内科への受診がおすすめです。

脂質異常症

脂質異常症はLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が高い、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い、中性脂肪が高い状態のいずれかを満たす場合であり、動脈硬化の原因となります。
脂質異常症で自覚症状が出ることはあまりありませんが、健康診断で見つかることがあります。LDLコレステロールが高い場合、黄色腫といって、皮膚よりも明るい黄色のできものがあることがあり、まぶたに多く見られます。健康診断でコレステロールや中性脂肪の異常を指摘されたり、黄色腫がある場合は、かかりつけ医、または内科で相談してみてください。

心臓疾患

心臓が原因で脳梗塞になることがあります。
心房細動という不整脈は脳梗塞の原因になりやすく注意が必要です。心房細動は脈拍が不規則になる不整脈で、動悸や胸痛といった症状が出ることがありますが、症状がないこともあり健康診断などで偶然に見つかることもあります。脳梗塞の予防のため治療が必要になることが多いので、動悸や胸痛といった症状があったり、健康診断で指摘された場合はかかりつけ医や循環器内科で相談してみてください。

「脳梗塞の原因」についてよくある質問

ここまで脳梗塞の原因などを紹介しました。ここでは「脳梗塞の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳梗塞を発症しやすい人の性格について教えてください。

上田 雅道上田 雅道 医師

脳梗塞の大きなリスクである動脈硬化につながる生活習慣、例えば喫煙やアルコールへの依存、ストレスをためやすい、生活が不規則、といった人はリスクが高いといえます。

10代や20代で脳梗塞を発症する原因はどんなことが考えられますか?

上田 雅道上田 雅道 医師

10代や20代で脳梗塞を発症することは少ないですが、その原因としては脳血管の奇形、血管の炎症、血液疾患などです。他には10代や20代に多い片頭痛の一部は脳梗塞のリスクになることがあります。

ストレスが原因で脳梗塞を発症することはありますか?

上田 雅道上田 雅道 医師

ストレスによって食べすぎによる肥満、生活が不規則になるなど、生活習慣病につながることがあるのでストレスを発散することは必要です。適度な運動はよい習慣だと思います。友人や家族と楽しい時間を過ごすなど、自分なりのストレス解消を心がけましょう。

編集部まとめ

脳梗塞の原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などたくさんあります。脳梗塞は生活習慣病が関係していることが多く、中年以降に発症しやすいと言えますが、若いうちから生活習慣病を予防していくことが重要です。食生活の見直し、適度の運動の習慣、禁煙、過度な飲酒を控える、といったことは今日からでも取り組むことができます。若いころからの生活習慣が、脳梗塞だけでなく未来の健康維持に役立つことでしょう。
もし脳梗塞になってしまったら、すぐに治療を受ける必要があります。ろれつが回らない、言葉が出てこない、力が入らない、ふらつく、しびれる、などの症状が急に出た場合はすぐに病院を受診してください。いったん症状がなくなった場合でも、受診することをおすすめします。

「脳梗塞の原因」と関連する病気

「脳梗塞の原因」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

神経系の病気

脳梗塞の主な原因となる病気は決してめずらしいものではなく、身近なものが多いです。誰もがかかわることがあるので、気になることがあればかかりつけ医や内科に相談してください。

「脳梗塞の原因」と関連する症状

「脳梗塞の原因」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • ろれつが回らない、話しにくい
  • 力が入らない
  • しびれる
  • 目が見えにくくなる、視野が欠ける
  • 意識がわるい
  • 急な認知機能の低下

脳が原因で出る症状も脳梗塞以外、例えば、脳出血やてんかんなどが原因であることもあります。まずは原因を調べ、しっかりと治療できるよう病院を受診してください。

この記事の監修医師