アテロームの症状や原因、治療方法とは?
アテローム(読み方:あてろーむ、別名:ふんりゅう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
野中親哉 医師(野中内科クリニック院長)
アテローム(あてろーむ)とは
アテローム(粉瘤・ふんりゅう)とは、アカや皮脂などの老廃物が皮膚の内部にたまることによってできる、良性の腫瘍のことです。
身体のどこにでもできますが、顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。やや盛り上がった数mmから数cmの半球状のしこりで、中央部には小さな穴が開いていて、強く圧迫すると臭くてドロドロした泥状の物質が出てくることがあります。
大動脈炎症候群は、大動脈とその枝部分に炎症が生じて血管が狭くなってしまい、疲れを感じやすくなったりする疾患です。大動脈とは、心臓にほど近い動脈の中でいちばん大きな脈で、4つに分かれている心臓の右下部分、「左心室」から全身へ、血液循環を行う組織です。心臓から全身へと血液を循環させるとても役割の大きい血管に、炎症が起きてしまう疾患です。
血管に炎症が起こることで、身体全体が倦怠感に包まれるような、力が入らない状態に陥ります。
この疾患は、別名「脈なし病」とも言われており、9割以上が女性とされています。さらに15歳~35歳の若年層が罹患するケースがよく報告されています。
監修ドクター:野中親哉 医師 野中内科クリニック院長
アテロームの症状
初期の症状では、皮膚の下にしこりが見られることにとどまり、皮膚表面上には症状が現れないことが多いため、自覚することがほとんどありません。初めは非常に小さい袋ですが、角質や皮脂は袋の外には出ないため、溜まり続けます。それに伴って粉瘤も徐々に大きくなります。
粉瘤の中央の皮膚開口部より細菌が侵入して化膿することがあります。これを炎症(化膿)性粉瘤といい、膿がたまった状態になると、患部は赤く腫れ上がり、痛みを伴います。
症状の初期段階では、身体全体がだるく重いと感じるような倦怠感が出てきます。さらに食欲不振が起こり、それに伴い体重が減少してきます。場合によっては、熱も出てきます。疾患の初めの頃は、身体のだるさなど風邪に近い症状が現れるので、大動脈炎症候群だと自ら気づくことは稀でしょう。
初期段階では風に近い症状を伴いますが、症状が進行してくると、めまいや立ちくらみ、さらには腕のしびれなどが確認されます。失神を起こすこともあります。
大動脈の狭窄が進行した場合、狭心症や高血圧を引き起こすこともあるので、早めの医療機関の受診がたいせつです。
監修ドクター:野中親哉 医師 野中内科クリニック院長
アテロームの原因
粉瘤の原因はいまだにわかっていません。何らかの原因で皮膚の垢が皮膚の内側に蓄積してしまい、角質物質の周りの皮膚が皮膚の下で袋状に発達することで起きます。
まれに外傷が原因になることがあります。
アテロームの検査法
多くの場合、視診で診断可能です。
巨大な場合や病変が深くまで及ぶときなどは、周囲との関係をみるために超音波検査やMRI・CTの検査を要する場合があります。
大動脈炎症候群は、左右両方の血圧を測ることで確認できます。大動脈に狭窄があると、右手と左手の血圧の数値に差が生じるので、その差を確認します。
また、血液検査では炎症反応(CRP・赤沈)が陽性になります。
さらにCT・MRIや血管造影検査では、狭窄が起きている部分が通常の形状と異なっているので、血管の形を比較することで診断できます。
心臓合併症を引き起こしているかの確認もたいせつです。その場合、心エコーや心臓カテーテルを用いて調べていきます。
監修ドクター:野中親哉 医師 野中内科クリニック院長
アテロームの治療方法
強い炎症を伴う場合にはすみやかに切開して、膿を外に出しますが、赤みや痛みを伴わない場合は、外科的に切除する手術をします。
あくまでも良性腫瘍ですので、切除するか、しないかは御本人の自由意志です。
しかし、放っておくと、炎症を起こしたり、非常に大きくなったりするものもあるので、ある程度以上の大きさになったものは切除することが勧められます。
大動脈炎症候群は、大動脈に炎症が起きている状態なので、まずは炎症を抑えることがたいせつです。炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬を服用します。血液検査で判明したCRPや赤沈の数値をみて、炎症をどの程度抑えればいいか、投薬量を加減しながら服用を調整していきます。
炎症が強い場合は、ステロイド薬では聞かない場合が多いので、免疫抑制薬を用いることもあります。ただこれらは副作用が出ることが多いので、状態を観察しながら慎重に調整することになります。
血管の狭窄が進行していて、日常生活に支障をきたす場合は、血管を拡張するための手術を行う必要もあるでしょう。
監修ドクター:野中親哉 医師 野中内科クリニック院長