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精巣腫瘍の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

精巣腫瘍(読み方:せいそうしゅよう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長

精巣腫瘍とは

精巣にある細胞から発生する腫瘍を、精巣腫瘍と呼びます。精巣腫瘍の多く(約95%)は、精母細胞から発生します。精母細胞のように生殖に直接関係のある細胞を生殖細胞あるいは胚(はい)細胞と呼ぶため、精巣腫瘍は胚細胞腫瘍とも呼ばれます。

引用:国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/testis/index.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
精巣の細胞から発生した腫瘍を精巣腫瘍といいます。精巣腫瘍は、約10万人に1人の割合で発症する比較的まれな腫瘍で、発生年齢としては20~30歳がピークです。精巣腫瘍は痛くないことが多く、無痛性精巣腫大が特徴です。精巣腫瘍は比較的早く進行し転移を来すため、早期発見・早期治療が非常に重要です。「病院に行くのが恥ずかしい」、「痛くないから大丈夫」等と言って放置をしていると手遅れになってしまいますので、異変に気が付いたらできるだけ早く泌尿器科医の診断を受けるようにしてください。

精巣腫瘍の症状

精巣腫瘍の主な症状は、片側の精巣の腫(は)れや硬さの変化です。しかし、多くの場合痛みや発熱がないため、かなり進行しないと気付かないことも少なくありません。また、精巣腫瘍は比較的短期間で転移(腫瘍(がん)が離れた臓器に移動して、そこでふえること)を起こすため、転移によって起こる症状によって、もともとの病気である精巣腫瘍が診断されることもあります。転移した部位により症状は異なり、例えば、腹部リンパ節への転移の場合では腹部のしこり・腹痛・腰痛などが、肺への転移の場合では息切れ・咳(せき)・血痰(けったん)などがあげられます。

引用:国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/testis/index.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説
陰嚢の中の精巣が腫れて大きくなってきます。局所に痛みや熱はなく、「無痛性精巣腫大」が精巣腫瘍の特徴です。ただし、精巣腫瘍に炎症が合併した場合には発熱や痛みが出現する事もあります。

精巣腫瘍の原因

病気の原因は不明ですが、停留精巣患者さんでは、精巣固定術施行の有無に関わらず一般男性に比べ3~14倍のリスクを有します、片側の精巣がん患者が、反対側に精巣がんを発生する頻度は同じく20倍以上とされています。その他に、外傷や炎症もがん発生の一因とされています。

引用:がん研有明病院
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/spremary.html

精巣腫瘍の検査法

精巣腫瘍は、経験のある泌尿器科医であれば触診のみで診断がつくことが多いが、精巣内 の腫瘍であることを明らかにするためには、超音波検査が最も有用である。
精巣腫瘍は後腹膜リンパ節や肺に転移しやすく、転移の有無を診断するためには、胸部レ線撮影(CTを含む)や腹部CTなどが必要である。

引用:国立病院機構大阪医療センター
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/seiso.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説

視診・触診:触診で陰嚢内に腫大した精巣を触知します。陰嚢水腫とは異なり腫大した陰嚢にペンライトで光を押し当ても光は透けません。

・超音波検査:精巣内に内部不均一な腫瘍を確認する事で精巣腫瘍の診断が確定します。また。肝臓やリンパ節への転移の有無も確認いたします。

・CT検査:腫瘍のサイズや周辺の臓器への浸潤の有無、肺や肝臓、リンパ節などへの転移の有無も調べます。

・血液検査:精巣腫瘍の腫瘍マーカーであるHCG, AFP, LDHという物質の値を計測します。

・骨シンチグラム:骨への転移が疑われる場合に行います。

精巣腫瘍の治療方法

ステージ1:手術のみ。その後は経過観察(定期的な腫瘍マーカーの採血検査とレントゲン検査) が必要です。またセミノーマの場合は特異的な腫瘍マーカーがないこと、放射線感受性が 高いことにより予防的な放射線治療を勧めることがあります。

ステージ2以上:抗がん剤による化学療法を行います。3週間で1コースの化学療法を 3~4回行います。化学療法を行った後にリンパ節や他の臓器に腫瘍が残存している 場合は手術で摘出し、治療の効果を確認することがあります。

引用:日本大学医学部 泌尿器科
http://www.med.nihon-u.ac.jp/~urology/static_main/disease/disease_007.html

名城 文雄 医師 なしろハルンクリニック院長ドクターの解説

手術(高位精巣摘除術):腫瘍ができている患側の精巣を摘除します。摘出した腫瘍細胞を調べて、がんの種類を確認しその後の治療方針を決定していきます。精巣腫瘍は大きく分けて「セミノーマ」と「非セミノーマ」に分類されます。

手術後はがんの種類、転移の有無、腫瘍マーカーの数値などを見て、追加治療(リンパ節郭清手術、抗がん剤治療、放射線治療)を行うかどうか決定します。

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