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慢性下痢の症状・原因・治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

慢性下痢(読み方:まんせいげり)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
町田 宏 医師(まちだクリニック 院長)

慢性下痢とは

下痢とは、便の水分量が増えて、液状から泥状またはそれに近い状態になったものとされ、慢性下痢の人は約3%とされています。症状が3週間以上続く時には慢性下痢といわれます。下痢は、その病態生理から、浸透圧性(しんとうあつせい)下痢、分泌性下痢、腸管粘膜障害による下痢、腸管運動異常による下痢に分類されます。

引用:大和内科・消化器内科クリニック
http://www.yamatoclinic.com/sick/geri.html

町田宏 医師 まちだクリニック 院長ドクターの解説
慢性下痢とは、さまざまな原因により繰り返し下痢を起こす疾患の総称です。菌やウイルス、ストレスなどの原因により下痢を繰り返すことです。ストレスやウイルスなどで下痢の症状を繰り返している場合もありますが、大きな病気が隠れている場合もあります。

慢性下痢の症状

下痢の程度がひどいと、脱水状態や、ナトリウム・カリウムの不足といった電解質異常をきたします。下痢の原因にもよりますが、貧血、発熱、腹痛、体重減少などを伴うこともあります。

引用:大和内科・消化器内科クリニック
http://www.yamatoclinic.com/sick/geri.html

町田宏 医師 まちだクリニック 院長ドクターの解説
慢性的な下痢(繰り返す下痢)が主な症状です。また、出血により便に血が混じる場合や下痢によって脱水症状を引き起こす場合もあります。

慢性下痢の原因

慢性の下痢の原因として、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)や大腸がんなどの腫瘍、乳糖不耐症、薬剤性の下痢などがあげられます。最近非常に増えてきたのが過敏性腸症候群という病気です。過敏性腸症候群は、腸そのものに異常はないのに腸の動きや分泌機能に異常が出る病気であり、ストレスなど心理的要因も原因の一つとされています。腸に異常があるような病気の場合は、やはり下痢のほかに体重減少や発熱などの症状を伴うことが多いので、鑑別(病気の見分け)に役立ちます。

引用:長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/geri.html

慢性下痢の検査法

慢性の下痢で腸に異常があるような場合は、血液検査に加え腹部CT検査や上下部内視鏡検査など追加の検査を行い、診断を確定します。

引用:長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/geri.html

町田宏 医師 まちだクリニック 院長ドクターの解説
慢性下痢は、ストレスや菌、ウイルスによるものの他に、大腸炎やクローン病、大腸がんなどが原因である場合もあります。腸が狭くなって固形便が通らなくなることによって下痢を起こしている可能性もあります。また、「アルコールに弱くアルコールを摂取すると下痢の症状が現れる」など、体質によって下痢を引き起こしている場合もあります。
検査方法は、まずは大腸の検査をして問題がなければ便の検査をします。便の検査では培養検査で結果が出るまでは4~5日くらいかかります。

慢性下痢の治療方法

下痢時には、“脱水症状”や“電解質異常”をきたす危険性が考えられます。スポーツ飲料などで、水分・電解質を補給し、体液バランスを回復させることが大切です。牛乳は栄養補給には効果的ですが、脂肪などが腸管を刺激しますので、避けるようにしてください。

引用:ビオフェルミン製薬
http://www.biofermin.co.jp/nyusankin/geri/

慢性下痢の場合は、他に原因となる疾患のあることが多いです。
医師の診断により下痢の原因疾患を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
長期間、下痢が続く場合は、必ず医師に相談してください。

引用:ビオフェルミン製薬
http://www.biofermin.co.jp/nyusankin/geri/

町田宏 医師 まちだクリニック 院長ドクターの解説
慢性下痢は、原因によって治療方法も違いますが、検査で異常が見られなければ整腸剤を処方します。抗生物質などは腸内の良い菌まで殺してしまう可能性もあるため、基本的には使いません。下痢止めも、悪い菌によって下痢を起こしている場合は下痢を止めてしまうことで悪い菌が腸の中で増えてしまうこともあり、それが血液の中に入って重症化する場合もあります。したがって、下痢止めを安易に服用することはおすすめできません。また、患者さん自身に食生活を見直してもらうことも大切です。

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