吸収不良症候群の症状や原因、治療方法とは?
吸収不良症候群(読み方:きゅうしゅうふりょうしょうこうぐん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
町田 宏 医師(まちだクリニック 院長)
吸収不良症候群とは
吸収不良症候群とは、様々な理由により食べものの栄養素が小腸で適切に吸収されない状態のことをいいます。
ある種の病気、感染症、手術でも吸収不良が起こることがあります。
吸収不良によって、下痢、体重減少、極度の悪臭がする大量の便がみられます。
診断は、典型的な症状と、便検査の結果、ときに小腸粘膜の生検結果に基づいて下されます。
治療法は原因によって異なります。引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/03-消化器の病気/吸収不良/吸収不良の概要
吸収不良症候群の症状
体に必要な栄養素が十分に吸収されないことで栄養障害が起こり、下痢、脂肪便、体重減少、貧血、全身倦怠感、浮腫(ふしゅ)などさまざまな症状が現れます。また、ビタミンやミネラルの欠乏症として表のような症状が現れます。
引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/digestive-organs/digestive-organs_06.html
吸収不良症候群の原因
小腸関連:
以下の2つに大別できます。(1)悪性疾患やクローン病、カルチノイド症候群などを発症し、治療目的で小腸の大部分を切除した場合(小腸を広範囲に切除したことで栄養素を吸収する面積が十分でなくなるため)
(2)セリアック病、アミロイドーシスなど小腸粘膜に障害を起こす病気を発症した場合(栄養素の吸収が十分でなくなるため)
小腸以外の臓器関連:
小腸以外の臓器に関連した病態として、胃全摘、膵切除、胆のう摘出など手術に関連したものや、慢性膵炎、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)など疾患に関連したものなど、多くのものがあります。引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/digestive-organs/digestive-organs_06.html
吸収不良症候群の検査法
吸収不良症候群が疑われた場合には臨床検査を実施し、吸収不良症候群の存在を確認する。末梢血検査および生化学検査を行う。
引用:吸収不良症候群. 静脈経腸栄養 Vol.27 No.1 p5-17. 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/27/1/27_1_5/_pdf
検査方法は、培養検査などを用いて便を調べて菌の状況を調べたりします。
吸収不良症候群の治療方法
吸収不良症候群を呈する原因疾患が解明されたら、栄養管理を行いながら疾患に対する特異的な治療法を実施する。原因が不明であり根本的な治療を行うことができない疾患に対しては、対症療法が行われる。原疾患への治療と並行して、栄養サポートが行わなければならない。
引用:吸収不良症候群. 静脈経腸栄養 Vol.27 No.1 p5-17. 2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspen/27/1/27_1_5/_pdf