顎関節症の症状・原因・治療方法について
顎関節症(読み方:がくかんせつしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
杉本 圭介 歯科医師 杉本歯科クリニック 院長
顎関節症とは
顎関節症は、顎関節やあごを動かしている咀嚼筋の痛み、顎関節雑音、開口障害あるいは顎運動異常を主要症候とする障害をとりまとめた病名です。
その中には、①あごを動かす筋肉の痛みを主な症状とするもの(咀嚼筋痛障害)、②顎関節の痛みを主な症状とするもの(顎関節痛障害)、③顎関節の中の関節円板※1のずれが生じるもの(顎関節円板障害)、および、④顎関節を構成する骨に変化が生じるもの(変形性顎関節症)が含まれています。
(※1 関節円板とは、顎関節の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている組織です。)
引用:日本顎関節学会
http://kokuhoken.net/jstmj/general/about_tmd.html
顎関節症の症状
顎関節症の代表的な症状
・顎関節やその周辺に異常を感じる。食べ物を噛む時に痛みや異常を感じる。
・食事をしているとあごがだるい、口を動かすと顎関節に痛みがある、噛みしめると顎関節が痛い
・口を開けたり閉じるする時に顎関節でカックン、コッキンというような音がする。
・口が開けにくくなったり、口の開閉をスムーズに行うことができない。
・口が左右にうまく動かない、開けにくい、あごが外れることがある。引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/gaku/itai/
顎関節症の原因
顎関節症はほとんどの場合、顎関節部にある筋肉の緊張と解剖学的な形の問題が組み合わさることによって起こります。ときには心理的な要素も存在することがあります。歯の噛みしめと歯ぎしり(ブラキシズム、 歯ぎしり)、全身にわたる病気(骨減少症や遺伝性の骨の病気など)、感染症、けが、歯並びの悪さ( 不正咬合(ふせいこうごう))、歯の喪失、および常にガムを噛むことでさえ、症状を引き起こすことがあります。具体的な原因は、筋肉の痛みと緊張、顎関節内障、関節炎、強直症、過可動性などです。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/18-口と歯の病気/顎関節症/顎関節症
顎関節症の検査法
実際には、患者さんへの聞き取り(問診)、あごの動きの検査、あごや咀嚼筋の痛みの検査、レントゲン検査、必要に応じてMRI検査などを行い、顎関節症以外の同じような症状を呈する疾患を鑑別した上で診断を行います。
また、痛みには、身体的な傷害だけではなく、心理的・社会的な因子も強く関連することから、これらの状態は心理テストなどを用いて検査する場合もあります。
引用:日本顎関節学会
http://kokuhoken.net/jstmj/general/about_tmd.html
顎関節症の治療方法
噛み合わせを治すことが一番重要です。例えばスプリント(マウスピースのようなもの)を上あごあるいは下あごにいれ、上下の噛み合わせが均等に接するようにします。そうすると顎の関節頭が正しい位置に戻り、筋肉の緊張がとれ、スムーズに動かすことができるようになります。さらに微調整をくり返し症状が取れた段階で必要があれば、入れ歯やクラウンと言うかぶせ物などを入れたりする事で、噛み合わせの関係を治したりします。
また重症の場合は手術による治療を行うこともあります。引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/gaku/itai/