口腔乾燥症(ドライマウス)の症状や原因、治療方法とは?
口腔乾燥症(ドライマウス)(読み方:こうくうかんそうしょう、別名:ドライマウス)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
西 とも子 歯科医師(にし歯科医院 院長)
口腔乾燥症(ドライマウス)とは
通常、唾液は1日に1000~1500ml分泌されますが、加齢と共に分泌量は減っていきます。
慢性的に唾液が不足すると、食べ物が飲み込みにくくなったり、舌に痛みを感じるようになったりする「 ドライマウス(口腔乾燥症)」になることもあります。
最近、年齢を問わずにドライマウスの症状を持つ人が増えていて、日本に推定800万人いるとも言われています。
引用:日本訪問歯科協会
http://www.houmonshika.org/oralcare/c50/
口腔乾燥症(ドライマウス)の症状
軽度では主に口の中のネバネバ感、ヒリヒリする、う蝕、歯垢の増加、口臭も強くなります。
重度になると、唾液分泌量が低下し口腔内の乾きが進行し、強い口臭、舌表面のひび割れ、痛みで摂食障害、会話しづらいなどの障害も現れます。場合によっては不眠をきたすこともあります。引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kanso/
口の中が乾燥すると、様々な症状が出てきます。
以下、主なものを示します。
・虫歯が多くなる。
・歯周病が進行する。
・上手にしゃべりにくくなる
・口の中が乾いて痛い。ヒリヒリする。
・入れ歯の方の場合、痛くて装着できない。
その他、ドライマウスは口臭にもつながります。
口腔乾燥症(ドライマウス)の原因
加齢による唾液腺の機能の低下/口呼吸/精神的な緊張やストレス/やわらかい食べ物を食べることが多い/ 薬の副作用/糖尿病や腎臓病など病気によるもの/シェーグレン症候群という 自己免疫疾患、などがあります。
引用:日本訪問歯科協会
http://www.houmonshika.org/oralcare/c50/
口腔乾燥症(ドライマウス)の検査法
◆原因を探るための検査方法
問 診
原因を探るために情報を分析します。唾液の量の検査
ガーゼやガムを噛むなどの簡単な検査です。唾液腺の検査
必要があれば、レントゲンやMRI, CT, 唾液腺造影で確認します。血液検査
必要があれば、全身の状態を細かくチェックします。シルマーテスト
涙の量の検査:シェーグレン症候群の検査として行います。口唇生検
シェーグレン症候群を疑う場合、局所麻酔をして、下唇の内側から小唾液腺を摘出し、検査する場合もあります。引用:逗子メディスタイルクリニック
http://medi-style.jp/oral.html
検査方法に関しては、
・食事をしている時の唾液量の検査
ガーゼやガムを噛むなどで唾液の量を調べます
・安静時の唾液の検査
何もしていないときに唾液が出ているのか確認します。
・エルサリボ検査(湿潤度検査紙)
湿潤度検査紙エルサリボ)で舌の粘膜上の唾液の湿潤度を確認します。
・口腔水分計
口腔水分計で舌の粘膜上の湿潤度を確認します。
上記のようなものがあります。
口腔乾燥症(ドライマウス)の治療方法
治療としては、生活指導や対症療法が中心となります。
保湿性薬剤、保湿力の高い洗口液、保湿ジェル、スプレーによる噴霧、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース、夜間義歯などを症状に応じて処方、投与します。
積極的に水分を補給するように心がけるのも、有効な方法です。引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kanso/
ストレスが原因であれば、その改善も必要となります。最近では、ハートレートという測定器を使用してストレス度(自律神経ンの状態)の検査を行ない治療の参考にすることもあります。漢方薬を併用して症状の改善をおこなうこともあります。
家庭でできることとしては、唾液を多く出すために、日頃の唾液の材料となる水分(緑茶やコーヒー、紅茶等ではなく水)の摂取を心がけましょう。目安としては、1日1L~1.5Lぐらい摂取するのが望ましいでしょう。