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口腔乾燥症(ドライマウス)の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

口腔乾燥症(ドライマウス)(読み方:こうくうかんそうしょう、別名:ドライマウス)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
西 とも子 歯科医師(にし歯科医院 院長)

口腔乾燥症(ドライマウス)とは

通常、唾液は1日に1000~1500ml分泌されますが、加齢と共に分泌量は減っていきます。

慢性的に唾液が不足すると、食べ物が飲み込みにくくなったり、舌に痛みを感じるようになったりする「 ドライマウス(口腔乾燥症)」になることもあります。

最近、年齢を問わずにドライマウスの症状を持つ人が増えていて、日本に推定800万人いるとも言われています。

引用:日本訪問歯科協会
http://www.houmonshika.org/oralcare/c50/

西 とも子 先生 にし歯科医院 院長ドクターの解説
ドライマウスは「口腔乾燥症」とも呼ばれ、唾液の分泌量が減って口の中が乾燥する症状です。分泌される唾液の量により、お口の中に様々なトラブルを引き起こします。

口腔乾燥症(ドライマウス)の症状

軽度では主に口の中のネバネバ感、ヒリヒリする、う蝕、歯垢の増加、口臭も強くなります。
重度になると、唾液分泌量が低下し口腔内の乾きが進行し、強い口臭、舌表面のひび割れ、痛みで摂食障害、会話しづらいなどの障害も現れます。場合によっては不眠をきたすこともあります。

引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kanso/

西 とも子 先生 にし歯科医院 院長ドクターの解説
唾液の分泌量が減ってお口の中が乾くと、粘るような不快感があり、舌がひび割れたり、舌や口の中の粘膜が傷ついたり、痛みをともなったりすることがあります。その結果、喋りにくい、食べ物が飲み込みにくい、味がわかりにくいなど様々な支障が生じます。入れ歯の方は、痛くて入れていられないとおっしゃられるかたもおられます。また普段当たり前におこなわれている、唾液による口腔の自浄作用がなくなるので、口腔内では細菌の繁殖がすすむことにより歯の根元の虫歯が急激に増えたり、歯周病が悪化したり、舌の汚れがのこったリなどが原因で口臭が強くなります。お口の健康だけでなく、全身の健康にも影響をおよぼす場合があります。ドライマウスで悩んでおられる患者様は結構多いですよ。

口の中が乾燥すると、様々な症状が出てきます。
以下、主なものを示します。

・虫歯が多くなる。

・歯周病が進行する。
・上手にしゃべりにくくなる
・口の中が乾いて痛い。ヒリヒリする。
・入れ歯の方の場合、痛くて装着できない。

その他、ドライマウスは口臭にもつながります。

口腔乾燥症(ドライマウス)の原因

加齢による唾液腺の機能の低下/口呼吸/精神的な緊張やストレス/やわらかい食べ物を食べることが多い/ 薬の副作用/糖尿病や腎臓病など病気によるもの/シェーグレン症候群という 自己免疫疾患、などがあります。

引用:日本訪問歯科協会
http://www.houmonshika.org/oralcare/c50/

口腔乾燥症(ドライマウス)の検査法

◆原因を探るための検査方法

問 診
原因を探るために情報を分析します。

唾液の量の検査
ガーゼやガムを噛むなどの簡単な検査です。

唾液腺の検査
必要があれば、レントゲンやMRI, CT, 唾液腺造影で確認します。

血液検査
必要があれば、全身の状態を細かくチェックします。

シルマーテスト
涙の量の検査:シェーグレン症候群の検査として行います。

口唇生検
シェーグレン症候群を疑う場合、局所麻酔をして、下唇の内側から小唾液腺を摘出し、検査する場合もあります。

引用:逗子メディスタイルクリニック
http://medi-style.jp/oral.html

西 とも子 先生 にし歯科医院 院長ドクターの解説
ドライマウスの原因はさまざまです。加齢による口のまわりの筋肉の衰えにより、咀嚼の回数が減少して唾液の量が減る場合もあれば、ストレス、よく噛まない食生活(舌を動かすことが少ない)などが原因になることもあります。そのほか、飲んでいるお薬の影響で唾液がでにくくなったり、糖尿病・甲状腺・貧血などの病気の影響によることもあります。シェーグレン症候群などの唾液腺の異常を引き起こす疾患などによってもお口の中が乾燥することがあります。最近は、飲まれているお薬の副作用によるものと精神的ストレスによる方をが多くみられます。

検査方法に関しては、

・食事をしている時の唾液量の検査
ガーゼやガムを噛むなどで唾液の量を調べます

・安静時の唾液の検査
何もしていないときに唾液が出ているのか確認します。

・エルサリボ検査(湿潤度検査紙)
湿潤度検査紙エルサリボ)で舌の粘膜上の唾液の湿潤度を確認します。

・口腔水分計
口腔水分計で舌の粘膜上の湿潤度を確認します。

上記のようなものがあります。

口腔乾燥症(ドライマウス)の治療方法

治療としては、生活指導や対症療法が中心となります。

保湿性薬剤、保湿力の高い洗口液、保湿ジェル、スプレーによる噴霧、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピース、夜間義歯などを症状に応じて処方、投与します。
積極的に水分を補給するように心がけるのも、有効な方法です。

引用:日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/kouku/kanso/

西 とも子 先生 にし歯科医院 院長ドクターの解説
シェーグレン症候群や唾液腺疾患等の器質的な問題であれば医科と連携して治療が行われます。最近は、プラセンタ(胎盤:胎児の発育に必要不可欠な組織)によるドライマウス症状の改善の効果が期待されています。注射や錠剤を飲んで摂取します。 一般的な治療としてはは粘膜の保護のため、保湿剤を配合したジェルやスプレー、人工唾液、含嗽液(マウスウオッシュ)を使用します。漢方薬服用にて症状の改善をおこなうこともあります。舌やお口を動かすトレーニングが効果をみせることもあります。

ストレスが原因であれば、その改善も必要となります。最近では、ハートレートという測定器を使用してストレス度(自律神経ンの状態)の検査を行ない治療の参考にすることもあります。漢方薬を併用して症状の改善をおこなうこともあります。

家庭でできることとしては、唾液を多く出すために、日頃の唾液の材料となる水分(緑茶やコーヒー、紅茶等ではなく水)の摂取を心がけましょう。目安としては、1日1L~1.5Lぐらい摂取するのが望ましいでしょう。

この記事の監修ドクター

この記事の監修歯科医師