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似ているようで違う?心療内科と精神科の違い

 更新日:2023/03/27

うつ病の恐れがある、精神的な悩みによって体の症状がすぐれない。このような場合は、心療内科と精神科のどちらに相談すればいいのでしょうか。心療内科、精神科の違いをはっきりと説明することができないという方は非常に多いです。

一般的に同じような印象を受けやすいのですが、症状によってそれぞれ受けたほうがよい診療科が違います。ここでは、心療内科と精神科の違いについてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
降矢 英成 (赤坂溜池クリニック 院長)

世界で増加しているメンタルヘルスに関する疾患

メンタルヘルスに関する疾患というのは、日本だけではなく世界でも増加しており、国際問題として注視されています。

世界的なうつ病患者の増加

世界保健機関が発表した情報によると、世界中でうつ病に悩む人が2015年の段階で推計3億2,200万人に達しました。この数字は非常に多く、地球上の全人口の約4%にあたる人々がうつ病に苦しめられているということとなります。2005年からの10年間で約18%も増加しており、うつ病というのは珍しい病気ではなくなっています。

さらに、精神疾患に関係する若年層の自殺数の増加にもつながっているということで、早急に何らかの対策が必要だと指摘されています。

日本でも増加傾向

日本においても、約506万人がうつ病に悩まされているという結果が出ています。この数字は、15年で2倍近く増加しています。さらにうつ病以外の統合失調症や不安障害、依存症、認知症なども含めると、精神疾患に悩む人はもっと多いと考えられています。

日本政府も対応を迫られている

この状況は、日本政府においても早急な対策が必要な課題とされており、厚生労働省では、精神科などに長期入院する患者を2020年度末までに最大で3万9千人削減する目標を立てています。実際に、精神科などに入院している患者数は国際的にみても高水準であり、2014年には18万5千人以上が入院していると報告されています。

精神疾患で入院することになると、本人はさまざまな苦しみや負担を負ってしまいます。そうなる前に、本人自身はもちろんのこと、周囲の家族や友人が、異変を察知して早めに医師に相談をする必要があるのです。しかし、心療内科と精神科のどちらを受診すればいいのかわからないという方は、非常に多いです。

心療内科を受けるべき症状

ここでは、心療内科を受けたほうが良い症状についてご紹介します。

心理的な原因による体調不良

心療内科とは、「心身症」などの精神的な負担によって現れる身体の不調や病気について治療を行う場所です。ここでは、心の病気そのものを取り扱うというよりも、あくまでも身体に現れた症状について診察や治療を行っていきます。そのため、どちらかというと「精神的」な治療よりも「内科的」な治療に重点を置かれる科だといえるでしょう。

なお、厚生労働省の調べでは、平成20年度の時点で、国内の心療内科医の数は900人に達しておらず、精神科医に比べると10分の1と非常に少ないという結果でした。

心療内科を受ける場合の病気

心療内科では、主にストレスなどが原因によって、次のような「体の不調」が現れた場合に受診するとよいとされています。

・胃潰瘍
・心筋梗塞
・喘息
・高血圧
・下痢
・腹痛
・便秘

ストレスが原因であるため、精神科に行ったほうがいいような気持ちになってしまいますが、利用の対象はストレスによるこれらの「体の不調」を治療することにあります。身体疾患であることから、画像検査や採血などによって異常を確認できることが多いのも特徴です。

ただし、神経症やうつ病などの精神障害に伴う身体症状については、心療内科の対象から除外されますので注意が必要です。

精神科を受けるべき症状

心療内科ではなく、精神科を受診した方がよいと思われる症状について解説します。

純粋な精神の病気を取り扱う

先にご紹介した心療内科では、精神的なストレスなどが原因で発症する身体症状を取り扱っていました。しかし、精神科では「心の病気」そのものの治療を行います。

例えば、「幻覚が見える」「幻聴が聞こえる」などの妄想を含めた精神的な症状や、「何もないのにイライラする」「不安や抑うつ」などの精神症状について対処を行います。特に、これらの症状によって、日常生活に支障をきたすほどの苦痛を感じる場合や、一定期間継続して苦しめられている場合は、精神科の治療対象になることが多いです。

精神科で扱う主な病気

精神科で扱う主な病気は、以下の通りです。

・うつ病
・アルコール依存症
・強迫性障害
・摂食障害
・双極性障害
・統合失調症
・パニック障害
・薬物依存症
・不安障害
・認知症
・PTSD

治療としては、カウンセリングを中心に行っていきます。しかし、特に症状が重い場合は、向精神薬などを服用することによって、症状を和らげていく必要があります。また、これらの精神的な症状によって他人に危害を与える恐れや、自殺願望が現れてしまう患者に関しては、投薬治療だけではなく入院によって治療を進めていく必要性があります。

どちらも受診可能

どちらを受けていいかわからない場合は、とにかく相談することが重要です。

症状としてはどちらがいいのかわからない

ここまで、心療内科と精神科について、大まかな違いをご紹介してきました。精神科は、身体症状として現れる体の不調以外について治療を行うとされているものの、精神疾患によって現れる症状の中には、心療内科の範疇にある症状と非常に似ていることも少なくありません。

そのような場合は、どっちに行くのか迷ってしまって、結局受診しないということは避けてください。とりあえずどちらかを受診する、という方法でかまいません。受診することによって、どちらでの治療が本当に必要であるのか、見えてくる可能性があります。

どちらも標榜されている病院も多い

心の病気に関する病院の中には、「心療内科・精神科」と両方を標榜している病院やクリニックも存在しています。このような病院の場合、精神科を専門とする医師が治療をしていることから、心の病気を原因とする不調・精神疾患どちらにも対応してもらうことができます。

そのため、迷った場合はまず心療内科・精神科が併記されている病院で診察を受けるとよいでしょう。

電話での相談も可能

また、自分の症状が心の異常、体の異常のどちらかわからない場合は、診察を受ける前に電話で相談をするという方法もあります。症状について説明することが難しいと感じる場合は、説明したいことを最初にメモを取っておくと電話でのやり取りがスムーズになるでしょう。

まずは医師に相談

心の病気というのは、日本だけではなく世界的に増加傾向にあると問題視されています。日本国内においても、精神疾患により長期入院する患者数を減らす目標がたてられるなど、早期治療が必要と考えられています。

心療内科と精神科は、それぞれ治療の対象が異なります。心療内科は、ストレスなどが原因によって発症する体の不調を治療する場所、精神科はうつ病などの心の病気そのものを治療する場所です。

ただ、悩んでいる方にとってはどちらが原因かわからないというケースも少なくありません。そのような場合は、とりあえず受診してみる、心療内科・精神科と併記されている病院を受診する、まずは電話で相談するなどの対応をするとよいでしょう。

降矢 英成 医師 赤坂溜池クリニック 院長監修ドクターのコメント
よく「心療内科」と「精神科」の違いが分からない、どちらの科に受診したらいいのでしょうか、という質問を受けます。ですので、この記事でしっかりとその違いが説明されていますので、大変役立つのではないかと思います。実際には、軽めのうつの方であれば、体の症状が前面に出てくる「仮面うつ病」という状態も見られますので、心療内科でも診察は可能ではありますが、この記事にあるように原則を理解しておくことは有用だと思います。そして、「相談」として、ご本人がいらっしゃらなくてもご家族だけお出でになって行うことも可能な施設も少なくないですので、早めに動かれるといいと思います。

 

監修ドクター:降矢 英成 医師 赤坂溜池クリニック 院長

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赤坂溜池クリニック

出典:http://www.holisticmedicine.jp/

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・日本心身医学会専門医
・日本ホリスティック医学協会会長
・日本メディカルハーブ協会副理事長
・日本森林療法協会理事
・日本フィトセラピー協会副理事長
URL http://www.holisticmedicine.jp/

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