アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の症状・原因・治療方法
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
木村 隆 医師(きむら眼科 院長)
目次 -INDEX-
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)とは
アトピー性皮膚炎の眼合併症としては、網膜剥離と白内障が有名です。 併発するアレルギー性結膜炎のためいつもかゆみがあり眼をこするので、繰り返し目に衝撃を与えることによって白内障が発生するともいわれています。 また、アトピーの人は、網膜剥離になる可能性もあります。
引用:本橋眼科クリニック
http://moto-eye-cat.com/cataract.html
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の症状
アトピー性白内障の場合は、一般の加齢性によるものとは違い、若年層で発症することが多く、比較的早い段階から見えづらさや霞んだ症状が出ることがあります。
引用:宮原眼科医院
https://www.eyedoctors.jp/ecpmb/operation/opecat.html
アトピー網膜剥離は周辺網膜だけが剥離してゆっくり進行するタイプが多く、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。アトピー網膜剥離の患者さんの多くは白内障を合併していて、まぶしい見え方や軽い見にくさが白内障だけによるものと患者自身も眼科医も判断して診断が遅れることがあります。
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の原因
どうしてアトピー性皮膚炎に合併するのかはわかりませんが、皮膚炎にかかっている時期が長いほど、また顔の皮膚症状が重いほど白内障を合併する率が高いといわれます。
引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/29/06.html
アトピー性皮膚炎の発症にアトピー素因があるように、網膜が生まれつきもろかったり、慢性の炎症があったりするなどの、遺伝的あるいは内的な要因がかかわっているともいわれていますが、明らかではありません。むしろ網膜剥離の患者さんには、顔、特に目のまわりの皮膚炎が重症な人が多く、かゆいあまり何度もくり返してまぶたをこすったり叩いたりすることが原因か、あるいは最も大きな誘因であろうと考えられています。
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の検査法
視力検査、眼圧検査、眼底検査、全身検査(採血、胸部レントゲン、心電図)などの一般的な検査を行います。また手術前には、角膜(角膜内皮細胞)の検査、眼に合う眼内レンズを選ぶために眼軸長の測定が必要になります。また眼内レンズは一か所にピントが固定されているので、手術前に医師と相談してライフスタイルに合った度数を選んでいただきます。
引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-031.html網膜剥離の原因を調べるためには、眼底検査が必須となります。原因疾患によっては蛍光眼底造影検査などの他の特殊検査が必要になることがあります。
引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-037.html
アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の治療方法
日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせますが、症状を改善したり、視力を回復させたりするためには手術が必要になります。手術方法は主に濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工レンズ(眼内レンズ)を挿入する方法で行われています。白内障が進行している場合は、水晶体核を丸ごと取り出すこともあります(水晶体嚢外摘出術)。
引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-031.html裂孔原性網膜剥離の場合は早期の手術治療が必要となります。手術方法としては、強膜内陥術と硝子体手術がありますが、年齢、裂孔の位置や大きさ、網膜剥離の程度や範囲により適切な方法を選択します。 非裂孔原性網膜剥離の場合は、原疾患に対する治療を行います。
引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-037.html