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小児矯正の大切さとは|小児矯正の種類・治療期間・歯科医院選びで気を付けるポイントを解説

 更新日:2023/11/15
小児矯正 大切さ

小児矯正が大切という話をご存知でしょうか。

歯科矯正は、子どもから大人まで受けられる治療です。ですが、大人になってから治療を受けるより子どものうちに治療しておいた方が良いといわれることがあります。

どのような理由からそういわれるのか、本記事では小児矯正が大切とされる理由・小児矯正の種類・治療の流れについて解説します。

小児矯正を受ける歯科医院選びで気を付けるポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

中野 啓子

監修歯科医師
中野 啓子(なかの歯科医院)

プロフィールをもっと見る
山口県立下関西高等学校 卒業
福岡県立九州歯科大学 卒業
九州大学小児歯科専門課程 修了
茨城県ひたちなか市 なかの歯科医院 開業
現在に至る

小児矯正の大切さ

小児期からの矯正治療が大切とされているのは、歯列のみならず骨格から矯正することが可能だからです。一般的に歯並びが悪い状態とは、歯列がガタガタしている・噛み合わせに問題があるなどが挙げられます。
これらは歯が生える向きのほか、顎の大きさと歯の大きさが噛み合っていないために引き起こります。顎に対して歯が大きい、または顎そのものが小さい場合は歯が並ぶスペースが不十分なため歯と歯が押し合い、歯列が乱れてしまいます。
このような原因による不正咬合を大人になってから矯正治療をしようとすると、健康な歯の抜歯を伴ったり顎骨の切除手術を要するなど、負担の大きいものになってしまいます。しかし小児矯正により骨格から歯列矯正を行い、歯が並ぶスペースを充分に確保することで、将来そのような負担の大きい治療を避けられる可能性が高くなります。
また小児矯正の対象となる6~12歳頃は、永久歯へ生え変わる時期であるのと同時に、顎骨・口周りの筋肉が成長していく時期です。咀嚼や舌の動きが正しく行えると、滑舌の改善が見込める・脳の活性化を促す・顔の筋肉が正常に発育するよう促すなどの効果も期待できます。
将来の負担を減らすだけではなく、幼少期の正しい発育を促進できる小児矯正は、非常に重要な治療といえるでしょう。

小児矯正の主な種類・治療期間・費用は?

種類・治療期間・費用
骨格から歯並びにアプローチできる小児矯正ですが、その手法はさまざまです。装置も多様にあり、患者さんの口腔状態・理想とする歯列になるよう適切な治療方法が選択されます。
ここからは小児矯正で使用される代表的な矯正の種類・治療期間・費用について解説します。

床矯正装置

床矯正装置は下顎の拡大に使用する装置で、ネジを回すことにより徐々に圧力を加えていくものです。顎骨の拡大により歯が綺麗に並ぶスペースの確保を目的としています。
費用は約10~30万円(税込)で、治療期間は永久歯への生え変わりを目処に、治療の進み具合を観察しながら決定されます。
メリットは痛みが少ないことや抜歯が必要ないことなど、デメリットは1日8時間以上の装着が必要なことや装置が大きく発音しづらいなどが挙げられます。

ムーアプライアンス

ムーアプライアンスは主に前歯の受け口治療に用いられる装置です。成長期の発達による力と、口周りの筋肉の力を利用して顎の発達を促します。メリットは、患者さんによる取り外しが可能で、就寝時のみの着用も可能なことなどです。デメリットは子どもの協力が不可欠であることや他の矯正器具と併用しないといけない場合もあるなどがあります。
費用・治療期間は骨格・成長具合・医院の方針などにより異なります。装置費用は5~10万円(税込)程が相場となっています。

ヘッドギア

ヘッドギアは主に上顎前歯の前突(出っ歯)を治療する目的で使用する装置です。口腔内に装着した装置を、頭・首の後ろなどにかけたベルトで後方へ引っぱることで、成長を抑止します。メリットは在宅時や睡眠時に1日12時間程の装着で高い効果が得られること、デメリットは装置が大きく目立つことなどが挙げられます。
費用・治療期間は骨格・成長具合・医院の方針などにより異なります。装置費用は40万円(税込)程が相場となっています。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットという金具を取り付け、そこにワイヤーを通し締めあげることで負荷をかけていく装置です。一般的に歯科矯正と聞いて多くの方がイメージするのはこのタイプでしょう。
費用は第2期矯正として行う場合は約30~50万円(税込)で、治療は永久歯への生え変わりが完了するころを目処に開始し、装着期間は口腔状態により異なります。
メリットはさまざまな歯並びに対応できること、デメリットは装置が目立つことなどが挙げられます。

マウスピース型矯正

マウスピース型矯正は、透明なプラスチック製の装置を歯に被せて矯正する装置です。患者さんによる取り外しが可能で、歯の移動に併せて装置を交換することで歯の移動を促します。
費用は約10~30万円(税込)で、治療期間は全体矯正・部分矯正のほか、口腔状態によっても異なります。メリットは材質が透明なため人に気づかれにくいこと、デメリットは装着時間が1日20時間以上となることなどが挙げられます。

歯科医院選びで気を付けるポイントは?

歯科医院選びで気を付けるポイント
歯科医院を選ぶ際には、患者さんに寄り添いしっかりカウンセリングをしてくれ、小児歯科の経験が豊富な歯科医院を選ぶようにしましょう。具体的には次の点に注目してください。

  • カウンセリングを丁寧に行っている
  • 将来のリスクも考慮してくれる
  • 費用・治療期間の説明がわかりやすい
  • 小児歯科の経験が豊富
  • 高い技術力

歯科矯正の治療は一人ひとりに合わせて行う、オーダーメイドであるべきです。丁寧なカウンセリングにより、患者さんの要望を明確化するだけではなく、将来にわたって問題を解決できるような提案をしてくれる歯科医院を選びましょう。
費用についても、矯正治療は全額自己負担が原則です。高額になるうえ、歯科医院により料金設定は異なるため、わかりやすい説明をしてくれる歯科医院を選びましょう。
また、矯正治療を希望する患者さんは多いですが、根幹となる問題は一人ひとり異なります。精密検査により的確に問題点を見極める診断力・豊富な経験による高度な技術力を持つ歯科医院でなければ、要望を叶えることは難しいでしょう。本来、矯正治療は高度な技術力を要するものです。さまざまな矯正装置が開発されていますが、安易な使用によりトラブルになることもあります。そのような事態を避けるためにも、知見の深い歯科医院を選ぶようにしましょう。

小児矯正の流れ

小児矯正の流れ
小児矯正の流れは基本的には大人の歯科矯正と変わりません。はじめに口腔状態を診察し、治療計画を立ててから本格的な治療へと進みます。具体的な流れは以下のとおりです。

  • カウンセリング
  • 精密検査
  • 矯正装置の装着
  • 矯正装置の取り外し
  • 保定
  • メンテナンス

それぞれの工程でどのような治療を行うのか、以下で詳しく解説します。

カウンセリング

歯科矯正はまずカウンセリングから始めます。診察・ヒアリングにより患者さんが日常生活で問題に感じている点・理想とする歯並び・不安に感じている点などを明確化していきます。
カウンセリングは歯科医師からの一方的な質問の場ではなく、患者さんから医師へ質問する場でもあるので、不安点・費用などの疑問があれば遠慮なく聞くようにしましょう。

精密検査

精密検査では、レントゲン写真・CT写真・歯型の採取などを行い口腔状態を正確に把握していきます。歯科医院によって導入している機器が異なるため、どのような検査をするかは歯科医院により異なるでしょう。
精密検査で得られた口腔内の情報を元に、適切な矯正装置を選択し治療計画を立てていきます。検査の結果、矯正を行う必要はないと判断することもあるので、そのような場合は今後の方針を歯科医師によく相談してください。
また検査でむし歯が見つかった場合は、そちらの治療を優先して行います。そうすると矯正治療を開始する時期は後ろ倒しになるため、治療を完了させたい時期が決まっている方は、その旨も歯科医師に相談しておくと良いでしょう。

矯正装置の装着

治療計画に基づき、適切な矯正装置を装着していきます。装着直後は痛みを伴うことも多いですが、2・3日~1週間で痛みは徐々に軽減していきます。もしそれ以上痛みが続くようなら、加えている圧力が少し強すぎる可能性があるため、歯科医師に相談してください。
装着後は1ヶ月に1回程度の通院により、歯の移動が正常に進んでいるかのチェック・矯正装置のメンテナンスなどを行います。矯正装置を装着している間は食べ物のカスが装置に挟まりやすく、むし歯・歯周病になるリスクが高くなるため、歯磨きは丁寧に行いましょう。
矯正治療中にむし歯になってしまうと、矯正を中断してむし歯の治療にあたったり、装置を一度取り外して治療したりしなければなりません。むし歯・歯周病によるトラブルは治療期間を長引かせる原因になるので、歯科医院でのメンテナンスだけではなく、自宅でのケアも欠かさないことが大切です。

矯正装置の取り外し

歯が計画した位置まで移動し、歯並び・噛み合わせ・咀嚼などに問題がないことが確認できたら、矯正装置を取り外す工程へと移行します。しかし矯正装置を取り外しても、そこで治療終了とはなりません。
歯科矯正で移動させた歯は、矯正装置を取り外したままにしておくと、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こります。そのため次の工程である「保定」により、良好な歯並びを固定する必要があります。

保定

保定は先述した「後戻り」を防ぐ目的で行われます。移動させた歯は周囲の組織とまだ強く結合していないため、非常に不安定な状態です。この段階で何も策を打たなければ、歯は元の位置に戻ろうとするばかりか、歯列が再び乱れる原因となってしまうでしょう。それを防ぐために、保定装置(リテーナー)と呼ばれる装置を使用し、歯が周囲の組織と強く結合するまで待ちます。
期間は一般的に1年以上は有し、歯を移動させた期間と同程度かかることもあります。保定装置は取り外し可能なため、患者さんが毎日忘れずに装着・メンテナンスを行うことが重要です。
もし装着を頻繁に忘れてしまうようであれば、取り外しのできない固定式のものに変更できないか、歯科医師に相談するようにしてください。

メンテナンス

保定期間中や終了した後も、歯並び・噛み合わせ・咀嚼などに問題がないか、定期的なメンテナンスでチェックすることは重要です。メンテナンスを何も受けないままでいると、後戻りに気づけなかったり、親しらずが生えてきた際の歯列の乱れなどに気づけなかったりします。
治療が終わっても口腔状態は成長・生活習慣などの影響で年々変化していくものですから、定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。

小児矯正のことならなかの歯科医院にご相談を

なかの歯科医院院長
小児矯正を検討しているなら、なかの歯科医院に相談してみましょう。小児歯科経験の豊富な歯科医師が、目の前の問題だけではなく、将来にわたって口腔状態を健やかに保てるような治療を提案しています。

また、スタッフ全体での知識向上・患者さんの負担軽減につながる機器の導入など、医院全体で提供する医療のレベルアップを図っています。

患者さんに向き合った治療を提供してくれるなかの歯科医院は、初めて歯科矯正を受ける子どもにとって、安心できる歯科医院といえるでしょう。

機能的矯正によって顎の拡大・発音・呼吸・噛み合わせの改善を行う

なかの歯科医院治療中
なかの歯科医院であれば、成長期の発達を利用して行う「機能的矯正」により、顎の拡大・発音・呼吸・噛み合わせの改善が見込めます。使用する矯正装置は、学校に行く間は取り外せるもの・装着が簡単なものなど、子どもの気持ちを大切にした装置を使用しています。

子どもに寄り添った治療の提供は、歯科矯正に恐怖心のある子どもの抵抗感を軽減させてくれるでしょう。また小児矯正は歯列と併せて口周りの癖も正していくことが非常に重要です。

指しゃぶり・舌で歯を押すなどの癖があると、治療で思うような効果が得られません。そのような習慣も、なかの歯科医院ではトレーニングを行うことにより、改善のサポートをしてくれます。

子どもの口周りの癖をどのように指導すれば良いのか迷っている保護者の方は、一度なかの歯科医院に相談してみてください。

第2期治療を受ける場合にも抜歯をせずに済むレベルの歯並びを目指せる

なかの歯科医院では、第2期治療を受ける場合にも抜歯をせずに済むレベルの歯並びを目指せます。

第2期治療は永久歯が生え揃う頃から始める矯正治療ですが、第1期治療で骨格から歯列の土台を整えておけば、第2期治療の期間短縮につながります。

なかには第1期治療だけで歯列が整い、第2期治療自体が不要になる患者さんもいるでしょう。第2期治療はマルチブラケットが基本となるため、思春期の子どもだと見た目を非常に気にする子どももいます。

第2期治療の期間を短縮できるのは、そのような面からもメリットが大きいといえるでしょう。

小児矯正を検討している方は、なかの歯科医院にご相談ください。

なかの歯科医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR常磐線 佐和駅 徒歩10分

茨城県ひたちなか市稲田358-5

診療時間
9:00~12:00
13:30~18:30

★:13:30~17:30
※第1・第3木曜日、第2・第4土曜日は休診です。

この記事の監修歯科医師