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歯列矯正で噛み合わせを改善できる?正常な噛み合わせの判断基準について解説

 更新日:2024/03/05
歯科矯正で噛み合わせを改善できる?正常な噛み合わせの判断基準について解説

歯列矯正は歯並びが美しくなるイメージがありますが、噛み合わせの改善にも効果があるのでしょうか。

歯列矯正には費用がかかりますし、治療期間も長期にわたるため、治療を受けるのならば望んだ結果を得たいものです。

今回は、歯列矯正で噛み合わせが改善できるのか、そもそも正常な噛み合わせかどうかをどの基準で判断すれば良いのかを解説します。

正常な噛み合わせは、健康な生活にもつながります。歯列矯正を考えるうえで重要なポイントも解説するので、矯正歯科医院探しの参考にしてください。

桃沢 尚

監修歯科医師
桃沢 尚(医療法人社団PEACHもも矯正歯科)

プロフィールをもっと見る
2002年北海道大学歯学部卒業、2006年東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 咬合機能矯正学分野卒業、歯学博士号取得。東京医科歯科大学歯学部附属病院のほか、複数の矯正歯科医院に勤務し、2011年もも矯正歯科を開設。日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医。同学会のほか、顎変形症学会・顎関節学会・日本舌側矯正歯科学会に所属。また、顎のずれから改善する歯科矯正を提唱するロス・フィロソフィーの講座を受講するなど、常に研鑽を積んでいる。

噛み合わせってなぁに??

噛み合わせは専門用語で「咬合(こうごう)」と呼ばれており、噛んだ際に上下の歯がどのように接触しているか、また下顎を左右に動かした際に歯がどのように接触しているかを指します。
顎の骨・歯・顎関節・筋肉の4つが関係しており、食べ物を咀嚼(そしゃく)する際や正しい発音、表情作りなど日常生活に重要な役割を果たしています。
そのため、噛み合わせが悪いとこれらの機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

治療した方がいい噛み合わせって??

治療した方がいい噛み合わせって??
矯正治療は、噛み合わせ(咬合)の問題を改善するのに役立つことがありますが、その効果は個々の症例に依存します。
矯正治療は、歯並びや噛み合わせに関するさまざまな問題を改善できます。歯の不正咬合、過剰な噛み合わせ、逆咬合、開咬合などの問題を修正することが可能です。
矯正治療は、歯を移動させ、噛み合わせ(咬合)を調整するプロセスです。ブラケットやワイヤー、リテーナーなどの装置を使用して、歯を正しい位置に誘導します。

矯正歯科治療で抑えておくべきポイント

矯正歯科治療で抑えておくべきポイント
歯列矯正は、歯並びの審美性・噛み合わせの改善に有効です。しかし、歯列矯正治療の効果はこれに限定されません。
歯列矯正をすることで、より健康的な生活が期待できます。そのために、歯列矯正を行う際はどのようなポイントを重視すれば良いでしょうか。以下で解説していきます。

正しい顎関節の位置で、噛み合わせ・顎関節・筋肉が協力して口の動きを実現しているか?

歯列矯正において、歯だけを見て診断し、歯並びを綺麗に整えることも可能です。しかしこの場合、もともと顎関節の位置がずれていたらどうでしょうか。
表面的に歯並びは綺麗になっても、ずれたままの顎には負担がかかり続けます。そうなれば顎関節症・頭痛・肩こりを引き起こすケースもあります。
つまり、歯並びのみに注目して矯正を施しても、関連する部位と調和しない限り身体機能に不都合が出てきてしまうのです。矯正を考える際は歯の位置だけでなく、顎関節・周辺の筋肉・歯周組織まで視野を広げて治療を進めてくれる歯科医師を探しましょう。

口元や横顔の審美性

歯列矯正で得られるのは、歯並びの審美性に限りません。優良な矯正では口元・横顔まで整えられます。そのためには、顎関節を正しい位置に調整しなければなりません。
また、治療前に顎関節の位置を正しく測定し、緊密な噛み合わせに調整する知識も必要になります。診査の段階で口元・横顔がどう変化するかの予測まで算出してもらえることが望ましいでしょう。そうすることで、歯科医師と患者さんの思い描くゴールに差異がないか確認することができます。視覚的でイメージを掴みやすい2D・3Dシミュレーションでの説明を受けられれば、なお安心でしょう。

治療後の噛み合わせと歯周組織の長期的な安定性(後戻りのしにくさ)

健康に直結する正しい噛み合わせは、歯列矯正でも特に重視したいポイントです。一般的な歯列矯正では、歯並びの悪い歯とその歯周組織に注目し治療を進めます。しかし、この治療法では歯が元の位置に戻ってしまう後戻りが起こりやすいのです。
後戻りの原因はさまざまですが、一般的な歯列矯正では干渉できない顎関節に不正咬合の原因が残っていることも挙げられます。顎関節・周辺の筋肉まで含めて整える歯列矯正ならば、噛み合わせだけでなく長期的な噛み合わせの安定、つまり後戻りのしにくさも叶えられるでしょう。それは、顎関節という噛み合わせに重要な部位まで治療対象とするため、一般的な歯列矯正では気付けない不正咬合の要因まで明らかにできるためです。

噛み合わせを考慮した治療システム『ロス・フィロソフィー』をご紹介

ロス・フィロソフィーとはロナルド・ロス先生が確立した矯正歯科治療の診断・治療システムです。
一般的な歯列矯正では注目されない顎関節を整えることを重要視し、噛み合わせを正しく機能できるよう矯正する考え方が特徴です。
このシステムでは、精密な診査により予知性の高い診断・治療方針の作成が可能となります。その結果、質の高い治療結果が期待できます。
一方で、審査・顎関節矯正など治療のステップが増えるため、一般的な歯列矯正よりも時間・コストがかかる点がデメリットです。具体的にはどのような流れで治療が進められるのか解説します。
噛み合わせを考慮した矯正歯列治療をご紹介

STEP①:顎関節と噛み合わせの精密検査

ロス・フィロソフィーの検査では、一般的な矯正治療の検査に加えて「顎関節と噛み合わせの精密検査」を行います。具体的な検査内容の例を以下に挙げます。
顎関節と噛み合わせの精密検査例
これらの検査から普段噛み合わせている顎の位置を確認し、正しい顎の位置とどの程度のずれがあるかを評価します。この評価をもとに治療方針を決定します。

STEP②:顎関節の治療(スプリント療法)

スプリント療法
歯並び・噛み合わせの矯正を始める前に、スプリントという装置を使って顎関節を正しい位置に調整します。
スプリント(スタビライゼーションスプリントはマウスピース型に矯正機能がついたような装置で、患者さんが自ら着脱します。日中・夜間など日常生活に支障のない範囲で継続して装着することで、顎の位置を自然に正しい位置へ誘導することが可能です。
4〜6週毎に顎の位置を計測しながら装置を調節します。これを顎の関節・筋肉が生理的に安定するまで継続します。このスプリント療法の治療期間は通常半年程度です。

STEP③:再検査・再診断

スプリント療法で顎関節が正しい位置で安定すると、歯並び・噛み合わせ治療のために再検査・再診断が行われます。
再検査では口腔内の状況の再チェックに加えて、アキシパスと呼ばれる顎関節の動きの診査も実施されます。このアキシパスの記録は再診断で用いるスプリットモデル(診断用模型)の作製に使われます。
スプリッドモデルを使うことで、治療での歯の移動量・横顔の変化の予測を正確に行うことが可能です。再診断において目指す治療ゴールは、以下の4つが正しく整い調和した状態です。

  • 顎関節
  • 顔の美しさ
  • 機能的な歯並び
  • 歯周組織

歯科医師は、これらが患者さんの顎関節・口腔内で実現した状態を治療ゴールとして2D・3Dシミュレーションなどで提示し、患者さんとイメージを共有します。

【3Dシミュレーション例】
3Dシミュレーション例

STEP④:矯正装置装着

矯正装置装着
治療方針が決定するとロス・フィロソフィーオリジナルのマルチブラケット装置を装着します。
前歯・犬歯・臼歯それぞれが、ロス・フィロソフィー考案者のロナルド・ロス先生が設計した位置・傾きになる仕様になっています。咀嚼時の歯の機能性・噛みしめた時の噛み合わせの緊密性に留意された設計が特徴です。

STEP⑤:装置撤去

歯並びが綺麗に整うと、マルチブラケット装置の撤去が可能です。
ロス・フィロソフィーの目指す歯並びのゴールは、正しい顎関節の位置を中心として、顎が開閉する運動の軌道上で自然に歯が噛み合った状態です。この状態まで矯正が進むと装置撤去ができます。

STEP⑥:トゥースポジショナー装着・噛み合わせの緊密化

トゥースポジショナー
最終微調整のためにトゥースポジショナーを装着します。
トゥースポジショナーはマウスピース型の装置で、噛み合わせが隙間なく接触するよう調整する役割を持ちます。
※正確な噛み合わせは、上顎(上の歯)と下顎(下の歯)が適切に位置し、正常な歯の接触と咀嚼を可能にします。噛み合わせが緊密であると、歯が正確に合わさり、食事を噛むときに食べ物を効果的に咀嚼し、力が均等に分散されます。

STEP⑦:治療終了・保定装置装着

治療終了後は、一般的な歯列矯正同様に保定装置を継続的に装着する必要があります。
移動完了後は歯周組織がしっかり歯を固定していないため、まだ歯が元の位置に戻りやすいためです。通常1年以上はできるだけ毎日保定装置を装着することが理想です。

噛み合わせや歯並びにお悩みなら、もも矯正歯科がおすすめです

もも矯正歯科診察
もも矯正歯科は、品川区にあるロス・フィロソフィーに根ざした歯列矯正を提供している歯科医院です。以下のポイントにこだわり、歯列矯正を通じて患者さんの健康な生活をサポートしています。

  • 噛みやすさ
  • 長く保てる安定性
  • 顎や歯周組織まで含めた治療

これらは、精密な検査・診断と、正確な治療によって行われています。

噛み合わせや歯並びでお悩みの方は、ロス・フィロソフィーの「顎から整える歯列矯正」で、美しく健康な歯並びの獲得を目指す、もも矯正歯科を紹おすすめします。

正しく噛めて、見た目も美しくなる歯列矯正治療

もも矯正歯科院長
院長である桃沢尚先生は、医学博士であり日本矯正歯科学会臨床指導医の資格を有しています。

西暦1900年頃から始まった近代矯正治療に深い見識を持ち、ロス・フィロソフィーを礎とした歯列矯正治療を行っています。

単にでこぼこの歯を並べる、前歯を引っ込める、といったことに留まらず、噛み合わせ・顎関節・筋肉の相互機能的な調和、横顔や口元の審美性の追求、治療後の噛み合わせと歯周組織の長期的な安定性(後戻りのしにくさ)を考慮した矯正歯科治療で皆さんの噛み合わせ改善をサポートされています。

多種多様な歯列矯正のニーズに答える

歯列矯正を検討する時、以下のような要望を抱いたことはないでしょうか。

  • 矯正器具が目立たないように治療したい
  • 頻繁には通院したくない
  • 治療期間を短くしたい

一言で矯正といっても、患者さんによって多種多様なニーズが存在します。

もも矯正歯科は、患者さんの生活習慣などを把握し、そのうえで希望に合った治療法を提案してくれます。また、桃沢先生はスピード矯正研究会のメンバーでもあり、短期間でできる矯正歯科治療にも注力されています。

エビデンス(科学的根拠)に基づいた矯正歯科医療を提供

もも矯正歯科では、エビデンスに基づいた矯正歯科医療の提供を徹底しています。勘・経験則といった曖昧な診断を排除し、科学的な分析・実践を積み重ねた診断に重きを置いているそうです。

これにより治療結果の信憑性が保証され、患者さんの安心に繋がるといいます。

もも矯正歯科の患者さんからは、治療後の後戻りもなく、口腔機能に自信を持って生活できると満足度の高いお声が多いようです。

歯並びでお困りの方は是非相談してみてください。

もも矯正歯科の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用。治療期間・治療回数

JR大森駅 徒歩1分

東京都品川区南大井6-28-12ヒューリック大森ビル5F

診療時間
10:30〜13:30
15:00〜19:00

▲:9:30-13:00 / 14:30-18:00

【ロス・フィロソフィーの治療】
費用:1,150,000円(税込)
治療期間:1年以上
治療回数:確認中

この記事の監修歯科医師