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歯並びを改善できるマウスピース矯正とは?特徴やワイヤー矯正との違い・治療期間について解説

 公開日:2023/12/13
矯正用マウスピース

マウスピース矯正は、歯列矯正にワイヤーを用いない方法として比較的新しく確立された矯正方法です。

比較的新しい治療法と聞くと「治療の効果は?」「費用や治療期間は?」などの疑問が湧いてくるかもしれません。

この記事では、マウスピース矯正で改善できる歯並び・マウスピース矯正の特徴・矯正にかかる期間と費用・メリットデメリットなどを解説しています。

古田 博久

監修歯科医師
古田 博久(歯科医師)

マウスピース矯正は歯列矯正の種類のひとつ

笑顔の女性たち
マウスピース矯正は「アライナー矯正」とも呼ばれ、マウスピース型の矯正装置を使用して歯並びを改善する歯列矯正の治療法のひとつです。
ワイヤーを使用して歯並びを整えるワイヤー矯正と比べるとその歴史はまだ浅く、比較的新しい矯正方法だといえるでしょう。
マウスピース矯正では、厚さ0.5ミリ程度のマウスピースを、患者ひとりひとりに合わせて製作し治療が行われます。
そして装着するマウスピースを歯の移動とともに新しいものに交換し、理想の歯並びを目指すのです。
透明で目立ちにくいため、見た目が気になる人には向いている矯正治療だといえる一方で、適用できる症例が限られているという特徴を持っています。
歯列矯正に使用するマウスピースは、インビザラインアソアライナークリアアライナー)・エシックスなど多くのブランドから出ており、ブランドによって装着感や適応可能な症状が異なっていることが特徴です。

マウスピース矯正は歯並びを改善できる?

歯を指さす女性
従来の歯列矯正では、ワイヤーを使った矯正装置を装着して治療を行うイメージが先行していました。
そのためマウスピース矯正で本当に歯並びを改善することができるのか疑問に思う人もいるかもしれません。
またマウスピース矯正では、ワイヤー矯正よりも小さな力を歯に加えるため、歯が動くスピードも比較的ゆっくりになります。
歯が動くスピードは症状や歯の動きやすさによって個人差がありますが、一般的にはおよそ5ヶ月~2年程で歯並びを改善することが可能です。
早い人では治療開始から2ヶ月~3ヶ月目くらいから、効果を実感し始めるようです。

歯並びを改善できるマウスピース矯正の特徴

矯正用マウスピース
マウスピース矯正は、マウスピースを口の中に入れて歯並びを整える矯正方法です。
ワイヤー矯正とは異なった特徴を持っていますので、好みライフスタイルによって矯正方法を選択することも可能です。

透明で目立ちにくい

マウスピース矯正の一番の特徴といえば、透明で目立ちにくいということが挙げられます。
他の人から気付かれにくいため、口元を出す仕事をしている人でも比較的安心して治療に取り組むことが可能です。

金属アレルギーの心配がない

ハートを持つ女性
ワイヤー矯正と呼ばれる矯正方法では、金属製のワイヤーを装着するため金属アレルギーのリスクがともないます。
それに対して、マウスピース矯正で使用する矯正装置には金属が使われておりません。
そのため金属アレルギーの心配をすることなく、誰でも安心して治療を続けることが可能です。

1日20時間以上装着する必要がある

理想の歯並びに近付けていくためには、マウスピースを1日20時間以上装着する必要があります。
飲食時と歯磨き時以外は、ほとんど常にマウスピースを装着し続けなくてはいけないイメージです。
もちろん就寝時にもマウスピースを装着することになりますので、慣れるまでは少々困難に感じる人もいるでしょう。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い

モニターを指さす女性
マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して歯並びの改善を目指す治療方法です。
それに対してワイヤー矯正では「ブラケット」と呼ばれる金属製の金具を歯に取り付けて治療を行います。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは、主に以下の4点が挙げられます。

  • ワイヤー矯正は広く様々な症状に適用できますが、マウスピース矯正で適用できる症状は限定的です。
  • ワイヤー矯正は金属の部品が目立ちやすいですが、マウスピース矯正は、透明で目立ちにくいことが特徴です。
  • ワイヤー矯正は装置を付けてから数日間は強い痛みを感じることがありますが、マウスピース矯正で痛みを感じることはあまりありません。
  • ワイヤー矯正は一度装着したらずっとそのままですが、マウスピース矯正では矯正装置の自己管理が必要となります。

どちらの矯正方法にもメリットとデメリットが存在しますので、ご自身に合った方法を選択するようにしましょう。

マウスピース矯正のみ自分で取り外しが可能

数ある矯正方法の中で、マウスピース矯正は唯一自分で取り外すことが可能です。
飲食をする際には外すことになりますので、矯正装置に食べかすが付着して虫歯や歯周病の原因となるリスクを回避することができます。
その一方自分で取り外しができるために、しっかりとした自己管理が必要となってくることも特徴のひとつです。
マウスピースを付けているのが煩わしいからといって頻繁に取り外してしまったり装着時間が短かったりすると、思っていたような効果が得られない可能性が高まります。
効果が得られないと、治療期間が長引いてしまうことが考えられます。装着時間はしっかりと守るようにしましょう。

マウスピース矯正の方が痛みが少ない

頬を押さえる女性
ワイヤー矯正に比べると、一般的にマウスピース矯正の方が痛みを感じることが少ないといわれています。
ワイヤー矯正では1ヶ月に1度ほど、矯正装置を調整する必要があります。
調整後は歯にかかる力を強く感じるため、強い痛みをともなうことがあるのです。
それに対してマウスピース矯正は、1週間~2週間程度の周期で矯正装置を交換していきます。
ワイヤー矯正と比べるとこまめに小さな力をかけて歯を動かしていくことになるので、痛みを抑えられるのです。
また、ワイヤー矯正ではブラケットが舌や口腔内の粘膜に当たって痛みを感じることがありますが、マウスピースではそれがありません。

マウスピース矯正の方が違和感が少ない

マウスピース矯正は装着しているマウスピースに慣れるまでは違和感を覚えることがあります。しかしこの違和感はワイヤー矯正に比べると少ないといわれています。
矯正装置を装着しているときに口腔内に感じる違和感の主な原因は歯を動かすために矯正装置によって力がかかっていることです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べ、歯を動かすためにかける力が小さいため、違和感を感じることが少ないといわれているのです。

マウスピース矯正の治療期間

カレンダー
一般的に歯列矯正の治療期間は長期に渡ることが知られています。
特にマウスピース矯正の場合は、ワイヤー矯正に比べて治療期間がやや長期化する傾向があります。
治療期間は症例や歯が動くスピードにも左右され、個人差が大きいことが特徴です。
ここではマウスピース矯正の一般的な治療期間を解説しています。
ただし全体矯正と部分矯正どちらの場合も、治療が終わってから後戻りを防ぐためにリテーナーという保定装置を1年~2年程度の期間装着しておく必要があることを覚えておいてください。

全体矯正の場合は2年以上

奥歯を含めた全体矯正の場合は、前歯も奥歯も全ての歯において歯並びや嚙み合わせを改善するため治療は長期化します。
個人差はありますが、治療期間は2年程をみておくと良いでしょう。
また、抜歯をするかしないかによっても治療期間は大きく変わってきます。
抜歯をともなう治療の場合は、抜歯しない治療と比べてより長い治療期間が必要になるのです。

部分矯正の場合は1年未満

奥歯は矯正せず、外からみえやすい前歯部分のみを矯正する部分矯正の場合は、1年未満の矯正期間で治療を完了できることがあります。
「前歯のすきっ歯だけを改善したい」等の軽いケースなら3ヶ月程度で隙間が閉じるケースもみられるようです。

マウスピース矯正の費用相場

電卓と玩具のお金
歯列矯正は多くの場合が自由診療となり、健康保険の適用外となります。そのため費用が高額になることが知られているのです。
自由診療のため、治療を受ける歯科医院によっても設定されている費用はそれぞれです。
また、矯正する範囲や使用するマウスピースのブランドによっても価格は異なります。
矯正装置の他にも、歯科医院によっては以下の料金がかかります。

  • 初診料(カウンセリング料)
  • 検査料
  • 診断料
  • 虫歯・歯周病・抜歯などにかかる治療料(必要な場合)
  • 調整料(通院のたびに必要)
  • 保定料
  • 保定観察料

治療を開始してから費用に関しての認識のズレが発生してしまうと、治療の継続が難しくなってしまうことも考えられます。
治療費の総額がいくらになるのかを、カウンセリングの段階でしっかりと確認しておくようにしましょう。

全体矯正の場合は60万円以上

奥歯を含めて歯列全体を矯正する際の費用相場は、およそ60万円〜110万円程度となっています。
使用するマウスピースのブランドや矯正する症状によっても異なりますので、いくつかの歯科医院でご自身のケースに合わせて費用総額の見積もりを出してもらうことをおすすめします。

部分矯正の場合は20万円以上

「口を開けたときにみえる前歯だけ矯正する」といった部分矯正の場合は、全体矯正と比べて費用を抑えることが可能です。
矯正する症状や使用するマウスピースのブランドにもよりますが、およそ20万円〜80万円程度であることが多いようです。

マウスピースでの歯並び矯正について詳しく知りたいなら

マウスピースを付ける女性
マウスピースでの歯並び矯正について詳しく知りたいときは、マウスピース矯正を取り扱っている矯正歯科でカウンセリングを受けることをおすすめします。
マウスピース矯正は基本的に自由診療となるため、治療にかかる期間や費用などは歯科医院によって異なります。複数の歯科医院でカウンセリングを受けて、自分に合ったところをみつけてください。
またカウンセリングを受ける際は、ワイヤー矯正など他の矯正方法も取り扱っている歯科医院を選ぶようにしましょう。
マウスピース矯正には適用できる症例が限られているため、ワイヤー矯正を併用した方が治療しやすいケースもあるためです。

編集部まとめ

青空に手を広げる女性
ワイヤー矯正に比べ、マウスピース矯正目立ちにくく痛みも少ないといわれています。

他にも取り外しができるので口腔内を清潔に保ちやすかったり、金属アレルギーの心配をする必要がなかったりと多くのメリットが存在します。

しかし多くのメリットがある一方で、適用される症状に限りがあったり、ワイヤー矯正と比べて治療期間がやや長期化する傾向があったりといったデメリットが存在することも事実です。

そのためマウスピース矯正の検討をする際には、マウスピース矯正を含むいくつかの矯正方法を取り扱っている歯科医院でカウンセリングを受けるようにしましょう。

いくつかの歯科医院から、最も自分の症状や希望に合った歯科医院をみつけてください。

この記事の監修歯科医師