【雑誌「anan」連動企画】“メディカルケア”リサーチ vol.01 歯科矯正・審美治療のデジタル化と最新事情

公開日:2021/12/24

ネットを検索すればすぐに情報が手に入る時代だけれど、特に大切なカラダに関することは、情報源の確かさを重視したいもの。そんなニーズに応えるべく「Medical DOC」副編集長・佐藤あやが、気になる最新医療にQ&Aで迫る、女性誌「anan」とのコラボレーション連載企画がスタートします。第1回は、歯科医師の白井崇浩先生(エス歯科グループ総院長)にお話を伺いました。

※2021年12月24日発売の「anan」に掲載された記事をMedical DOC用に再編集しています。

白井崇浩先生

監修歯科医師
白井 崇浩(エス歯科グループ総院長)

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医療法人社団白浩会理事長。インプラント治療やマウスピース型矯正をはじめ、審美、予防など歯科全般の最新事情に精通。エス歯科グループは横浜、町田エリアで5院を展開している。

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル、リポーター。2021年8月から「Medical DOC」の副編集長としても活動を開始。最新の美容・医療・健康情報には常にアンテナを張っている。1児の母。Instagramは@faafa8

デジタル化が進む歯科治療

デジタル化で歯列や歯をスキャンして、データを活用します。

編集部佐藤あや

矯正や審美治療のデジタル化とは、具体的にはどういうことなのでしょうか?

白井崇浩先生白井先生

現在の歯科治療ではデジタル化が進んでいて、通院回数や期間が短縮され、負担が少なくなっています。たとえば、矯正治療で人気のマウスピース型矯正では、3Dスキャナーで歯並びをスキャンし、歯の動かし方をコンピューターでシミュレーションできるので、正確なデータをもとに治療計画が立てやすくなりました。画面上で、患者さんと治療後の歯並びのイメージを共有することができたり、どのくらいの期間で終わるかも明確に示せるので、安心感につながると思います。さらに、従来ですと、歯型の採取の際に気泡が入ってしまうというトラブルがあったりして再現性が悪かったのが、デジタル技術で精巧なマウスピースをデザインすることができるようになったので、患者さんにフィットするものが作製できるのもメリットです。

編集部佐藤あや

患者にとってはメリットばかりな印象ですね。

白井崇浩先生白井先生

そう思います。また、セラミックなどの詰め物をする場合も、3Dスキャナーで型をとります。歯型をスキャンして、そのデータをもとに自動的に削り出しをしてくれる機械で読み取れば、1日で詰め物が完成します。これまでは、患者さんの歯型をとって、そこへ石膏を流し込んで歯型の模型を作るという工程だったのが、デジタル化により、大幅な時間短縮が可能となりました。

編集部佐藤あや

あまり人の「手」が必要なくなったということですか?

白井崇浩先生白井先生

いいえ。すべて機械頼みでは限界があります。より高精度のものを提供するには歯科医師の経験値も必要ですし、歯科技工士による最終的な手作業が欠かせません。手で歯型を研磨したり、歯の自然な色み調整など、こまやかな部分は人の手によるところが大きいですね。

編集部佐藤あや

歯科治療がこんなに進化していたなんて驚きです。

美容面からも人気のマウスピース型矯正

見た目、期間、痛み…、メリット大でマウスピース型矯正が身近に。

編集部佐藤あや

さまざまな矯正治療がある中で、マウスピース型矯正が注目されるのはなぜですか?

白井崇浩先生白井先生

矯正治療にはさまざまな方法がありますが、私がおすすめしているのがマウスピースを使った矯正です。なかでも透明で薄型のタイプは、美容面からも人気です。歯型をとってデジタル技術で個人に合ったマウスピースを作り、1日20〜22時間、そのマウスピースを歯に装着する必要があります。ですから一日のうち、食事中と歯磨き時以外はつけっぱなしというイメージですね。

編集部佐藤あや

「美容面からも人気」というのは具体的にどういうことですか?

白井崇浩先生白井先生

透明で非常に目立たないので、人から気づかれにくいのと、自分で取り外しできるので食事や歯磨きもしやすいというメリットがあります。すきっ歯や前歯のねじれなどの部分矯正も、このタイプのマウスピースが得意とするところです。

編集部佐藤あや

痛みについても気になるところです。

白井崇浩先生白井先生

心配される痛みも、歯を押されるような感覚はあるものの、耐えがたいほどの痛みではありません。

編集部佐藤あや

治療はどのように進んでいくのですか?

白井崇浩先生白井先生

マウスピースを装着すると1週間で0.25㎜くらい歯が動くので、それに合わせて新しいマウスピースに交換して、希望の歯並びへと治療します。矯正期間は、早い方で半年、平均すると1年前後くらい、費用は80~100万円が相場です。

編集部佐藤あや

マウスピース型矯正は、どんな人でも治療を受けられるのでしょうか?

白井崇浩先生白井先生

歯の症状によっては対応できない場合や、ワイヤー矯正との併用が必要な症例もあるので、できれば、マウスピースにもワイヤー矯正にも適応できるクリニックなら、選択肢が広がりますよ。

編集部佐藤あや

歯列矯正も歯の症状や好みによって治療方法を選べる時代なのですね。審美面で躊躇していた人もマウスピースはトライしやすそうです。

審美歯科で話題の施術

編集部佐藤あや

歯の清潔感や美しい印象を左右する審美歯科で話題の施術はありますか?

白井崇浩先生白井先生

銀歯を白いセラミックに変えたり、ホワイトニングをしたりと、治療だけではない、歯の見た目の美しさにこだわる人も増えていますね。

編集部佐藤あや

セラミックは強度や見た目の違和感などが不安です。

白井崇浩先生白井先生

セラミックの中でも、人工ダイヤモンドといわれるジルコニアは、歯の色も自然で、従来のセラミックと比べても強度がとても高いため、奥歯にも安心して使えます。キャドカムというデジタル技術と歯科技工士による手作業によって、質感やデザインを天然の歯に近づけることができるので、満足度の高い仕上がりになります。

編集部佐藤あや

ホワイトニングはどれぐらい白くなるのでしょうか?

白井崇浩先生白井先生

歯のホワイトニングは、費用や効果、期間で違いがあります。最近増えているホワイトニングサロンは、すべての工程をセルフで行う必要がありますが安価です。ただ、使用するホワイトニング剤は歯科医院で使う薬剤と比べて効果は低く、満足がいく結果になるかは疑問もあります。

編集部佐藤あや

サロンと歯科医院では違いがあるのですね。

白井崇浩先生白井先生

歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、ホワイトニング効果のある専用の薬液と光照射を使用します。歯の表面のエナメル質を白くする特徴があり、即効性が高いです。自宅でのホワイトニングは、歯の象牙質を白くする効果があり、後戻りしにくいのが特徴。マウスピースの中に薬剤を塗って歯に装着することで歯を白くします。

編集部佐藤あや

自分が何を求めるのか、明確にするのが大事ですね。

クリニック探しは公式情報の更新状況をチェック

クリニックの公式情報の更新状況をチェックして。

編集部佐藤あや

自分に合った先生の見極め方や最先端治療を取り入れている歯科医院の探し方はありますか?

白井崇浩先生白井先生

まずはホームページやブログにアクセスしてみて、きちんと情報が更新されているか、ドクターの写真や経歴が載っているかなどをチェックしてみては。更新が止まっているような状態だと、最新情報をとる努力をしていない、感覚が時代と合っていないといえるかもしれません。最先端の治療を取り入れているクリニックなら、そういった情報を公に発信していると思いますのでリサーチしてみましょう。

編集部佐藤あや

正しい情報を個人で見極める〝眼〟が大切ですね。私たちMedical DOCもあわせて活用してみてほしいですね。

写真・小笠原真紀 土佐麻理子 
ヘア&メイク・永山泰菜(佐藤あや)
取材、文・岡井美絹子